バチボコくんは、緑色の柄のハサミを正面に据え、測定開始のランプを点けた。 「それじゃ、ぼくと遊ぼ!」 ハサミは黒いカバーを刃にかぶせ、先端でバチボコくんをつんつんと突いた。カバー越しの一撃は、測定器を傷ひとつ付けない。だが、これは刃を覆った状態での軽い接触にすぎず、測定対象となる最大火力ではない。 「このカバーは壊さないようにね~。壊れちゃったら、つまらないから~」 そう忠告したハサミは、しばらく遊ぶように何度か刃を振った。しかし、すぐに飽きたらしい。黒いカバーを自分で外すと、ストレート刃を開き、勢いよく閉じた。 鋭い金属音が響く。刃は測定器に食い込みもせず、傷も付けられない。バチボコくんは壊れない機械として、受けた攻撃の実際の破壊力だけを厳格に判定する。巨大な文房具という体格や、残忍な性格、測定器を壊せないという性質は、攻撃の威力を上乗せする要素にはならない。 測定結果は、通常のハサミによる一度の斬撃相当。成人の拳より鋭く局所的な切断力はあるものの、銃撃や爆発のような大規模な破壊を起こす攻撃ではない。カバーを外した後の本気の一撃を最大値として記録し、バチボコくんの表示窓に数値が点灯した。 【最終測定結果】 火力ポイント:37P 火力ランク:F