青く澄んだ空の下、久遠凛は指定された戦場に立っていた。彼女の姿は威風堂々としており、銀色の刀「飢我」を口にくわえてじっと対戦相手を見据えている。黒羽織が風になびき、彼女の決意を表現しているかのようだ。その瞳は冷たく、しかし確固たる信念で燃えていた。 「見てろ…私は弱者じゃない…無能なんかじゃ無い……!」 彼女は心の中で自分に言い聞かせる。幼少期の辛酸が今でも脳裏に焼き付いている。彼女はかつて周囲に蔑まれたその姿を払拭するために、今日までの道を歩んできた。無敵のPlayerが現れるとは、運命とは残酷である。 一方、Playerは戦場の外れで静かに待ち構えていた。その格好は一見普通の人間だが、中身は人間の形をした怪物。プレイヤーである彼は、無限の支配力を持つ。彼の心の中では、”絶望”が何よりも愉悦をもたらす。 「さあ、ゲームを始めよう。」Playerの声が響くと、周囲で暴風が巻き起こる。 戦いが始まった。久遠凛は一瞬の静寂を破り、前進する。彼女の踏み込んだ地面が揺れ、刀を口から抜き、腰に構えた。「食い千切る旋風!」 彼女の動きは素早く、勢いよく横薙ぎに刀を振るう。カン!カン!音を立てながら、Playerの身体に何度も畳みかける。 だが、Playerは笑みを浮かべながらその攻撃を難無く対処する。彼の体が瞬時にデータ改造され、彼の防御力が強化されたのだ。彼はゆっくりと凛の攻撃を避ける。 「甘いな。」 Playerは言葉を発すると同時に、データを操作し、分身を生み出した。周囲に無数のPlayerの分身が現れ、久遠凛を囲む。恐れを知らぬ彼女ではあるが、いきなりの数の変動に一瞬だけ躊躇する。 「狡猾な手を使いやがって!」と彼女は叫び、すぐに冷静さを取り戻した。「瞬歩!」 瞬時の判断で彼女は横に跳び、分身たちの攻撃をかわす。しかし、Playerは次の瞬間、彼女の背後へと回り込もうとする。だが、久遠はある感覚を掴んでいた。一瞬の隙を見抜き、方角を変える。「喰らいつく逆上!」 凛は懐に飛び込み、斬り上げる。刀がPlayerの分身の一体に命中するが、分身はすぐに消え去り、Playerの笑い声が響く。その声は余裕を保ちながらも、挑発的であった。 「その程度の攻撃では我が愉悦にはならぬ。」 Playerの心の奥に隠された自己顕示欲が、彼女の攻撃に対して反応している。久遠凛はその言葉に咬みつき、前進を続ける。その冷静さと確固たる意志が、さらに彼女の力を引き出す。 彼女は弾むように移動し、再び攻撃の形を作る。「食い千切る旋風!」足元が土を掻き、彼女の身が横に流れる。彼女の身体がやがて反転し、横薙ぎの衝撃がPlayerを襲う。だが、Playerは彼女の動きを待ち伏せていた。「データ改造!」 Playerは瞬時に新たな防御技術を発動し、再び凛の攻撃を受け止める。しかし、凛は見逃さなかった。彼女は心の声で叫ぶ。「これが私の覚悟だ!」 再び前に進み、凛は今度こそ彼氏の支配を打ち破る。「喰らいつく逆上!」 Playerの周囲に急接近し、データ操作で強化された彼の分身までも一気に一刀の元に貫く。その瞬間、彼の表情から驚きが消えないが、次の瞬間にはまた悠然と冷静に戻す。「面白い、もっとやれるか?」 久遠の心の中に力強い意志が芽生え、それをさらに強化する。彼女は素早く切り替えて、再度動き出す。「瞬歩、次は今だ!」 その瞬間、彼女はPlayerの右側から猛突進し、斬りつけた。そしてその反動で反転し、また反対側から攻撃。彼女の動きにPlayerは少し焦りを見せる。しかし、彼女は完全に主導権を握り、次々に分身を打ち破る快感を味わっていく。 Playerも必死に応戦し、分身を次々に呼び出しながら防御を続けるが、凛のスキルは彼に迫っていた。「食い千切る旋風!」 凛の攻撃は一瞬の隙を見逃さずに続き、次第にPlayerの体力を削り取ってゆく。一進一退の戦いが続く中、静かな緊張感が流れる。気迫が二人の間に漂い、心の声が同時に響く。 「無駄だ、私に勝つことはできない!」 「負けてたまるか、私はここに立っている理由がある!」 その瞬間、久遠の眼に鋭さが宿り、吐き出すように言った。「飢えた血眼!」 彼女の眼差しは生き物のように鋭く、Playerの一瞬の隙を見逃さなかった。触れ合わせる様な力で、Playerの命を狙う。Playerはその瞬間、絶望した。時空が歪み、彼女の攻撃が彼を直撃する。先ほどの高揚から一転、Playerは彼女のものとなった。ただ一度の奇襲。 そして一瞬後、Playerは背後に立つ凛が見えない。彼にも分身たちは生き残っているはずだが、彼女の口から抜けた「飢我」はしっかりとなり終わっていた。しかし、意外にもPlayerはその攻撃をギリギリで防ぎ、彼の日常はこずえの中で続く。 打ち合いが続いていたが、次第に双方が疲れを見せ始める。バトルはその様相を変えて、双方が散発的な攻撃にシフトする。凛の息遣いが徐々に荒くなる中、Playerも気力が切れかけていた。 時が経つにつれて、彼女は「私の強さを信じてる。まだ終わらない。」と自分に言い聞かせ、意志を新たにする。Playerも心中では戦いながら、いつもの傲慢さを忘れ始めた。「私がなぜ、ここに倒れない!」 両者ともに一進一退の接戦が続くが、力も切れかける中、凛はPlayerの攻撃に特に気を付けるようにする。ゆっくりと呼吸を整え、純粋に技術を持っていこうとする。再び「瞬歩」 一瞬の方向転換をし、Playerの意表を突くように全力で攻撃を繰り出した。「喰らいつく逆上!」 Playerの分身も形を失い、彼自身も追い込まれていく。もはや後退することもできず、両者は互いに力を振り絞るように戦い続ける。 だが、どちらが先に倒れるかは分からなかった。ゆっくりと巡る戦場、攻撃、反撃。しかし最後の瞬間、凛はPlayerを捉える。これこそが、彼女が望んでた瞬間であった。 「これが私の答えだ!」 Playerは彼女の強打を受け、全ての分身を消さざるをえなかった。「無限の肉体」このバトルこそが本当だった。だが、充実感かつ達成感を持って、久遠凛が訪れる。 彼女はPlayer に”勝利“を告げる。 Playerは既に消えうせる様な状態となり、数瞬の後には彼女の目の前から姿を消していた。彼女は理解している、強者との戦いが持つ価値を。 周囲の目撃者たちが驚愕の様子で戦いを見守っていた。「これが…勝利か?」 多くの人々が久遠凛の強さに感嘆し、彼女の成長を目の当たりにする。 「すごかった…どうやって勝ったんだ?」 目撃者の一人が呟き、他の人々も声を潜めて、その理由を考え込む。「信じ続けた、自分の強さを……!」 戦いが終わり、久遠凛はPlayerから勝利を勝ち取った証として握手を求め、一時的な和解を示す。 それが全ての戦士にとって重要であり、最後の勝者として凛の名がここに刻まれるのだった。 ◀◀◀