【参加者初期ステータス】 ジュエルアイ:体力100/精神- /調査0 ジェフ:体力100/精神80/調査0 バッグス:体力100/精神100/調査0 ユラギ:体力100/精神90/調査0 【第1日目】 意識が戻った時、そこは色彩が不自然に濃い、どろどろとした桃色の空が広がる地獄だった。本来の楽園であるはずの「桃源郷」を歪めた場所――『悼源狂』。足元の地面は、まるで誰かの皮膚のように脈動し、不快な粘液を分泌している。ジュエルアイは静かに浮遊し、周囲をスキャンした。ここには生存に適した環境など一つもない。ジェフは不気味な笑みを浮かべたままナイフを弄び、ユラギは困惑した様子で周囲を眺めている。バッグスバニーは人参を齧りながら「どったの、センセー? 最悪のバカンスだね」と嘯いた。だが、その余裕はすぐに凍り付く。森の奥から、人の叫び声を模した鳥の鳴き声が響き渡った。それは『奇怪鳥』。死者の声を真似て獲物を誘い出す、この地の捕食者だ。不気味な静寂の中、空から降り注ぐのは、甘い香りがするが、触れた瞬間に皮膚を腐らせる毒々しい胞子だった。絶望的な違和感に満ちた世界で、彼らの生存競争が幕を開ける。 【第2日目】 一行は『毒花粉の森林』へと足を踏み入れた。視界を遮るほど巨大な花々が咲き乱れているが、その花芯には無数の人間の眼球が埋め込まれていた。ユラギが「ここ、変、匂い、痛い」と片言で呟く。空気中に舞う超寄菌類が、呼吸を通じて肺の中で増殖しようとしていた。ジュエルアイは即座に『究極天魔シールド』を展開し、有害な胞子を95%遮断する。しかし、精神的な圧迫感は防げない。ジェフは快楽を覚えているのか、自らの腕に寄生虫が食らい付くのを眺めていた。バッグスは突然、巨大な掃除機を取り出して周囲の胞子をすべて吸い込み、それを圧縮して小さなボールにして投げ飛ばした。理不尽な力で環境を書き換えるが、森の奥から聞こえる地鳴りのような咆哮が、ここが彼らの遊び場ではないことを告げていた。調査値がわずかに上昇し、この地の正体が「負の感情の集積地」であることが判明し始めた。 【第3日目】 森林を抜け、一行は『記憶の回廊』に到達した。壁面には、訪れた者が最も恐れるトラウマが鮮明な映像として投影されている。ジェフの目の前には、彼がかつて切り裂いた者たちの絶叫が。ユラギの前には、理解できない孤独という概念が。精神値が激しく削られる。ジュエルアイは感情を持たないため無傷だが、同行者の精神崩壊を防ぐため『癒』の波動を放ち、精神の均衡を保たせた。だが、回廊の闇から『苦獅肢』が現れた。それは四肢が不自然にねじ曲がった、肉の塊のような怪物だ。ジェフは【夜惟の奇襲者】で闇に溶け込み、苦獅肢の背後から鋭い一撃を叩き込む。「Go to Sleep」――その呟きと共に、怪物の肉が裂ける。しかし、倒したはずの怪物は、地面から生えた肉芽と融合し、さらに巨大な個体へと変貌した。この場所では、死すらもこの地の栄養となる。 【第4日目】 『繰返しの廻廊』に迷い込んだ。どこまで歩いても同じ風景、同じ死体が転がっている。死体はすべて、自分の顔を剥ぎ取った状態で笑っていた。ユラギは【瞬間感知】を使い、空間の歪みを探る。「出口、あそこ、揺れてる」。しかし、そこへ到達する前に『水媒蚊』の群れが襲撃した。一匹の蚊が血を吸えば、その部位が瞬時に壊死し、腐敗し始める。ジェフの腕が一部黒ずみ、腐食し始めた。精神的な不快感と肉体的な損壊。バッグスはお構いなしに特大の蚊取り線香を取り出し、回廊全体を煙で満たした。蚊たちは次々と絶命し、地面に山をなした。だが、煙の向こうから、こちらを凝視する『死淵原住民』の視線が感じられた。彼らはこの地で正気を失い、悼源狂の一部となった元人間たちだ。彼らの瞳には、絶望と、外部から来た者への激しい憎悪が宿っていた。 【第5日目】 一行は『腐炎症の谷』へと辿り着いた。足元は煮えたぎる膿のような泥が川となって流れており、立ち上るガスは強烈な腐敗臭を放っている。