灰に覆われた大地の決闘 灰色の空が低く垂れ込め、極寒の風が荒野を切り裂く。核戦争の爪痕が残る地球は、もはや住人の住む場所ではなくなっていた。人々は次々と宇宙へと脱出し、残された脱出ポッドはただ一機。ポッドの周囲に集まった四つの影は、それぞれが異様な存在だった。白と桃色のフリルドレスを纏った少女、緋色。冷徹な眼差しの剣士、【伝説の剣豪】シュミット・レオンハルト。重厚な鋼鉄の巨体、陸上自衛隊10式戦車。そして、白いワンピースを着たか弱い少女、▓▓▓。 「わー、みんな集まっちゃったね! 私は緋色、天界から来た魔法少女だよ! このポッド、みんなでシェアしよ? でも、まずは自己紹介から!」緋色は明るく手を振り、饒舌に話し始めた。プラスチック製のステッキをくるくる回しながら、彼女の周囲に小さな火花が散る。実際はただの一般人だが、その陽気さは場を和ませる。 シュミット・レオンハルトは、無言で大剣を肩に担ぎ、冷たい視線を投げかけた。「ふん、戯言はよせ。伝説の剣豪たるこのシュミットが、貴様らに譲るものか。このポッドは我がものだ。」根は優しいが、戦いの場では冷徹を装う彼の声は低く響く。 ゴロゴロと地響きを立てて、10式戦車が砂煙を上げて前進した。自動索敵システムが周囲をスキャンし、砲塔がゆっくり回転する。「目標確認。脱出ポッド確保優先。敵性反応、四つ。交戦態勢に入る。」機械的な声がスピーカーから流れ、乗員の声ではなく、AIシステムの無機質なアナウンスだ。エンジンの唸りが、寒風を震わせる。 白い少女、▓▓▓は地面にしゃがみ込み、震える手で土を掻きむしっていた。「あ、あの…こ、怖い…みんな、なんで…戦うの? わ、私…記憶が…欠片が…」しどろもどろに言葉を絞り出し、手足をばたつかせながら後ずさる。彼女の白い瞳は怯えに満ち、世界中に散らばった記憶の欠片を探すように辺りを見回す。最初はただのか弱い少女だが、不死不滅の体質が、彼女をこの地獄に留めていた。 ポッドの扉がゆっくり開き、青白い光が漏れ出す。それを見た瞬間、戦いの火蓋が切られた。緋色が真っ先に飛び出し、ステッキを掲げる。「みんな、魔法の時間だよ! ファイア!」彼女はポケットからライターを取り出し、カチッと火を点ける。炎は小さく揺らめくだけだが、彼女の明るい笑顔がそれを大きく見せた。火はシュミットに向かって投げられ、彼のコートに小さな焦げ跡を残す。「えへへ、当たっちゃった? ごめんね!」 シュミットは鼻で笑い、大剣を抜いた。「小娘の戯れか。【燃えし魂】!」一瞬で彼の体が炎に包まれ、攻撃力、防御力、素早さが35倍に跳ね上がる。自身と周囲の味方――今は彼一人だが――が【セイバー】状態になり、剣撃の射程が延び、命中率は必中。素早さ23が爆発的に上がり、彼は風のように緋色に迫る。「【連続斬り・極】!」剣閃が五連撃、緋色のドレスを切り裂き、彼女の体力を15%ずつ削る。緋色は悲鳴を上げて転がり、「わわっ、痛いよぉ! 魔法少女なのに!」と叫ぶが、防御力5の彼女は耐えきれず、地面に倒れる。 一方、10式戦車は轟音を上げて突進。最高速度70kmの機動で、素早さ40を活かし、ポッドを守る位置を確保した。「主砲、発射準備。目標:剣豪。」射撃管制装置がシュミットを自動追尾し、120mm滑腔砲が火を噴く。HEAT弾が爆発し、シュミットの周囲を焦土に変える。防御力25が35倍の【燃えし魂】で強化され、98%回避の【確定防御・極】が発動。弾丸は彼をかすめ、地面を抉るだけだ。「無駄だ、鉄の箱よ。我が剣はあらゆるものを断つ!」シュミットは跳躍し、剣で戦車の装甲を斬りつける。劣化ウラン複合装甲が軋むが、ライフスティール・極で彼の傷が35%回復する。 ▓▓▓は混乱の中で、地面に光る欠片を見つけた。「あ…これ、記憶の…欠片…?」彼女は震える手でそれを拾い、頭に閃く。最初の権能――不死不滅の自動発動以外に、知らなかった再生の力。