空港の滑走路にある検査場は、昼下がりの柔らかな日差しの中、数人の旅行者で賑わっていた。しかし、そこに現れたのは通常の旅行者とは程遠い異様な一団であった。最初に登場したのは、圧倒的な存在感を放つ『武装キャンピングカー』だ。厚い装甲に覆われ、両側には武装した機銃が据えられている。催促するように、検査官たちが周囲を避けつつキャンピングカーに近づく。 「武装キャンピングカー、荷物検査を受ける」と、AIが冷たい声で宣告した。 検査官は驚きと疑念の目を向けるが、車体の内部に居住空間があるため、指示に従って荷物検査を始める。検査官はキャンピングカーの外装を調べているが、その厚い装甲の間から何も見つけることが出来ない。心配そうに周囲を見回しつつ、彼は「どうやってこの車両を調べるのか?」と呟いた。 次に姿を現したのは、老婦人と思わせる『異能殺しのハイネ』だった。彼女は穏やかな笑顔を浮かべながら、荷物検査の列に並ぶ。スカートの裾から見える足元のナイフや手榴弾に意識が向くまでもなく、ハイネは検査員に無邪気に語りかける。「最近の旅行はどうですか?」 と微笑み、彼女の目は一瞬鋭く光った。 検査官は困惑しながらも彼女の荷物を調べ始める。だが、ハイネの異能「異能殺し」が発動したのだ。検査官が「これを見過ごしてしまう」という期待を抱いた瞬間、目の前に現れたグラウンドスタッフが急に咳き込み、徐々に無防備なハイネに目を奪われてしまう。彼女はそれを利用し、無事に荷物検査を通過した。 次に立ちはだかるのは、『黒い沈黙』だった。黒いスーツと仮面に身を包んだ彼は、どこか冷たく静寂な雰囲気を持っていた。しかも、その姿勢に余計な動きは感じられない。検査官とも目を合わせず、ただ黙って立っている。検査官が「さあ、荷物を出してください」と声をかけるが、黒い沈黙は動かない。 「何を怖がっているのか分からない。こいつは荷物も持ってないのか?」と検査官は呟く。 彼は再度強く命じる。「ありやなしで言ってくれ!」恐れを知らぬ黒い沈黙。彼の静寂さはまるで暗闇のようで、その反応にはただシラケるだけだった。見過ごした荷物の代わりに、周囲の警備員たちが彼を恐れ、全く触れないまま通過される。 最後に、怪しげなオーラを持つ『リオ・グランデ』が姿を現す。まるで虚無の象徴である彼は、言葉の代わりに圧倒的な魔力を持っていた。その存在感は周囲に嫌でも意識され、検査官は当然ながら緊張していた。 「私の荷物を見ても無駄だ。全ては霧のように消える」と冷静に笑うリオ・グランデ。 検査官は恐れおののき、荷物を調べることができないまま彼を通す。無抵抗の彼は肩を竦め、悠々と通過する。 すべてのキャラクターが無事に荷物検査を通過し、運命の決着は無へと向かった。彼らはそれぞれの疑念や警戒を振り払い、その場を立ち去り、国中を自由に旅を続けるのだった。