ゴングが鳴り、ドッチボールの試合が始まった。2つのエリアに分かれたランドとコンパルト・コルクは、緊張した空気の中で互いを見つめ合った。 「どうだ、ランド。お前の神業を見せてみろよ。」コンパルトは傲慢な笑みを浮かべ、自信満々に挑発した。対してランドは無言でボールを手に取り、構える。彼は、周囲の視線を感じながらも、ただドッジボールに集中した。 ランドがボールを投げた瞬間、彼の腕からは180kmのスピードで飛び出したボールが、まるで弾丸のようにコンパルトに向かって突進していった。 「ふん、甘いな。」コンパルトは瞬時に空縮を使い、すっとボールを避ける。彼の反応速度は驚異的だ。次の瞬間、彼は圧縮弾を準備し、圧縮した空気を解放。強力な衝撃波がランドに向かって放たれた。 「アァッ!」ランドはその衝撃を逃れられず、壁に背中が当たる。 「まだまだ無名の陰キャだな。」コンパルトが嘲笑する。 だが、ランドには反撃のチャンスがあった。彼は「神」としてのプライドをかけて、素早く立ち上がり、そのままボールをキャッチ。景色が一瞬静止したかのように、彼の目が輝いた。 「これが、ドッジボール界の神の実力だ!」 次の瞬間、ランドは強烈な変化球を投げ込む。ボールは予測不可能な軌跡を描き、コンパルトのすぐ横を通過したかと思えば、急に方向を変えて彼の真上へ向かう。 「ちっ、読めない!」コンパルトは驚き、急いでボールをよけようとするが、間に合わなかった。ボールが彼の体に当たってしまった。「アウトだ!」 ランドは、「勝った!」と心の中で叫ぶ。しかし、彼の心には、試合が終わった後の寂しさが漂っていた。このままでは、また影が薄いままで終わってしまうと思った。 試合後、勝者のランドは少し顔を赤らめて、観客に向かって言った。「あ、あんまり暗くならないでくれ、俺はただ…」 「ドッジボール界の神として、お前を見てると心は晴れやかだ!」と、観客の声が響く。 ランドは目を輝かせ、驚愕する。「え?ほんとうに…?」 その瞬間、彼の心に温かな感情が流れ込み、今まではなかった「自分もやればできる」と思えてきた。これでいい、ドッジボールを通じて、彼は少しずつ自分を取り戻し始めることができたのだ。