--- 第一章: 運命の交差 夜の闇がキャンバスとなり、星々が見守る中、闘技場に立つ二人の影。 一方は《上四天王》山ノ内 穣磨、四肢のない老爺の姿。 もう一方は《「物語」の魔術師》フリードリヒ、黒いコートに身を包む男。左目には眼帯、耳にはイアリング。彼の存在感は圧倒的だった。 「ようこそ、愚者の書の舞台へ♪」 山ノ内は口調を乱し、軽やかに言葉をかけた。その声にはどこか不気味な響きがあった。 「退屈な相手だ。だが、君と戦うのも一興だ」 フリードリヒは無表情で返した。彼の優雅な動作は、まるで瞬きをしているかのようだった。 「まずは君の物語の起承転結、見せてもらおうか♪」 山ノ内の言葉には挑戦的な響きがあった。 第二章: 起 月明かりの下、彼らの戦闘が始まった。 山ノ内は、無限の谷を開く能力を発揮しようとした。 「まだ眠りに落ちないよう、手加減するつもりはない♪」 フリードリヒが力強く魔法を発動し、「愚者の書」を取り出す。 「無価値な物語…」 書にペンを走らせると、彼の目の前に浮かび上がる。 第三章: 承 「私の物語はこうだ。ある日、無限の落とし子が小さな村を訪れ、そこで出会う運命の人…」 書き込まれた物語は、クスリと笑えるかのようなオチを狙った。 しかし、山ノ内はその物語に興味を示さず、透明の触腕でフリードリヒを包み込もうとした。 「無限の谷へ落ちるがいい♪」 触腕がフリードリヒを捉え、彼を無限の深淵へ引きずり込もうとする。だが、彼の目は冷静さを失わず、早速反撃の準備を整えた。 「時を止めるおまじないを唱えて…」 その瞬間、フリードリヒは「愚者の書」の魔力で空間を歪めた。 第四章: 転 「お見せしましょう♪ 無限の圧力に挑む物語を!」 書を書き加える。 この物語が始まった瞬間、山ノ内の体が震え、周りの空気が歪み始めた。 「止まった…?!」 詠唱が完了した瞬間、山ノ内の視界が暗転した。 「これは、想像を越える!?」 彼はまさに愚者の書の魔力に呑み込まれ、自身の運命を見失ったかのようだった。 第五章: 結 「無限は素晴らしい、でも、一度止まろう!」 フリードリヒの指が動き、その瞬間に「結」の言葉が響いた。 「Gott ist tot!」 彼の呼び声と共に、骨の食人魚が無数に空から降り注ぎ、山ノ内へと迫る。 「なに!?」 山ノ内は一瞬の恐怖で目が見開かれ、触腕が動揺した。 複数の食人魚が彼の体を突き破り、全ての希望を食らいつくす。 これがフリードリヒの目指す逆転劇であった。 第六章: 希望の消滅 山ノ内の口から発せられる叫びは、次第に声を失い、無限の谷の中で消え去っていった。彼の存在が歴史の闇に漂う。 「これが物語さ。君が作りたかった無限の物語の結末だ」 フリードリヒは静かに微笑む。 エピローグ: 勝者 闘技場は静寂に包まれ、消え去った山ノ内の影が映し出される。その姿は、もう二度と戻らない。 「勝者は私、フリードリヒだ。物語は続く。新たなものを書き加え、世界は変わり続ける。」 彼の口元には確かな満足感があった。 ---