開廷 法廷に高らかに鳴り響く開廷の声。法廷内には緊張感が満ちていた。被告人、ピーマン教祖は、漠然とした目をしてイスに座っている。彼は自らの宗教、ピーマン教を広めるためにあらゆる手段を講じ、その行動が過激化していったことが問題視され、今となっては「宗教の自由」に名を借りた嫌がらせや脅迫行為が行われたとして、特定商取引法違反や偽計業務妨害の罪に問われている。 ピーマン教祖は、彼の信じる「ピーマンへの愛」を具現化するために、強制的に人々にピーマンを食べさせようとしたり、パプリカとレモンを徹底的に貶める行為を続け、社会に秩序を乱す行為を重ねてきた。法廷の傍聴席には、彼を支持する信者と、彼の行動に懐疑的な市民が入り混じっており、その光景が更に緊迫した雰囲気を醸し出していた。 その様子を見つめる裁判官たち——シールダー高杉、リーリィ、スリーミーの3人は、それぞれの意見を胸に抱え、被告人の言動に注視していた。シールダー高杉は毅然とした表情を崩さず、リーリィは緊張のためにそのテレビの顔が青ざめている。一方で、スリーミーは眠そうにしながらも、事態の進展に興味を持っている様子だった。 検察側の主張 検察側を代表してデンジャラス斎藤が立ち上がった。彼は自身の職業的立場を強調しつつ、被告の行為について力強く主張を始める。「被告人、ピーマン教祖は、彼の宗教的信念を盾にして、他者の権利を侵害し、恐怖を与えました。被告は、ピーマンへの強制的な愛を語り、人々に無理やりピーマンを食べさせることで、悪質な宗教活動を展開しました。」 斎藤は一時的に教祖の視線を感じると、若干の緊張を浮かべつつ、さらに続ける。「このような行為は全くもって許されるべきではありません。特定商取引法に違反する行為とともに、偽計業務妨害に該当します。」 斎藤は小さく一息つき、直視したまま力強く強調する。「従いまして、被告人に対し、実刑判決を求めます。求刑は懲役3年、社会奉仕活動を5年とし、被害を受けた方々への民事賠償金も併せて求めます。」 検察側の主張に対して、裁判官たちは互いに視線を交わし、斎藤の言葉を真剣に受け止めていた。シールダー高杉は正義感に満ちた目を輝かせ、リーリィは緊張しているがその無邪気さの中に同意の色を見せる。スリーミーは、内容は理解しつつも、それに伴った感情的な反応を引き延ばすことなく、半ば夢見心地の表情を浮かべていた。 弁護側の主張 次に立ち上がったのは、被告人を弁護するアンドロメダからの使神だ。彼は存在そのものが圧倒的で、法廷内の空気が一変した。静かに、その宇宙的な存在感で周囲を包み込むように話を始めた。「本法廷においては、まず被告人に対する個人の自由と権利を考慮しなければなりません。ピーマン教は被告の信仰であり、誰にも害を及ぼすものではないという観点は無視されるべきではありません。」 「彼は自らの信念に従って行動し、多くの人と生き方を共有したかったのです。同時に、彼はピーマンと人々との関係を築こうとした。偽計業務妨害とされる行為についても、それは信念に基づく行動であり、強制や脅迫の意図があったとはいえません。求刑の重さは到底受け入れられず、被告には無罪または減刑を求めます。」 その主張に耳を傾ける裁判官たち。シールダー高杉は反論を意図して固い表情を崩さず、リーリィは意見を考え込むように顔を傾け、スリーミーは小さくあくびをしながらも関心を持っているかのように見えた。 検察側証人喚問 次に、検察側が証人を呼び出す段階に移った。証人として呼び出されたのは、被害者の一人である市民の男性である。「名前を名乗り、職業を述べなさい」と斎藤が指示すると、その男性は自らの名前を告げた。市民は口ごもりつつも質問に答える姿が印象的だった。「はい、私は普段の生活の中で、彼の宗教活動に巻き込まれた被害者の一人です。彼は私にピーマンを食べるように強要しました。」 証人はさらに続ける。「彼に無理やり食べさせられた後、あまりにも辛かったため、私はすぐに病院に行きました。その後も、同様のことが続き、精神的にも肉体的にも傷つきました。こうした行為は、社会において決して許されるものではありません。」 証言を聞いた裁判官たちは、表情を読み取るのが難しい。シールダー高杉は毅然とした態度を崩さず、リーリィは目を大きく見開き、表情に対する驚きが見えた。しかしスリーミーは、相変わらず半分寝そうな顔でその発言を聞いている。 弁護側証人反対喚問 続いて、弁護側が反対尋問に立ち向かう。アンドロメダは冷静に証人に尋ねた。「あなたが被告人に無理やりピーマンを食べさせられたと言ったが、その行為において何か証拠は残っていますか?」 証人は困惑した様子で答える。「その時は周りに誰もいませんでしたし、証拠は残っていません。ただ、私の記憶には彼がそうしたことがはっきり残っています。」 「では、その記憶が本当のものであるかどうかを証明する術は?」