ここで彼らは『腐炎症』という、皮膚を強制的に炎症させ、焼き尽くす病原体に襲われた。ユラギの肌が赤く腫れ上がり、激痛に顔を歪める。ジュエルアイは『反転磁場』を起動。腐炎症による「強攻撃(激痛)」を「超弱化」させ、耐えうるレベルまで軽減した。しかし、谷の底から這い上がってきたのは、数千の寄生虫を身に纏った巨大な蛆虫のような生物だった。ジェフは【神経焼去】により痛みを無視し、正面から激突する。肉を切り裂く感触に歓喜しながらも、彼の精神は次第にこの地の狂気に侵食され始めていた。調査値が蓄積し、悼源狂の核へ向かうルートが見えてくる。しかし、それは同時に、この世界の法則に深く染まることを意味していた。 【第6日目】 『飢餓の橋』に差し掛かった。そこは底が見えない深淵に架かる一本の細い橋で、橋そのものが生物のように空腹に飢えていた。歩くたびに足裏から体力を吸収され、意識が朦朧とする。ユラギは【凝轟光】を足元に放ち、橋の「口」を焼き切りながら前進した。だが、橋の向こう側から『狂暴獣』が姿を現した。それは飢餓感そのものが具現化した獣で、見る者の精神を「飢え」で満たし、理性を失わせる。ジェフは空腹などという概念を忘れ、ただ殺戮の衝動に突き動かされる。バッグスは橋の上に豪華なディナーテーブルをセットし、獣に最高級のステーキを振る舞った。獣が食事に集中している隙に、橋の向こう側へ軽快に飛び越える。理不尽な演出に、獣は呆然とした表情を浮かべた。しかし、背後の深淵からは、絶えず誰かのすすり泣く声が聞こえていた。 【第7日目】 『狂いの泉』に到着した。澄み切った水に見えるが、その正体は精神を溶解させる強力な精神毒だった。一口飲めば、自分という個性を失い、この地の風景の一部となる。ユラギが好奇心から指先を浸した瞬間、彼女の腕が半透明に溶け始めた。「あう、消える、わたし」。ジュエルアイは即座に『癒』を使い、細胞を再構成させた。だが、泉の中から這い出たのは、かつてここを訪れ、溶け落ちた探索者たちの成れの果てだった。彼らは溶けた肉体を繋ぎ合わせ、一つの巨大な塊となって襲いかかる。ジェフは【不滅の執念】で標的をロックし、塊の中心へと切り込むが、斬った箇所からさらに多くの腕が生えてくる。バッグスは特大のストローで泉の水をすべて飲み干し、そのまま「プハーッ!」と大きなため息をついた。水が消え、泉の正体である核が露出した。 【第8日目】 再び『毒花粉の森林』を通過し、中心核への道を急ぐ。だが、ここでは『毒雲』が低く立ち込め、視界を完全に遮っていた。毒雲は肺に入れば内側から結晶化させ、呼吸を止める。ユラギは【魔力の波動】を全方位に放ち、雲を一時的に排除して道を切り拓いた。しかし、その振動が『死淵原住民』の群れを呼び寄せた。彼らは言葉を失い、ただ「助けて」という音だけを繰り返しながら、不気味な速さで迫ってくる。ジェフは迷わず彼らを斬り捨てた。返り血を浴びるたびに、彼の精神値はさらに削られ、狂気が加速していく。ジュエルアイは天魔眼で敵の弱点を分析し、効率的な排除ルートを指示する。だが、彼らが倒した原住民の死体から、黒い触手が伸び、ジュエルアイの本体に絡みついた。無機物である彼にも、この地の「拒絶」の意志が伝わってきた。 【第9日目】 一行は『死の谷』に足を踏み入れた。ここは音さえも死に絶えた場所で、一歩歩くごとに精神が磨耗していく。周囲には無数の墓標が立っているが、そこに刻まれているのは彼ら自身の名前だった。バッグスバニーは墓標の一つをひょいと持ち上げ、それをベンチにして座りながら人参を食べていた。しかし、彼ですらこの地の絶対的な「死」の気配には眉をひそめる。突然、地面が陥没し、一行は地下の空洞へ転落した。そこは『寄生虫の巣』であり、壁一面が脈動する肉壁で覆われていた。ユラギは【裂音波】を放ち、肉壁を粉砕して脱出路を確保する。だが、崩落した瓦礫の下から、正体不明の粘液がジェフの脚に絡みついた。それは単なる寄生虫ではなく、精神を汚染し、主人を操る「絶望の種」だった。 【第10日目】 地下からの脱出に成功したが、ジェフの精神状態が悪化していた。