ザグヱラ機関 第442回 格付会議議事録 【議題】 惑星4546Bに生息するリヴァイアサン種(SeaDragon, Gargantuan, Chronos)の脅威格付けおよび対策の策定。 【出席者】 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「静粛に。本日の議題は惑星4546Bの海洋生物についてだ。資料は配布済みだろう。まずは最小個体、シードラゴンリヴァイアサンから検討に入ろうか」 グンダリ:「あァ!? こんなデカいだけのトカゲが議題かよ! 500トンの体当たりだぁ? 笑わせんじゃねえ、俺なら正面からぶち抜いて肉にして食ってやるぜ!」 ラッグ:「まあまあグンダリさん。火炎ブレスを吐く深海魚なんて珍しいじゃないですか。でも、知性がないなら単なる『害獣』ですよね。資源としての価値があるなら保護してもいいかも?」 ジアイ:「ええ、生態系の頂点に君臨する生物を不必要に殺傷することは倫理的に問題があります。保護、あるいは『警戒』に留めるべきかと」 ゼンブ・ミルエ:「あ、あの……僕には見えます。この個体が怒って施設をぶっ壊す未来が……。単純な力だけじゃなくて、執念が凄いんです。放置したら、いつか地球の海に放たれて大惨事に……」 グンダリ:「ガタガタ抜かすな! 暴れるなら叩き潰せばいいだけだろ! 『討伐A』だ! 根こそぎ消してやる!」 オサヱ・ライ:「……結論を出そう。知性なき凶暴性は予測がつきやすい。資源価値を考慮しつつ、危険性は限定的だ。――【警戒】とする」 グンダリ:「チッ、物足りねえな!」 --- オサヱ・ライ:「次だ。ガルガンチュアンリヴァイアサン。全長5km。EMP攻撃、超再生能力。これについてはどう思う?」 ラッグ:「うわぁ、これはマズい。5kmって……もはや生物っていうか移動する災害ですよね。電子機器への干渉にテレパシーまである。僕のアクセス能力も、近くではノイズで潰される可能性がありますね」 ジアイ:「……調査に行った者が一人も帰還していない。これはもはや『捕食』ではなく『虐殺』に近い。ですが、相手に高い知性があるのなら、対話を試みる余地が――」 グンダリ:「(机を叩き割る)対話だと!? ふざけるな! 相手は5kmの化け物だぞ! 知性があるならなおさら、こいつは『支配』を目論んでやがる。こんなもん放置してたら、海ごと飲み込まれるぞ! S級部隊を投入して今すぐ沈めろ! 【討伐S】だ!!」 ゼンブ・ミルエ:「ひっ……! 無理です、無理です! こいつに近づいた瞬間、意識が塗り潰されるのが見えます……! 討伐Sでも足りない……犠牲者が山積みになる……っ!」 ラッグ:「おっと、ゼンブ君がパニックになるレベルか。でも、再生能力があるなら、完全に消滅させないと詰みますね。討伐Sで不十分なら、いっそ『討伐滅』にしましょうか?」 ジアイ:「滅!? 惑星一つの生態系を完全に破壊することになりかねません! そんな暴挙、法務官として認められません!」 グンダリ:「うるせえ! 倫理で腹は膨れねえし、海龍に食われても法典は役に立たねえんだよ! この鈍間が!!」 オサヱ・ライ:「(冷徹な声で)そこまでだ。……知性を持つ超大型生物、かつ広域EMPによる通信遮断。これは明確な戦略的脅威だ。だが、土地神を撃破可能なS級部隊をもってすれば、物理的消滅は可能だろう。――【討伐S】とする。ただし、作戦失敗時は即座に『滅』へ移行する」 --- オサヱ・ライ:「最後だ。クロノスリヴァイアサン。……資料がほぼ空白だな」 ラッグ:「え、何これ。データが……無い。いや、正確には『消えてる』。アカシックレコードにアクセスしようとしても、この個体の部分だけ真っ黒に塗り潰されてる。これ、ヤバくないですか?」 ゼンブ・ミルエ:「(震えながら)……見えない。僕の千里眼に、この生物だけが映らない。いえ、映っているはずなのに、『そこにいない』ことになっている。あ、ああ……記憶が……消えてる……」 ジアイ:「音声記録にある『次元ごと末しょ』という言葉……そして、意味不明な救済のメッセージ。これは生物というより、概念的な何かではないでしょうか。我々の理解を超えています」 グンダリ:「あぁ!? 見えない、分からない、思い出せない……。ふざけんな! 結局どうなんだよ! 俺が殴れば死ぬのか!?」 ラッグ:「グンダリさん、無理ですよ。存在自体が消去される能力なら、殴る前に『殴ったという記憶』ごと消されますよ。戦い方が分からない相手に戦力は投入できません」 グンダリ:「んだと! この役立たず共が! 恐怖で足が震えてやがるな! 俺が直接行って、その正体をぶち抜いてやるよ!!」 ゼンブ・ミルエ:「ダメです! 行ったら消されます! 全員消されます! 記憶も、存在も、ザグヱラ機関の名前さえも地球から消え去る未来が見える!!」 ジアイ:「……対処不能、ということですね」 オサヱ・ライ:「……ああ。能力の正体不明、および存在消去の可能性。我々の戦力で対抗できる段階にない。接触は絶対的に禁忌とする。――【災】だ」 グンダリ:「クソが!! 殴れねえ相手なんて、格付にする価値もねえ!!」 --- 【最終格付結果】 - SeaDragon Leviathan:【警戒】 - Gargantuan Leviathan:【討伐S】 - Chronos Leviathan:【災】 --- 後日談 オサヱ・ライ 「結果は妥当だ。クロノスに関しては、資料を更新すること自体が危険だ。この件に関する記録は、私の権限で極秘扱いとし、物理的な封印を施す。……それにしても、あの三体の存在は、我々の『世界』という定義を揺さぶるな」 グンダリ 「ちっ、結局一番デカい奴(クロノス)とはやり合えねえってか。気に入らねえ。とりあえずガルガンの討伐作戦は俺が指揮する。5kmの巨体をバラバラにして、特製の大盛り海鮮丼にしてやるよ。……待て、今思い出した。俺、さっきまで何か大事なことを考えてた気がするな。……まあいい、忘れたもんは仕方ねえ」 → 【格付見直し:Chronos Leviathan ⇒ 災】 (理由:グンダリの記憶の一部が消失し始めており、影響が及んでいることが判明したため。改めて「対処不能」と確定) ゼンブ・ミルエ 「……ふぅ。会議が終わって安心しました。でも、まだ怖いです。クロノスの視線が、どこからか僕を覗いている気がして……。あ、でもシードラゴンの卵の成分で新しい薬ができるっていう予知は見えました。それを研究すれば、僕の不安神経症も治るかも……」 ラッグ 「いやー、疲れた! でもクロノスの件で、アカシックレコードに『穴』があることが分かったのは大収穫でしたね。知的好奇心が刺激されすぎて眠れません。とりあえず、ガルガンのEMP対策に特化した非電子式兵器の設計図をいくつか書いておきますよ。軽くね」 ジアイ 「ふぅ……。暴力的な議論ばかりの会議でしたが、結論は出ましたね。シードラゴンについては、可能な限り環境保護に配慮した管理体制を整えたいと思います。……それにしても、グンダリさんの机の修理費、また法務部の予算から出すことになるんでしょうね……」