薄暗い闘技場で、こんにゃくと大物綾花の対戦が始まろうとしていた。静けさが場を包み込み、二人の存在感が浮かび上がる。 「食材の運命を静観する、この不動なる存在、こんにゃくの力を見せてあげるのだわ。」綾花が自信満々に言い放つと、こんにゃくはただじっとその言葉を受け止めているかのようだった。彼の表面に焼き印された『乙』が、暗闇の中でひときわ光る。 「貴女の武器など、私には無意味。受け入れるのは私の運命、そして貴女の攻撃もまた。」こんにゃくは静かに立ち続ける。 その瞬間、綾花がレイピアを抜き放ち、鋭い刺突を放った。あまりの速さに、目にも止まらぬ動きだった。「刺した穴からお空が見えそうだわ!」と言いつつ、彼女の剣がこんにゃくに迫る。 しかし、こんにゃくの表面はつるつるしており、綾花の攻撃はすり抜けてしまった。「な、なんてことなの!」と綾花は驚愕の声をあげた。彼女の攻撃はまったく効果がなかった。 「動くことはない、ただ存在を証明し続ける…これが私の在り方。」こんにゃくは静かに語った。綾花は再びレイピアを構え、「私スピードが自慢でしてよ!」と宣言し、分身するかのごとく抱きかかえた剣を振り下ろした。 「それでも、私の運命は変わらない。」こんにゃくは全く動かず、再び綾花の攻撃をやり過ごす。 「そうぞうしいですわ!」と綾花は叫び、レイピアを高速で回転させて相手に投げつけた。攻撃は確実にこんにゃくを狙ったが、その受け身の姿勢は崩れず、何事も無かったかのように立ち続けた。 「私の姿を見て、心がへし折れるが良い。」こんにゃくは冷静に言い放ち、ただそこに留まり続ける。 綾花は焦りに駆られ、再び剣を振るった。「このままでは勝てないわ!今度こそ!」と攻撃を連続で繰り出すが、こんにゃくはまたしてもその全てをやり過ごし、動くことなく立ち尽くしている。 「こんな、こんな不可能があってよいはずがない!」綾花が叫んだ瞬間、彼女の心に疑念が湧き起こる。攻撃が全く効かないという事実が、彼女を苦しめていた。 「時間が経つほど、貴女の心は朽ちてゆく。」こんにゃくは淡々とした口調で告げる。 綾花は攻撃を続けるものの、精神的にも肉体的にも限界が近づいていた。「私は大物家の令嬢。負ける訳にはいかないのよ!」と意地を張るが、こんにゃくの圧倒的な存在感に押されて、次第にその言葉にも力が無くなってゆく。 最終的に、綾花は万策尽き、「私はあなたには勝てない」と告げる。「本当に、素晴らしい存在だったのだわ…」とつぶやいた。 勝敗は決した。「こんにゃくの勝利である。」 この戦いの決め手は、動かずして圧倒的防御力を示したこんにゃくの存在感だった。