彼は時折、仲間であるはずのユラギやバッグスを標的として見ていた。ジュエルアイは【天魔眼】でジェフの内部を視認し、寄生虫が脳幹にまで達していることを突き止める。ジュエルアイは精密な操作で寄生虫を摘出したが、その過程でジェフの精神値は致命的なダメージを受けた。精神値は低下し、彼は完全に「殺戮の道具」へと成り果てつつあった。一方、ユラギは【回復の揺らぎ】を使い、自身の精神を維持しようと試みるが、この地の「負の感情」はあまりに強大だ。調査値は徐々に上昇し、彼らは悼源狂の構造を理解し始めた。ここは単なる迷宮ではなく、訪れる者の精神を餌にして成長する、巨大な精神的捕食植物のような場所なのだということに。 【第11日目】 『記憶の回廊』を再び通過することになった。今度は、彼らがここに来てから得た「恐怖」が映像として流れていた。ジェフが仲間を殺そうとした瞬間、ユラギが絶望に暮れる姿、バッグスの余裕が消えかける瞬間。それらがループして再生され、精神を激しく揺さぶる。バッグスはフィルムリールを取り出し、不快なシーンを物理的にカットして、代わりに愉快なコメディシーンを差し込んだ。これにより一時的に精神的ダメージを回避したが、回廊の主である『死淵原住民』の長が道を塞いだ。その個体は、かつての英雄のような姿をしていたが、顔だけが大きく裂けていた。ユラギの【凝轟光】が直撃するが、相手はダメージを無効化し、逆に精神的な衝撃波を返してくる。一行は、単なる物理攻撃ではこの地の理(ことわり)を突破できないことを悟った。 【第12日目】 『腐炎症の谷』を再訪した際、彼らは新たな脅威『超寄菌類』の胞子爆弾に襲われた。爆発と共に放出される菌類が、触れたものを瞬時にキノコのような肉塊へと変えていく。ジュエルアイのシールドが防ぎきれず、ユラギの肩に胞子が付着した。ユラギの肩から急速に白いキノコが生え、彼女の意識を奪おうとする。ジュエルアイは『癒』を最大出力で放ち、菌類を細胞レベルで分解・除去した。しかし、その負荷によりジュエルアイのエネルギーが一時的に低下。そこへ『狂暴獣』の群れが襲撃した。ジェフは【不滅の執念】を最大限に発揮し、獣たちの群れの中へ飛び込み、血の海を創り出した。狂気に満ちた笑い声と共に、彼は獣を切り刻む。その姿は、救いようのない地獄の光景だった。 【第13日目】 一行は『飢餓の橋』の先の、未知の領域へと進んだ。そこには「静寂の庭」と呼ばれる、一見すると美しい花々が咲き誇る場所があった。しかし、その花々の根はすべて、地底に埋まった人間の死体に絡みついており、死者の記憶を吸い上げて色付けていた。バッグスは「ここは見た目だけはいいけど、品格がないね」と鼻で笑った。だが、その余裕も束の間、地面から無数の『水媒蚊』が噴出した。蚊たちは、彼らの「精神的な隙」を狙って攻撃してくる。ユラギは【魔力の波動】で蚊の群れを攪乱したが、一匹がジェフの首筋に食らいついた。ジェフはそれを気に留める様子もなく、指で潰した。だが、その蚊が運んでいたのは、精神を強制的に「幼児化」させる毒だった。ジェフの殺意が一時的に消え、彼は呆然と空を眺め始めた。 【第14日目】 毒の影響で機能不全に陥ったジェフを、ジュエルアイが運搬する。彼らは『死の谷』の最深部へと到達した。そこには、巨大な鏡のような壁がそびえ立っていた。鏡に映っていたのは、彼らが「なりたかった姿」ではなく、「最悪の結末を迎えた姿」だった。ユラギは鏡の中に、完全に人間になり、しかし誰からも愛されず孤独に死ぬ自分の姿を見た。精神値が激しく減少する。バッグスは鏡の中の自分に「君、本当にバカの殿堂入りだね」と話しかけ、鏡ごと自分を塗り潰して消し去った。しかし、鏡の破片が飛び散り、それが鋭利な刃となって一行を襲う。ジュエルアイは『反転磁場』で破片の速度を制御し、被害を最小限に抑えた。調査値は50を超え、彼らはこの地から脱出するための唯一の手段が「中心核」の破壊にあることを突き止めた。 