時刻は夜の八時を過ぎ、すっかり外は暗くなり、酒場は賑わいを見せていた。焦げ肉の香ばしい匂いがウィスキーの香りと混ざり合い、酔った雰囲気を一層高めている。各席では楽しげな笑い声やぐいぐいと飲み干す音が響き渡る中、一つの大きなテーブルを囲むように二つのチームが陣取っていた。AチームとBチーム、参加者たちは各々酒を手に持ち、次第に酔いが回ってくるとともに互いの疲れた心を解きほぐしていく。 「うわぁ、すっごくおいしそうな肉が並んでる〜!」と、【雷槍の龍人】トレノ・インパルスが目を輝かせて声を上げた。豪華なメニューの中で目を引くのは、色とりどりの豚肉と牛肉。そして、そこには鉄板の上でジュウジュウと音を立てる焼き肉の姿があった。 「それじゃあ、まずは乾杯だぜ!みんな、今日は楽しくやろうな!」と、【武者修行】シレハ・ゴトウが笑顔で杯を掲げると、周りの者たちもそれに続いて乾杯の声を上げる。 「かんぱーい!」 それぞれのコップがカランと音を立て、酒が注がれる。酔いが進むにつれ、参加者たちの表情も温かさが増してくる。白髪の少女、サクリファイス/犠牲の聖女は、無口ながらも、その夢見るような瞳で周りを見渡していた。「私も、いつかの平和を夢見れるのかもしれない……」と小さく呟くが、誰にも聞こえない。 Aチームの一人は肉を焼き始めた。「この部位が好き!カルビが最高なんだ〜!」 そう叫んだのは、【束縛と捕食の蜘蛛魔女】ドラノール。彼女の独特の間延びした言葉に、周りは一瞬笑いを堪えたが、すぐにその魅力に惹かれる。「まずはお肉を楽しむことが大事ですものね。逃げられない獲物さえ、ここで楽しませてあげますわよ。」くふっ、と笑いながら、ドラノールは肉を頬張る。 すると、隣に座っていた【堕ちた聖女】ミヒャエル・ニャン・ニャンが「ミヒャも肉、よくわかんないけど、おいしい気がするにゃ〜」と言いながら、もぐもぐと食べ始める。時折、酔った拍子に周りの目を気にせず、猫耳を揺らして見せた。 「みんな肉の中ではどれが好きなんだ?俺は、何と言ってもウィンナーが一番だ!」と【雷槍の龍人】トレノ・インパルスが呼びかけると、他の参加者も口を開いていく。「俺はやっぱりハラミだな、脂身が甘くてたまらん。」とシレハが真剣な表情で応え、すかさずトレノが「ハラミだけじゃなくて、タンも最高だろ!」と声を荒げる。酔っ払った二人は、お肉への情熱を語り合い、さらに酒が進む。 AチームとBチーム、会話が盛り上がる。霊的な存在であるサクリファイスが無口でじっと肉を見つめながら、焼かれる様子を見ていると、トレノがふとその横を通り過ぎて、「おい、サクリファイス!食べるか?」と誘った。彼女は小さく頷き、トレノに差し出された肉を受け取ってもぐりと頬張る。冷たい目を持つ彼女だが、口の中で肉が柔らかくなっていくと、やわらかな表情が生まれた。 酔いが回れば回るほど、周囲との距離が縮まっていく。トレノとシレハは大きく相手の肩を叩き、「もっと飲め!この肉のおいしさを楽しむんだ!」と騒いでいる。一方で、サクリファイスは無表情ながら、他の焼けた肉が気になってするすると手を伸ばす光景が、愛らしい笑いを引き起こす。 その瞬間、ドラノールは微笑みながら後ろから近づいて、彼女の髪の毛を撫でたり、頬に触れたりする。「可愛い獲物ですねぇ、もっと美味しくなるように育てたいんですわぁ」と、いつもとは違う彼女の一面に、周りは爆笑した。 「ねぇ、ドラノール!そろそろあれ食べない?」と、【修羅ノ剣士】蜻蛉が声をかける。「あ、もちろんですとも!」とドラノールは嬉々として言い、今度はその手を生け贄にするかのようにサクリファイスに近づいて、ついに二人のスキンシップが始まった。 「いや、こんなことするなよ〜、もう酔っ払ってきたのに。」とシレハが酔いが回った顔で困り顔をするも、どこか彼女を守るように目を向けている。 「私、今日あたる気がするにゃ〜!」と元気づけるようにミヒャエルが言う。しかしその様子を見たトレノが連続して、「な、何だこれ、酔っ払って大騒ぎしちゃうぞ!」と、黒髪の少女を見やって彼女の頭を優しく撫でる。 「楽しそうだな。ボクも参加させてもらうよ」と言いながら、【ボーイッシュちゃん】瀬川ユキも尾を引いていた。「今宵はボクがモテモテだな。これが女子同士での真の化学反応ってやつだ!」と、周りの空気を華やかにする。酔った男たちは心強くも、みんなで一緒に楽しめる空間であった。 「それなら、みんなにこの肉を捧げようか?」とシレハが支配する姿勢を見せて、特大のカルビを真ん中に置く。仲間と共に大いに騒ぎ、笑い合い、一口ずつその肉を楽しみながら、酒を飲み交わす。それぞれの思い出や夢がその場に溢れ、とりわけ何気ない言葉が一つに繋がっているようだった。 「今日は本当に皆といてよかった……沙良!」とトレノは、肉の落ち着きを見出し、同時に他の参加者にも礼を述べた。酔った頭に浮かぶのは、世界の広さどころか、夢が叶う瞬間を求める彼らの姿で、心からの笑い声が生まれる。