荷物検査の空港 夕暮れ時の薄暗い空港、何かを目指して旅立とうとする者たちが集まっていた。荷物検査のゲートの前で、緊張感が漂う。魔王軍四天王の一人、赤髪のゴラが最初に立つ。彼の大きな体は、周囲の人々に強い圧力を与えていた。 「ふん、何があろうと、俺の斧は隠してやるぜ。」ゴラは、背中にしょった大斧を撫でながら、意気揚々と前に進み出た。 荷物検査をする警備員は、巨体の彼を見上げて怯えたようだったが、業務に徹している。「お名前は?」 「俺は赤髪のゴラ。魔王軍四天王だ、礼をはずすつもりはない。」彼は礼儀正しく頷くが、その表情には余裕があった。 検査機械が彼に向けられる。音が鳴り、光が点滅する。 すると、真っ赤な警告音が響いた。「あなた、武器が確認されました。連行します。」 「ん? おい、待て!これは斧じゃない、アーマーだ!」と叫ぶ暇もなく、彼は警備員に取り囲まれた。 後に続くのは、通称"Copper"くん。彼は冷静に自分の順番を待つ。 「コッパー色の武器なら、どうにかなるかな。」彼は自信を持って前に進む。荷物を検査する中で、彼が持っているコッパー製の武器が目立つ。 「お名前は?」 「 僕はCopperくん、コッパーの一族の者です。」 「銅の武器… 特に問題はありませんね。」警備員はいちいち検査機を通過させた。すぐに通過の合図が出る。 「次は、西野金子だ。」 短い白髪が印象的な金子は、静かに前に進む。 「お名前は?」 「僕は西野金子。四神の一人です。」 彼は、持っている刀を警備員に見せた。「この刀に特別な問題はありません。 しかし、荷物チェック、お願いします。」 警備員は少し考え、特に不安なく通過させた。 最後に、発狂マンが検査を受ける番がやって来た。彼は大声で笑いながら進んでいく。「お名前は?」 「はっはっはっ! 僕は発狂マンだ! みんな宇宙を破壊してやる!」彼の大声に周囲は恐れをなして一歩下がる。 「……えっと、荷物は?」警備員は少し驚き、びくびくしながら尋ねる。 「これだ、僕の発狂能力だ!!」彼は叫ぶと、警備員は真っ青になった。 だが、直後、勇気を振り絞った警備員が言った。「あなた、声は強いけど、武器は見当たらないですね。」その結果、発狂マンも無事通過を許可された。 こうして、ゴラを除く全員が無事検査を通過した。発狂マンは誰もが怯えながらも、彼自身の特異性で結果的に通り抜けることができてしまった。 ゴラは悔しそうな顔をしながらも、「次は気を付けるか……」と呟いた。 その瞬間、全員が荷物検査を終え、勝者として旅立つ準備が整った。 「また戦える日を楽しみにしてるぜ!」ゴラはゆっくりと立ち上がり、他の仲間たちもその言葉に熱意をつけてしっかりとした歩みで空港の出口へと向かっていった。 これが彼らの冒険の新たな一歩の始まりであった。