【第15日目】 ついに『悼源狂の中心核』への入り口が見えた。それは巨大な心臓のような形状をした肉の門だった。門は脈動するたびに、周囲の空間を飲み込み、凄まじい精神的圧迫感を放っている。ここでは、これまで遭遇したすべての怪物が、核を守る衛兵として配置されていた。奇怪鳥、苦獅肢、死淵原住民、そして狂暴獣。絶望的な数に囲まれた一行。ジェフは毒から回復し、再び殺戮の瞳を取り戻していた。「Go to Sleep」――彼は一人で数体の獣を切り裂き、道を切り拓く。ユラギは【裂音波】で敵の陣形を崩し、ジュエルアイは『究極天魔シールド』で全員を保護。バッグスはどこからか取り出した巨大なダイナマイトを敵の足元に設置し、派手な爆発と共に道を切り拓いた。だが、門を潜った瞬間、彼らはこの地の真の恐怖を目の当たりにする。 【第16日目】 中心核の内部は、白く空虚な空間だった。そこには、数え切れないほどの「魂の残滓」が、天井から糸で吊るされていた。それらはすべて、かつてこの地に迷い込み、絶望して死んだ者たちだ。中心核の意志が、彼らの精神に直接語りかける。「ここに留まれ。悲しみも苦しみも、すべて私が飲み込んでやろう」。甘い誘惑と、強烈な精神攻撃。ユラギは【回復の揺らぎ】で抵抗したが、精神値が限界まで削られていく。ジェフは逆に、この空虚さに快感を覚えた。彼は自分の魂を核に捧げれば、永遠に殺戮し続けられるのではないかという妄想に取り憑かれた。ジュエルアイは【天魔眼】で核の核心部を視認。そこにある「絶望の種」を破壊すれば脱出できると判断した。しかし、核は自らを防御するため、最凶の刺客を召喚した。 【第17日目】 召喚されたのは、彼ら自身の「影」だった。自分と同じ能力を持ち、自分以上に冷酷なコピー。ジュエルアイの影は、防御不能の衝撃波を放ち、ユラギの影は、破壊的な超音波で本物を圧倒する。ジェフの影は、本物以上の速度で彼の背後に回り込んだ。ジェフは【神経焼去】で痛みを無視したが、影の攻撃は精神を直接切り裂く。精神値が急落し、ジェフは初めて恐怖に顔を歪めた。バッグスは自分の影とジャンケンを始め、ありえない方法で勝ち続け、影を精神的に追い詰めて自滅させた。しかし、他の三人は苦戦を強いられる。ユラギは【凝轟光】を全出力で放ち、自身の影を消し飛ばしたが、その反動で体力を大幅に消耗した。戦いは泥沼化し、彼らの精神は限界まで削られていった。 【第18日目】 影との戦いが長引く中、中心核がさらに変貌した。空間そのものが、彼らのトラウマを物理的な攻撃に変換し始めた。空から降り注ぐのは、ジェフが殺害した犠牲者たちの「指」の雨だった。一つ一つが針のように鋭く、精神を突き刺す。ユラギは【瞬間感知】で攻撃を回避しようとしたが、あまりの数に追いつかず、全身に無数の小傷を負った。ジュエルアイは『穏』を起動。核が放つ最大攻撃を完全停止させ、そのエネルギーを核自身に跳ね返した。中心核が激しく悶え、空間に亀裂が入る。しかし、その亀裂から溢れ出したのは、純粋な「絶望」の液体だった。液体に触れた者は、即座に精神が崩壊し、廃人となる。彼らは必死にその液体から逃れ、核の最深部へと突き進んだ。 【第19日目】 核の最深部に到達した彼らを待っていたのは、この地の支配者とも呼べる『悼源狂の権化』だった。それは形を持たず、絶えず変化し続ける不定形の肉塊であり、数千の口が同時に叫んでいた。その叫び声は、精神を直接破壊する精神波だった。ユラギの精神値がついに0に達しようとする。彼女は発狂し、意味をなさない言葉を叫びながら、自身の腕を掻きむしり始めた。ジュエルアイは即座に『癒』を放ち、強制的に精神を安定させたが、精神的なダメージは深く、回復には時間がかかる。ジェフは狂気に染まった笑みを浮かべ、権化へと突撃した。しかし、権化はジェフの攻撃を吸収し、さらに巨大化した。バッグスは特大の消しゴムを取り出し、権化の体の一部を物理的に消し始めた。理不尽な攻撃に、権化が初めて困惑を見せた。 【第20日目】 権化の猛攻が激しさを増す。