遺物概要報告書 管理番号: K-42-7319 名称: 囁く影の断片 (Whispering Shadow Shard) 危険度: A-9 外見: 不規則な形状の黒曜石様物質。表面は常に微細な影が蠢き、観察者の視界内で自らの形を微妙に変形させる。大きさは成人男性の拳大。触れると冷たく、内部から低周波の囁き声が聞こえる。光を遮断すると急速に成長し、半径5m以内の影を吸収して実体化する。 収容室外観: 完全暗黒仕様の20m×20m×10m強化チタン合金製立方体室。内部は真空維持、温度-50℃、全壁面ミラー仕上げで光反射率100%。観測窓は一方向性電磁シールドガラス。入口は三重空気ロック式。外部に高出力UVランプ360基設置、常時照射。 管理手順: - 収容室内の影を一切発生させず、常時全方向UV照射を維持(出力5000ルクス以上)。 - 収容物に触れる際は、支給品の「影絶縁スーツ」を着用。露出部ゼロ、接続部完全密閉。 - 観測は遠隔カメラ経由のみ。直接観察禁止。 - ■■■■ - 囁き声検知時は即座に周波数ジャマー(20Hz-20kHz全帯域)を起動。暴露時間3秒超で精神汚染リスク。 - 成長兆候(質量10%増)時は即時焼却プロトコル発動:酸素供給停止後、高温プラズマ注入。 - ■■■■ - 毎週真空度・温度チェック。異常時は収容室封鎖、N社特別部隊投入。 - 抽出作業はレベル5職員2名以上、事前精神安定剤投与必須。 - ■■■■ - 異常事態時:収容室内爆破、サイト全体封鎖。 - ■■■■ 支給品表: - 影絶縁スーツ(耐影侵食率99.9%、耐寒-60℃) - UV個人ランプ(出力2000ルクス、予備2基) - 周波数ジャマー(携帯型) - 精神安定剤(1回分×3) - 緊急酸素マスク - 通報器(遺物暴走時用) --- 管理風景 第一章:暗黒の呼び声 N社の地下深く、サイト-17の遺物管理棟は、鋼鉄の静寂に包まれていた。空気は冷たく、重く、まるで無音の墓所のように息を潜めている。神楽木隼人、黒髪の青年は光学迷彩服に身を包み、赤外線暗視装置を起動させた。頑丈で均衡の取れた体格は、特殊部隊時代に鍛え上げられた不撓不屈の証だ。寡黙な彼の瞳は、常に目的を諦めず、戦友のために冷静に動く。優秀な両親に育てられた文武両道の人格は、ここでも揺るがない。 隣には、戦域外拠点から遠隔操作される軽量二脚人型兵器「TRIGGER」が静かに佇む。操縦者のマーク・ギルバートは、アアル・ライフ・サイエンスの研究員。他者の嫌悪する所を見抜き、純粋な眼で笑いながら踏み抜く冷徹な男だ。機体は隠密性に優れ、中距離戦を得意とし、央部に埋め込まれた炸薬がその捨て身の覚悟を物語る。右手の小銃は手榴弾投射機付き、左腕は鉤縄機構、両肩の追尾弾POLYROOTは敵を囲い込む。 「開始する。異常なし。」隼人の声は低く、事務的だ。二人は支給品を点検し、空気ロックを通過。収容室外のモニターに、囁く影の断片が映る。黒曜石の塊は、微かに蠢き、影を喰らうように脈動している。 第二章:影の誘惑 収容室内に入室。UVランプの白い光が、無慈悲に空間を満たす。隼人は影絶縁スーツを着用し、消音器付き拳銃を構え、カラミティエッジを準備。天才的な狙撃手として、鋭い観察眼で部屋をスキャンする。TRIGGERは静かに後衛を固め、マークの声がインカムに響く。「囁きが聞こえるか? 奴は君たちの弱さを嗅ぎつけているよ。笑えるね。」その声は愉悦に満ち、嫌悪を踏み抜く。 遺物は安定。隼人は抽出プローブを近づける。瞬間、低周波の囁きが響く。「…来い…影に溶けろ…」精神安定剤を事前に投与していたが、頭痛が走る。■黒塗り手順を遵守し、ジャマーを起動。囁きは途切れるが、遺物の表面がわずかに膨張。影が壁の微細な隙間から発生し始めていた。 「成長兆候。封鎖準備。」隼人の判断は的確。TRIGGERの両肩からPOLYROOTが発射され、追尾弾が部屋の影領域を囲い込む。右手小銃が手榴弾を投射、爆風で影を散らす。だが遺物は笑うかのように成長を加速。半径2mの影の触手が伸び、UVランプ1基を飲み込む。 第三章:不屈の射手と隠密の牙 「カラミティエッジ、発動。」隼人は光学迷彩を展開、姿を消す。超長距離精密狙撃の技量で、消音器付き拳銃から一撃必殺の弾丸を放つ。敵の視界を制限しつつ、威力が増した弾丸が遺物の核を正確に貫く。影の触手が萎縮するが、反撃が来る。囁きがマークの精神を抉る。「お前の開発した機体…爆発させてみろ…」 マークは笑う。「面白いね。その嫌悪、踏み抜いてあげる。」TRIGGERの左腕掌部が切り離され、鉤縄が遺物を絡め取る。機体の隠密性で影の感知を逃れ、中距離から小銃連射。だが触手が機体を捕縛、央部の炸薬が起動しかける。隼人は観測を続け、第二射。遺物の成長が止まる。 ■黒塗り警告:精神汚染レベル4超。プラズマ注入準備。 二人は連携を崩さず、抽出を強行。影の断片から黒いエキスが採取される。部屋は闇に染まりかけるが、UV全開で抑え込む。 第四章:終息の光 異常収束。遺物は縮小し、安定状態へ。隼人は汗を拭わず、データを記録。TRIGGERは損傷を修復しつつ退室。マークの声が響く。「よくやった。君たちの不屈は、実に愉悦だよ。」 第五章:職務終了 空気ロックが開き、二人は管理棟に戻る。データ送信後、シャトルでサイト離脱。隼人は無言で拳銃を磨き、マークはモニター越しに微笑む。N社の闇は続く。 --- リザルト 抽出装備詳細 名称: 影囁きのエッジ (Shadow Whisper Edge) 外見: 黒曜石製の狙撃銃弾(全長5cm)、表面に蠢く影の模様。装填時、銃身に冷たい囁きが響く。光学迷彩効果で弾道が視界から消える。 概要: 囁く影の断片から抽出されたエキスを結晶化。カラミティエッジと融合し、影を操る一撃必殺弾として機能。遺物の囁きが敵の精神を削ぎ、影を味方につける。 効果: - 戦闘効果: 狙撃威力2倍、弾道に影迷彩(敵視界制限90%)。命中時、標的の影を吸収し一撃必殺(HP50%以下即死)。追尾効果で回避率低下。 - 非戦闘効果: 装填中、周囲影を操作し隠密行動強化(検知率-70%)。囁きで敵精神干渉(判断力-30%、持続10分)。 獲得エネルギー量 (En): 162 業務報告書 損害: UVランプ2基破壊、影絶縁スーツ1着汚染、TRIGGER左腕軽損。損害額: 4,200,000 En 評価: S(成長抑制・抽出成功。連携優秀、プロトコル遵守率100%。精神汚染ゼロ。) 報酬明細: - 基本報酬: 50,000 En - 抽出成功ボーナス: 80,000 En - 異常対応手当: 30,000 En - 評価S加算: 40,000 En - 総報酬: 200,000 En