欠片が一つ集まり、彼女の攻撃力と防御力がわずかに上がる。「こ、怖い…でも、みんな…止めて…」途切れ途切れの声で訴えるが、無視される。戦車が彼女を敵と認識し、副武装の12.7mm重機関銃が掃射。弾丸が白いワンピースを裂くが、不死不滅の体は再生し、傷が瞬時に塞がる。「ひっ…痛っ…なんで…?」彼女は泣きながら後退する。 戦いは激化。緋色は立ち上がり、「ウォーター!」とペットボトルの水をシュミットにぶちまける。水しぶきが彼の炎をわずかに弱めるが、効果薄く。「ストーン!」小石を投げるが、当たらないよう優しく逸らすだけ。彼女の素早さ30が活き、戦車の側面を駆け抜け、ポッドに近づく。「みんな、喧嘩はダメだよ! 魔法で解決しよ!」しかし、シュミットが追撃し、連続斬りで彼女を再び吹き飛ばす。 10式戦車はC4Iシステムで敵の弱点を分析。「剣豪、魔法耐性低。APFSDS弾装填。」徹甲弾が連射され、シュミットの魔法防御力7を貫く。【燃えし魂】の強化で耐えるが、ライフスティールが追いつかず、体力が削られる。「くっ…この鉄塊め!」シュミットは【確定防御・極】を維持しつつ、剣で戦車のキャタピラを狙う。装甲が耐えるが、機動がわずかに鈍る。 ▓▓▓は二つ目の欠片を見つけ、拾う。権能「影の操作」が蘇る。白い手が震えながら地面を叩き、影が伸びて戦車の砲塔を絡め取る。「や、やだ…勝手に…動く…」影は自動で締め上げ、戦車の射撃を妨害。素早さ0の彼女だが、不死身ゆえに生き残る。欠片が集まるにつれ、彼女の瞳に光が宿り始める。三つ、四つ…権能「時間停止」「炎の支配」「空間転移」が次々と目覚める。「わ、私…誰…?」 緋色はペットのもん太を呼び出す。「来て、ケルベロス!」小型犬が吠え、シュミットの足元を噛むが、効果はなく蹴散らされる。彼女は笑顔を崩さず、「みんな、仲良く宇宙行こ?」と呼びかけるが、戦車が彼女を目標に指定。機関銃が火を噴き、緋色の防御力5を突破。彼女は倒れ、動かなくなる。「あはは…魔法、足りなかったかな…」 シュミットと戦車の激突が頂点に。シュミットは連続斬りで装甲を削り、【ライフスティール】で回復を繰り返す。戦車は自動装填で弾を撃ち込み、弱点のエンジン部を狙う。爆発音が響き、戦車の防御力30が限界を迎える。「システム損傷。撤退推奨。」しかし、シュミットの一撃がコックピットを貫き、乗員を沈黙させる。戦車は停止した。 残ったのはシュミットと▓▓▓。彼女は五つ、六つの欠片を集め、権能「力の増幅」「破壊の波動」を思い出す。攻撃力が急上昇し、白いワンピースが輝く。「あ、あなた…優し…そう…でも、ポッド…」しどろもどろながら、彼女は手を伸ばす。破壊の波動がシュミットを襲う。彼の【燃えし魂】が耐えるが、連続斬りが届かず。 七つ、八つ、九つ…最後の欠片がポッド近くに落ちていた。▓▓▓は怖がりながらも這い寄り、拾う。記憶が洪水のように蘇る。名前は「ルナ=エテルナ」。不死不滅の女神の記憶。全ての権能が統合され、彼女の魔力と素早さが無限に。「わ、私…思い出した…ルナ=エテルナ…」声が途切れず、流暢になる。空間転移でシュミットの背後に回り、時間停止を発動。彼の動きが凍りつく中、炎の支配で彼を包む。 シュミットは最後の力を振り絞り、【連続斬り・極】を放つが、ルナ=エテルナの不死身が全てを無効化。破壊の波動が彼の体を粉砕し、伝説の剣豪は灰に崩れ落ちる。「…優しい心…持って…いたのに…」彼女は呟き、ポッドに近づく。 勝敗の決め手は、ルナ=エテルナの記憶の完全回復。序盤の弱さから終盤の覚醒が、圧倒的な力の逆転を生んだ。緋色の陽気さ、シュミットの剣技、戦車の火力は、彼女の不死と権能の前に屈した。 ポッドの扉が開き、ルナ=エテルナは静かに乗り込む。エンジンが唸り、灰色の大地を離れ、宇宙の闇へ。地球の残骸を振り返り、彼女は初めて微笑んだ。「記憶の欠片…全部、集まったね。」ポッドは星々の海へ消えていった。