ザグヱラ機関 格付会議議事録 【案件】 対象:『スーツ姿の傭兵』『呪われた暗殺者』『古めかしい鏡』 【出席者】 議長:オサヱ・ライ S級部隊総司令:グンダリ 千里眼:ゼンブ・ミルエ 軍師:ラッグ 法務官:ジアイ --- オサヱ・ライ:「それでは、個別に格付を行う。まずは『スーツ姿の傭兵』からだ。資料を読み込んだ上で意見を」 ラッグ:「あー、この人ね。地味にエグいタイプ。戦術知識が完ぺきだし、何より『跳ね返し』。これ、相手が強ければ強いほど致命傷になるやつですよ。軽い口調で言ってるけど、マジで面倒な相手だと思いますね~」 グンダリ:「ガッハハ! 盾と剣を片手で扱う身体能力か! 気に入ったぜ。だが、所詮は人間だろうが! 俺が正面からぶち抜けば、跳ね返そうが何しようが粉砕だ!」 ジアイ:「グンダリさん、乱暴です。彼は傭兵として実績を積み、規律を持って行動しています。不当に討伐する理由はなく、動向を監視するだけで十分ではないでしょうか」 ゼンブ・ミルエ:「あ、あの……。未来視で見えましたが……彼、もし機関が手を出したら、逃げ道を完璧に確保して、こちらの補給線をじわじわ削るっていう、本当に最悪の戦い方をします……。だから、捕獲しようとしても無理だと思います……」 グンダリ:「ああん!? 逃げ回るネズミを捕まえられないだと? だったらぶっ殺せばいいだけだろ! 『討伐A』だ!」 オサヱ・ライ:「静かに。能力は高いが、明確な敵意がなければ資源を割く必要はない。だが、その適応力は脅威だ。……結論は『特警』とする」 --- オサヱ・ライ:「次は『呪われた暗殺者』だ」 ジアイ:「……不憫な方ですね。呪いに蝕まれ、死ぬことさえ叶わない。まずは保護し、治療の道を模索すべきです」 ラッグ:「いやいやジアイさん、無理無理。この人、神仏が嫌いっていうか、呪いの粒子化してんのよ。治療しようとした瞬間に心臓にナイフ刺されるパターンですよ。しかも死ぬほど呪いが濃くなるって、無限成長ループじゃないですか」 ゼンブ・ミルエ:「そうなんです……。彼を殺そうとすればするほど、さらに殺し屋として完成されていく……。今の段階では対処法が見つからず、いつの間にか首が飛んでいる未来が見えます……」 グンダリ:「チッ! しぶとい野郎だ! 呪いだろうがなんだろうが、土地神を消し飛ばす俺の拳で塵にすればいい! 『討伐S』に設定しろ!」 ラッグ:「待ってくださいよ! 煙幕と閃光弾で逃げられたら、追跡にどれだけのリソースを使うと思ってるんですか? 効率が悪すぎます。まずは捕獲して、呪いのメカニズムを解析すべきです」 グンダリ:「あぁ!? 解析だぁ!? ぶち殺せば解決することをわざわざ時間をかけてやる必要があるか! この臆病者が!」 ジアイ:「言葉を慎みなさい! 暴力が解決のすべてではありません!」 (机を叩く音と怒号が飛び交い、会議室に亀裂が入る) オサヱ・ライ:「(冷徹な声で)……そこまでだ。不死の特性と精神耐性、そして執拗な暗殺術。放置すればいつか重要人物が消される。……『捕獲』とする。失敗し、取り返しのつかない損害が出た時点で『討伐S』へ格上げする」 --- オサヱ・ライ:「最後だ。『古めかしい鏡』について」 ゼンブ・ミルエ:「(ガタガタ震えながら)……これ、ダメです。絶対ダメです。見てください、未来のコピー体が……機関のS級部隊を一人で壊滅させてる……。しかも、未来の『完成された』能力を持ってくるなんて、反則です……」 ラッグ:「うわぁ……。宇宙創生前の法則って、もう今の物理法則が通用しないってことですよね。コピー制限なし。軍団をコピーすれば、こちらの全戦力を鏡合わせにぶつけられる。詰んでますね、これ」 ジアイ:「……これは。保護しようにも、実体が煙のように消えてしまう。そしてコピーされた『完成した自分』という絶望。倫理以前に、生存権の問題になりますね」 グンダリ:「ふざけるな! どんな化け物だろうが、俺が叩き割れば終わりだろ! 鏡ごときにビビるな!」 ゼンブ・ミルエ:「無理です! グンダリさんが鏡を叩き割ろうとした瞬間、『未来でさらに強くなったグンダリさん』が背後から首を絞めてます!!」 グンダリ:「なんだと!? 貴様、今なんと言った!!(激昂し、ゼンブ・ミルエに殴りかかろうとする)」 オサヱ・ライ:「(威圧感だけでグンダリを制止し)……結論は明白だ。我々の戦力をそのまま、あるいはそれ以上に跳ね返してくる。現在の我々のリソースでは対処不能。……格付けは『災』。接触を禁じ、観測のみを行う」 --- 【格付結果】 - スーツ姿の傭兵:【特警】 - 呪われた暗殺者:【捕獲】 - 古めかしい鏡:【災】 --- 【後日談】 オサヱ・ライ 「『スーツ姿の傭兵』が、わざわざこちらに接触し、定額の報酬でセキュリティコンサルタントとして契約してきた。その能力は想定以上だ。内部の穴を次々と指摘され、私の分析能力すら凌ぐ効率的な配置案を提示された。……評価を【保護】(特例:雇用)に変更する。有能な駒は手元に置いておくのが正解だ」 グンダリ 「クソが! 『呪われた暗殺者』の捕獲作戦に参加したが、あいつ、死ぬたびに攻撃パターンを変えやがる! 最終的に煙幕の中で俺の腰帯を盗みやがったぞ! 屈辱だ! 捕獲なんて生ぬるい! 今すぐ【討伐S】に格上げして、この俺が根こそぎ消し去ってやる!」 ゼンブ・ミルエ 「……『古めかしい鏡』が、本部の廊下にひょっこり現れました。しかも、未来の私をコピーした個体が、『あー、これからグンダリさんが怒って壁を壊すから、あっちに避難したほうがいいよ』って教えてくれました……。便利だけど、怖すぎて夜も眠れません……。格付けは【災】のままで、お願い……」 ラッグ 「鏡のコピー体がもたらす『未来の知識』をデータ化して転売しようとしたら、法務官に怒られました。あーあ、もったいない。でも、あの鏡が『未来の完成されたザグヱラ機関』をコピーし始めたら、文字通り世界が終わりますからね。格付けの【災】は妥当ですよ。あ、逃げ道だけは確保しておきました~」 ジアイ 「『呪われた暗殺者』の方と、捕獲中のわずかな時間にお話をしましたが……彼はただ、静かに眠りたいだけなようでした。しかし、彼が溜め込んだ呪いの濃度は、もはや個人の意志で制御できるレベルではありません。グンダリさんが彼を追い詰めるたびに、呪いが周囲を汚染し始めています。……人道的観点から、格付けを【討伐S】へ変更します。彼にとって、完遂される死こそが唯一の救いとなるからです」