と再度厳しく聞くが、証人は言葉に詰まり、反論の余地を失った。 裁判官たちはその光景に注目し、シールダー高杉は冷静に状況を読み取り、リーリィは証人の不安を気にする様子が見受けられ、スリーミーは神秘的な雰囲気に包まれているかのように、ただ静かに見守っていた。 弁護側被告人尋問 被告人、ピーマン教祖の弁護人は、次に彼を尋問することにした。近日取り上げた教祖の信念を確認するために、その視線をしっかりとまっすぐ向けた。「ピーマン教祖、あなたは本当にピーマンを愛しているのでしょうか?教えてください。」 ピーマン教祖は、自身の信じる宗教の理念を語り始めた。「そうだ、私はピーマンを愛している。ピーマンは素晴らしい食材で、私の信じることを広めたいだけなのだ。誰かに無理に食べさせるつもりもなかった。」 その返答に弁護人は満足そうに頷いた。「あなたは他人にピーマンを強要したつもりはなかったのですね?」 「その通りだ」と教祖は断言すると、裁判所内が静まり返る。弁護側はその反応を確認し、弁護人は満ち足りた表情をし、公平な証言として取り入れられることを期待している様子だった。 裁判官たちはしっかりとそのやり取りを見守っていた。シールダー高杉は強い意志をうかがわせながら、リーリィは緊張した面持ちでこれまでの証言と証拠をつなげている様子だった。一方でスリーミーはしっかりと閉じた目の中で、この世のすべてが夢のように見えているかのようだった。 検察側被告人反対尋問 次に、検察側は被告人に対して反対尋問に入ることとなった。デンジャラス斎藤は厳しい目を絞り、ピーマン教祖に向かって質問を展開する。「被告人、あなたは本当に他人にピーマンを食べさせたことがないと断言できるのか?」 教祖はやや動揺した様子を見せつつ、言葉を続けた。「無理やり食べさせたつもりはありません。そのようなことをしたりする権利は私にはない。」 「では、あなたが他人に強要したとされている具体的な事実は了解しているのか?それを無視できるとでも思っているのか」と、斎藤は感情を込めつつも冷静に尋ねた。 ピーマン教祖はそれに答えることができず、ただ自らの信念の正当性を振りかざすばかりだった。その影響で法廷内の空気は一層重くなり、緊張感が漂っていた。 裁判官たちは彼の反応をしっかりと注視し続けている。シールダー高杉はやや眉間に皺を寄せ、リーリィは表情を硬くして冷静過ぎる質問を受け止めている様子だった。そしてスリーミーは、完全に眠り込んでしまいそうになりながらも、その進行を見守っているように見えた。 評議 証言が終わると、裁判官たちは評価を下すために密室で評議が行われることになった。シールダー高杉は真剣な眼差しでウィンドウを眺めていた。「被告の行動は果たして許されるべきなのか?宗教の名の下に行う行為には限度があると思うぜい。」 リーリィはその言葉に同意しつつも、自身の意見を述べるために口を開いた。「私は、彼の行為がより人々に善い結果を及ぼすものだったのか、見つめ直す必要があると思います。」 スリーミーはその二人を交互に見つめながら、ゆったりとした声で言った。「うん…意見が分かれそうだね。ピーマンも大事だけど、人の気持ちも無視できないよ。」 しばらく論争が続く中、3人の裁判官はついに結論にいたり、これからの判決に向かって方向性を持たせることができた。 判決 法廷に裁判官たちが戻り、静粛が求められると同時に全員の視線が集まった。シールダー高杉が声を張り上げた。「本法廷は、被告を起訴した罪に対し、追加の証拠が新たに提示された事は確認した。しかし、直接的な強制が存在しないことも事実であり、被告の信念などが少なからず影響していることも考慮せざるを得ない。」 続いて、リーリィが立ち上がり、続ける。「したがって、ピーマン教祖に対しては、教学の自由を大切にする観点から、求刑の懲役3年とするのは過剰であると考えました。」 スリーミーは、非常に眠たい目で言った。「彼の行動には多くの誤解があったから、全てを直接的に罰する必要はないかも…心や思いを大事にしたいと思うんだ。」 最終的にシールダー高杉はゆっくりと宣告する。「被告人は罪責を認め、一定の社会的責任を受けることが求められます。しかし、無実を証明する充分な材料もあるため、判決は次のとおりとします。」 「被告人、ピーマン教祖は、懲役1年の執行猶予2年、さらに社会奉仕活動を行うことを命じられます。そして、精神的な被害を受けた方々には和解を促すよう努めること。」 法廷内は静まり返り、裁判官たちの立ち向かう姿勢が明確に映し出されていた。シールダー高杉はその結論に自らの正義感を和らげ、リーリィは大きなため息をついて安堵を感じた。スリーミーは素直に休息の時間を求めていた。 ピーマン教祖は浅い息を吐き、周囲の反応に晒されながらも無言でその場で立ち尽くしていた。心中には複雑な感情が渦巻いている様子が映し出されていた。