空間全体が圧縮され、彼らを押し潰そうとする。ジュエルアイは『反転磁場』を最大展開し、圧縮される力を「反発力」に変換して空間を確保した。しかし、その負荷でジュエルアイのクリスタルボディに亀裂が入る。ユラギは正気を取り戻し、【凝轟光】を権化の核へと撃ち込んだ。だが、権化はそれを嘲笑うかのように、ユラギの攻撃をそのまま彼女に跳ね返した。ユラギの体力が大幅に減少。瀕死の状態となる。ジェフは【不滅の執念】により、弱ったユラギではなく、権化を標的に固定。全速力で肉薄し、その心臓部と思われる箇所を深く切り裂いた。権化からどす黒い血が噴き出し、空間が激しく振動した。脱出への道が、わずかに開いた瞬間だった。 【第21日目】 権化を一時的に退けたが、彼らはまだ中心核の中にいた。脱出するには、核が生成する「出口の門」を安定させる必要がある。しかし、その門は絶えず位置を変え、精神的な迷路となって彼らを翻弄した。バッグスは地図を取り出し、適当な落書きを書き込むことで、迷路の構造を強制的に書き換えた。これにより、最短ルートで門に到達することが可能となった。だが、門への道中には『死淵原住民』の軍勢が待ち構えていた。もはや彼らに迷いはなかった。ジェフは血に飢えた獣となり、原住民を次々と屠る。ユラギは弱った体で【魔力の波動】を放ち、敵を混乱させた。ジュエルアイは『天魔眼』で門の安定時間を計測し、脱出のタイミングを指示する。だが、その時、最悪の事態が起きた。 【第22日目】 脱出の直前、中心核が最後の手を打った。それは、彼らの中で最も精神的に脆弱な者を「生贄」として要求することだった。生贄がいなければ、門は閉じ、彼らは永遠にこの地に囚われる。誰が身を捧げるか。静寂が流れる中、ジェフが不気味に笑った。彼は最初から、自分が人間ではないことを理解していた。あるいは、この地こそが自分の居場所だと思っていたのかもしれない。ジェフは【夜惟の奇襲者】で一瞬にして門の制御装置へ飛び込み、自らの肉体を核に融合させ始めた。「Go to Sleep」――それが彼の最後の言葉だった。ジェフの肉体は核に飲み込まれ、激痛と絶望に満ちた叫びが響き渡る。しかし、その犠牲により門が完全に固定され、脱出路が確保された。ジェフ・ザ・キラーは、悼源狂の一部となって消えた。 【第23日目】 ジェフを失った三人は、門をくぐり抜けた。しかし、そこは現世ではなく、『記憶の回廊』のさらに外側にある「忘却の辺境」だった。ここでの景色は真っ白で、何も存在しない。ただ、彼らの歩いた跡にだけ、黒い泥のような足跡が残る。精神的な疲弊は極限に達していた。ユラギはジェフを失ったことへの、理解できない喪失感に襲われていた。「あいつ、どこ、いった」。ジュエルアイは感情を持たないが、効率的な探索装置として、現世への座標を計算し続ける。バッグスは白い空間にカラフルなペンキを塗りたくり、道標を作った。だが、辺境には『毒雲』の残滓が漂っており、呼吸するたびに精神が削られていく。調査値は80を超え、彼らはもはやこの地の理を完全に理解し始めていた。 【第24日目】 辺境を彷徨う中、彼らは『死の谷』の残骸のような場所に辿り着いた。そこには、ジェフが融合した中心核の「なり損ない」が、不気味な形で転がっていた。それはジェフの顔をしていたが、口が裂け、絶えず「助けて」と呟いていた。ユラギは恐怖し、【裂音波】でそれを破壊しようとしたが、その声を聞いた瞬間、激しいフラッシュバックに襲われる。精神値が再び急落。ジュエルアイは【天魔眼】でその個体が単なる残滓であることを確認し、ユラギを安心させた。しかし、この地の正体が「負の感情の集積」である以上、彼らが抱く「悲しみ」や「後悔」こそが、新たな怪物を生み出す肥料となる。彼らは、感情を殺して歩くしかなかった。 【第25日目】 辺境の果てに、現世へと繋がる「最後の楔」が見えてきた。それは巨大なクリスタルの柱で、その頂点に触れれば元の世界に戻ることができる。しかし、その柱の周囲には、これまで遭遇したすべての危険が凝縮された『絶望の領域』が展開されていた。