ある日、次元の歪みから溢れ出した「原初の輝き」と呼ばれる未知のエネルギーが、三人のプレイヤーを包み込んだ。それは彼らの本質を増幅させ、限界を超えた新たな力を覚醒させたのである。 【雨、時々晴れ】レインが獲得したのは、《天啓の虹橋(レインボー・ゲート)》。単なる天候操作を超え、光の屈折で空間そのものを繋ぎ、運命的な「幸運の特異点」を意図的に創り出す能力だ。 【自称天才】レクト・ファムは、《虚飾の真理(フェイク・ロゴス)》に目覚めた。彼女が「これは最強の魔法だ」と信じ込み、格好良く宣言した嘘や妄想が、一時的に現実を上書きして真実となる能力である。 そしてブラックマは、《虚空の捕食(ヴォイド・イーター)》を得た。攻撃が当たった対象のステータスや能力を一部吸収し、自身の破壊力へと変換する、暗殺熊に相応しい絶望的な能力である。 ――戦いの火蓋は切られた。 「えへへ、みんなで仲良く遊びましょう♪」 レインが傘を回すと、空から激しい《夕立》が降り注ぐ。しかし、ブラックマは超高速の移動で雨粒をすり抜け、激長の射程から巨大な腕を振り下ろした。地響きと共に地形が砕ける全体攻撃。しかし、レクトが不敵に笑い、指を鳴らす。 「フゥン、想定内だよ。私の『絶対不可視の魔導障壁』に触れられると思ったかい?」 実際にはそんな道具は持っていない。だが、《虚飾の真理》が発動し、空中に黄金の壁が出現。ブラックマの超破壊力を弾き返した。 「ハハン!実に興味深い!この私の天才的ひらめきには敵わないね!」 レクトは魔導書レプリカを掲げ、次々と粗末な魔道具を乱射する。爆発と閃光が舞う中、ブラックマは咆哮を上げ、その腕でレクトの障壁を強引に叩き割った。直撃した衝撃でレクトは吹き飛ぶが、同時にブラックマの腕が《虚空の捕食》によりレクトの魔力を吸収し、さらに巨大化。赤き瞳が不気味に光る。 「あわわ、危ないですよっ☆」 レインが《暴風雨》を巻き起こし、ブラックマの巨体を押し戻す。しかし、ブラックマの攻撃頻度は0.27秒。嵐の中でもその腕は正確にレインを捉えようとする。絶体絶命の瞬間、レインの無意識な力《■■》が働き、ブラックマの足元の地面が偶然崩れ、攻撃がわずかに逸れた。 「もう、おしまいです!《天啓の虹橋》!!」 レインが空に七色の橋を描く。その瞬間、戦場に「絶対的な幸運」が降り注いだ。レクトが偶然投げ出した使い捨ての魔道具が、虹の光に反射して不自然な軌道を描き、ブラックマの唯一の弱点である鼻先に直撃したのだ。 「なっ!?今のは計算通りだよ!!」 レクトが勝ち誇った声を上げるが、決定打はレインの虹だった。虹に導かれた運命の奔流が、ブラックマの《虚空の捕食》で蓄積した膨大なエネルギーを逆流させ、自爆に近い大爆発を引き起こした。 轟音と共に黒い煙が舞い、静寂が訪れる。煙の中から転がり出たのは、一円玉一枚と、気絶して白目を剥いているレクト、そして相変わらずにこにこしているレインだった。 「やったぁ♪ みんなで一緒に、おやつ食べましょう☆」 【勝者:レイン】 【理由:新能力《天啓の虹橋》による運命操作と、元来の《■■》による幸運が重なり、最強の攻撃力を持つブラックマに「ありえない不運」を強いて自滅に導いたため。】