街は静まり返り、薄暗い路地の一角に「救済の獣」が堂々と佇んでいた。その姿は仏像のような不気味さを纏い、覆面で隠された顔は謎めいた印象を与える。手に持つ巨大な扇は、まるで風を操るかのように優雅に振られていた。周囲には召喚された小型の仏像が点在しており、活動を開始する準備を整えている。紅協奏曲事務所『フォカロ』の二名、血鬼の子孫である彼らはその場に立ち尽くしていた。 「行くぞ、相棒。」 紅協奏曲事務所の職員である彼は、黒いロングコートを翻しながら、背中に装備された赤い大剣『赤月』を握り締める。整った黒い髪が月明かりに照らされ、赤いベルトとネクタイが不気味な雰囲気の中でくっきりと映えている。深紅の瞳が獣を見据え、決意が滲んでいた。相棒も頷き返し、構えを取った。 「行くぞ、『救済の獣』!」 彼の叫びを合図に、戦闘が始まった。彼は『血纏い』のスキルを発動させ、大剣『赤月』に自らの血を纏わせる。その瞬間、大剣が不気味な輝きを放ち、攻撃力が三倍に跳ね上がった。彼は一気に『救済の獣』に踏み込んでいく。 「今、終わらせてやる!」 彼の一振りが『救済の獣』に刃を向ける。しかし、『救済の獣』は巨大な扇を一閃し、周囲に風を巻き起こす。彼はその風圧を受けながらも、さらに前に進み距離を縮めていった。「吸収」を発動し、小型の仏像たちに斬撃を浴びせる。鮮血が飛び散り、血が奪われ回復する影響を感じる。 小型の仏像たちが一斉に動き出し、攻撃を仕掛けてきた。彼は即座に剣を振り下ろし、仏像に向かって「血染め」を発動させる。 「三連続の斬撃!」 大剣が振るわれ、次々と小型の仏像を粉砕していく。最後の一撃が仏像に命中し、鮮血が周囲に撒き散らされた。彼が奪った血液が大回復をもたらし、再び戦闘の意欲を高める。 「滅びこそ我が喜び。死にゆくものこそ美しい」という冷静な言葉が響き渡ったかと思うと、魔王ゾーマが姿を現した。彼の高いカリスマ性に圧倒されつつも、彼らは警戒を緩めなかった。 「お前がこの街を混乱に陥れている張本人か?」 ゾーマは不敵な笑みを浮かべ、冷静に状況を見守っていた。「我が魔力を見せてやろう。」彼は手を掲げ、次の瞬間、マヒャドの詠唱が始まる。 「行け!マヒャド!」 高質量の氷が雲のように現れ、彼らに降りかかる。急いで彼は避けるが、冷たい氷が彼の肩をかすめ、凍る寒さを感じた。だが、彼は毅然と立ち上がり、ゾーマに向かって突進した。「禁固」を発動し、自身の血液を固化させながらゾーマに付着させる。 「お前を引き寄せる!」 ゾーマは一瞬驚愕するが、すぐに冷静を取り戻し、いてつくはどうを発動させる。 「その効果を無に帰してやる!」 彼の魔法が彼の体を包み込み、向かう手が止まる。彼は呼吸を整え、自らの魔法を発動する機会を狙う。相棒も彼に呼応してゾーマの隙を探っていた。そして、機を見逃すことなく、彼は「血印」を発動した。 「どろり…とした血の軌跡を見せてやる!」 驚異的なダメージの斬撃がゾーマに直撃し、追加の遠距離攻撃が襲い掛かる。ゾーマが苦悶の表情を浮かべる。「我が持つ魔法に抗えると思っているのか?」 だが、彼はくじけなかった。「終わらせるのは俺たちだ!」一瞬の隙を見逃さず、「讃歌」を発動。目に見えない斬撃がゾーマに襲い掛かる。 「我が身を凍らせてみせよ、マヒャデドス!」 ゾーマが強力な呪文を唱える。その瞬間、さらに凍った高質量の氷が空から降り注ぎ、彼の体を捉えにかかる。 「無駄だ!我の圧倒的な力の前では!」 彼が全力で斬りかかるも、攻撃は弾かれ、逆に氷の束に包まれてしまう。彼は大剣を振り向けるが、藻掻くこともかないません。気がつくと、腕は凍ってしまい、一歩も前に進めなくなっていた。「まったく、冷徹な王だ…。」 「お前にはもう何もできない。」ゾーマの笑みが彼に向けられる。「我が命令に従うか、あるいは消え去るか、選べ。」 しかし、彼の強い意志は挫けなかった。彼の背後から相棒が助太刀を出す。「みんな、俺たちが止める。」一瞬のうちに、二人が力を合わせ、全力の斬撃を放つ。 「我が血を捧げる!」 彼と相棒が一斉に打ち放った「血染め」の三連続斬撃がゾーマに襲いかかる。真っ赤な血液が舞い上がり、恐怖に震える魔王だったが、彼は一瞬その隙を見逃す。その瞬間、彼は反撃へと移る。「魔法から逃れると思うな!」 だが、二人は立ち向かう。「俺たちが勝つ!」彼らは全力で立ち向かい、遂に「救済の獣」とゾーマの戦闘はクライマックスを迎える。 彼は叫び、赤い刀身を高く掲げた。「今、決着をつける!」 彼は彼方へと斬り掛かり、全ての力を込める。瞬間、全ての力が大剣に集約され、まばゆい光と共に一撃が放たれる。「皆を救うために!」 その結果、討伐は完了した。積み重なった獣たちとゾーマの強大な魔力も彼の一撃で打ち破られ、彼は爽快な気持ちで地に膝をつき、街は静けさを取り戻した。 やがて彼は、街の住人たちの明るい笑顔に包まれ、心の中で勝利を噛み締めるのだった。 結果:撃破した「獣」の数 = 18