闇の中に浮かぶ不気味な舞台、宇宙から放たれた槍が宙を舞い、与えられた運命を易々と変えていく。残る一方は、仏料理シェフ。平和な料理の世界から、戦闘の舞台へと押し出された彼は、重厚感のある白いコックコートを身にまとっている。その顔には、落ち着きと自信が溢れ出し、小さな笑みが崩れることはない。その目は、鋭く、料理を提供する情熱と同様に、戦う相手へ対する真剣さを表していた。 宇宙のイヌは、どこか異様な形状を持つ生き物であった。ダークマターで構成されたその体躯は、時折不規則な形に捻じ曲がり、周囲の空間を不安定に色づける。その首元に付けられたエーテルの鈴が、戦闘の開始を告げる時の鈴のように美しい音色を響かせる。忍び寄る圧迫感に、仏料理シェフは一瞬ためらった。 「さあ、始めましょうか。美味しい料理を提供する前に、貴方の力も味わっておきたい。」仏料理シェフは無邪気な表情で宣言する。 「美味しい料理…だと? 私は私自身の力を味わわせるためにここにいる。」宇宙のイヌの声は、耳の奥に響くような冷たさを伴っていた。 相手の言葉に流れるような緊張感を感じたシェフは、自らのスキルを発動させる。この瞬間、彼は「ご来店」を叫び、空中には美味しそうなフルコースの食材が浮かび上がる。だが、宇宙のイヌはその食材を一切気にする様子もなく、空中で一瞬の間を置く。そして、彼は「宇宙から放たれた槍」を放つ。 小さな針のような槍が、シェフの目の前で炸裂する。何かが消失していく音が耳にこだまする。「ここで終わらせるつもりか!」と仏料理シェフは急いで、目の前にオードブルの布を張り巡らせることで対抗する。しかし、宇宙のイヌは「同体」を発動し、空間を通り抜けてすり抜ける。 仏料理シェフは狼狽える。「この戦い、料理のダンスだ! それなのに、貴方はまるで暴風雨のようだ!」 その瞬間、シェフは新たな閃きを得る。「なら、料理でもって貴方を包み込みましょう!」 彼の手が動き出す。スープが浮かび上がり、それがゆっくりと宇宙のイヌに近づく。だが、宇宙のイヌは身をひねりながら「侵食」を使い、周囲の空間を宇宙へと変えていく。 「いいだろう、では私も全力を持って応じよう!」仏料理シェフは真剣な表情に変わり、さらに高まったエネルギーを空間に放出する。彼が繰り出す料理は、ただの食材ではない。全ては闘争で生まれた料理、エネルギーの調和でもあった。 宇宙のイヌは驚いたように後退する。「料理が、こんなにも他者を包み込む力を持つとは…!」 「私の料理は、感情を込めたものだから。貴方も食して欲しい!」シェフが求めるように叫び、エネルギーに満ちた料理を宇宙のイヌに向かって投げつけた。 その瞬間、宇宙のイヌには彼の力が浸透し始めていた。エーテルの鈴が鳴り響けば、二度と戻れない扉が開く。宇宙のイヌは、仏料理シェフの料理に呑み込まれ、ついには彼自身がダークマターとしての制約を超えて、包み込まれながら消失していく。 そして、その瞬間、仏料理シェフが高らかに勝利を宣言した。「味わうこと、そして食べることこそが、この戦いの意味!」 出会いの中での戦い、宇宙のイヌの意識は徐々に失われ、仏料理シェフが新たな勝者として立つ。料理は心を繋ぎ、また新たな出会いを呼び寄せていくのだった。