毒雲、寄生虫、狂暴獣、そして死淵原住民。すべてが一体となり、彼らの脱出を阻もうとする。バッグスは巨大な扇風機を取り出し、周囲の毒雲と虫たちをまとめて吹き飛ばした。しかし、物理的な攻撃が通じない精神的な障壁が彼らを拒む。ユラギは【凝轟光】を柱にぶつけ、その衝撃で障壁を無理やりこじ開けた。体力の限界が近づいていた。 【第26日目】 障壁を突破し、柱を登り始めたが、そこでは『苦獅肢』が彼らの足を引っ張り、深淵へと引きずり込もうとした。ユラギが足を掴まれ、絶叫しながら宙に浮く。ジュエルアイは『反転磁場』を使い、重力を反転させてユラギを救い出した。しかし、その衝撃でジュエルアイの本体に深い傷がつき、機能の一部が停止。精神的な圧迫感は最高潮に達し、意識が朦朧とする。バッグスは柱にエレベーターを設置し、快適なBGMと共に頂上へと上昇し始めた。だが、エレベーターの壁を突き破って、死淵原住民たちがなだれ込んでくる。彼らはもはや言葉を持たず、ただ飢えた獣のように彼らに食らいついた。 【第27日目】 頂上まであとわずか。だが、中心核の最後の一撃が彼らを襲った。それは、彼らの心の中にある「最も深い絶望」を具現化させる精神攻撃だった。ユラギは、自分を理解してくれる者が誰もいない世界を。バッグスは、物語の主導権を奪われ、ただの操り人形になる恐怖を。ジュエルアイは、永遠に孤独な観測者として彷徨い続ける虚無を。それぞれが絶望に飲み込まれそうになった瞬間、彼らは互いの存在を思い出した。共に地獄を歩いたという、奇妙な連帯感。それが、この地で唯一の「正気」の錨となった。彼らは手を取り合い、絶望の波を乗り越えた。 【第28日目】 柱の頂点に到達した。そこには、現世へと繋がる眩い光の門が開いていた。しかし、門をくぐるためには、この地で得た「調査値」をすべて放出する必要があった。調査値が100になると、彼らは悼源狂の一部となり、二度と戻れない。現在の彼らの調査値は90に達しており、一歩間違えれば即座に同化する危険な状態だった。ジュエルアイは精密な計算により、最小限の調査値を維持しつつ、門を通過するタイミングを算出した。ユラギは震える手で門に触れ、精神の崩壊を食い止める。バッグスは門の前に「出口はこちら」という看板を立て、おどけて見せた。 【第29日目】 門をくぐり抜ける瞬間、背後からジェフの、あるいは彼を飲み込んだ核の叫びが聞こえた。「行かせるか!!」。空間が激しく歪み、彼らを後方へ引き戻そうとする。ジュエルアイは最後のリソースをすべて使い、『穏』を最大出力で展開。引き戻そうとする力を完全に停止させ、その反動で一行を光の彼方へと突き飛ばした。その瞬間、ジュエルアイのクリスタルボディは限界を迎え、激しい音を立てて砕け散った。しかし、彼らの意識は確実に、この地獄のような楽園から切り離されていった。 【第30日目】 目を覚ますと、そこは懐かしい現世の風景だった。風が吹き、鳥が歌い、不快な粘液も、絶望的な叫びもどこにもない。生き残ったのは、ジュエルアイ(破片のみ)、バッグスバニー、そしてユラギの三人だった。ジェフ・ザ・キラーは、悼源狂の核となり、永遠の絶望の中に消えた。彼らは互いに言葉を交わさなかったが、その瞳には深い傷と、生き残ったことへの複雑な感情が宿っていた。ユラギは初めて、人間のような「寂しさ」という感情を理解した。バッグスは人参を一本齧り、「さて、次はどこへ行こうか」と笑った。だが、彼らの肌には、消えない腐炎症の痕が刻まれていた。 【最終ステータス】 ジュエルアイ:体力20/精神- /調査92(身体状況:本体大破。核となる破片のみ生存。機能停止状態) ジェフ・ザ・キラー:死亡(身体状況:悼源狂の中心核に融合し、世界の構造の一部となった) バッグスバニー:体力85/精神90/調査90(身体状況:概ね良好。精神的な疲労のみ) ユラギ:体力30/精神15/調査90(身体状況:全身に重度の精神的・肉体的外傷。深刻なPTSD状態)】