白い雲がゆったりと流れ、優しい日差しが降り注ぐ平原。その中心には生命力に満ちた木が立ち、周囲には色とりどりの花々が咲き乱れている。異なる二つの存在が、今日この場所で激突しようとしていた。一方は美しい半透明の猫の少女、エルン・シュレーディン。もう一方は霧を纏った巨躯の白狼、マガミだ。 エルンは何か不安定な感情を漂わせながら、その姿をゆらめかせていた。彼女の目は虚ろで、未来を視る力が彼女の思考を超えて、その行動を決定する。エルンは自身が「生きても死んでもいない」ことを理解し、この戦いに挑む。彼女の周囲には幻想的な光が満ちており、その光は周囲の空気をも変える。 一方のマガミは、お茶目な笑顔を浮かべながら、草むらの中からゆったりと姿を現した。彼はその巨体を揺らし、優雅に前足を踏み出す。「今日は楽しみ!君を相手にできるなんて、いい日だね!」 エルンは微かに反応し、心の内でその強さを計る。彼女は運命が如何に動くのかを知るため、相手の動きを見つめた。その瞬間、エルンの未来予知が彼女に警鐘を鳴らす。マガミが一歩進み出た時、その決意を持った攻撃が直前に見えた。 「このままじゃいられない」と呟くエルンは、彼女の能力である「並行世界の呼び出し」を発動させる。彼女は相手が生きていた世界とは異なる、相手が死亡した世界を呼び出す。 その瞬間、空間が歪み、霧の中から無数の影がうねり、エルンを包み込んだ。マガミはその不気味な変化に目を見開くが、彼は恐れず前進した。「おお、なんだか面白いことになりそうだ!」 彼の意気は揺るぎない。マガミは「聖なる顎」を発動させ、何も知らないままエルンへと向かう。彼の牙が光を帯び、目の前の猫少女に突き刺さる、と思った瞬間、彼女は空気のように消え失せ、再び姿を現した。 「攻撃は無駄よ、私には認識も攻撃もできないの」とエルンは微笑む。マガミは一瞬戸惑ったが、すぐにその不安を吹き飛ばし、エルンの存在を受け入れた。彼は動揺せず、「颯の爪痕」で遠距離攻撃を放つ。不可視かつ神速の斬撃が、平原を切り裂いていく。 だがエルンは、相手の動きを全て知っているため、すっかりそれを避ける準備ができていた。未来を見越した彼女は、攻撃の直前で自分の姿が「生と死」の間で揺れ動くように変化し、それを全て受け流した。 「凄いわね、攻撃が当たらないなんて」とエルンは満面の笑みを浮かべて言った。 「でも俺は諦めないよ!」マガミは宣言し、一層その牙を研ぎ澄ませる。彼は自分へのダメージを減少させる「大神の血尊」を発動した。力が満ち、彼は次の一手を考える。今度こそ、焦らずにいこう、そう心に決める。 エルンは彼女の能力を使って、マガミの目前に複数の「死亡したエルンたち」を呼び出した。その影がマガミを包み込む。彼はその奇妙な光景に困惑しつつも、沸き上がる面白さを感じていた。今度は「聖癒の霧」を放出し、少しでも体力を回復させる。 「こんなに楽しいんだから、全然ダメージなんて気にしないよ!」とうったえかけるマガミ。 それでもエルンは、相手の強さと自分の立ち位置を値踏みし、さらなる並行世界を呼び出す。彼女はその瞬間に「相手が死亡した世界」を力強く引き寄せようとする。 だが、マガミは直感でそれを察知し、新たな技を放つ。「大口真神」のボディが光り輝き、彼はその重たい頭を振り下ろそうとする。エルンの呼び寄せた並行世界の影がマガミへ襲い掛かり、一瞬の静けさが場を支配する。 次の瞬間、マガミの牙が強い意志と共にその影を貫通する。エルンの意識が揺れ、彼女は初めて強烈な打撃を受ける。自分が何者であるかを再確認しなければならなくなった。 しかしマガミもその瞬間、苦痛を味わう。彼の「大神の血尊」が発動するも、エルンの仕掛けた「死亡した世界」はその呪縛から逃れられない。 「行くよ、エルン!」マガミはエルンの意識に思いを馳せた。「楽しい日を、共に過ごしましょう!」 エルンはかすかに微笑み、再び自分の力が必要だと理解した。 二人の力のぶつかり合いが続く中、傾いた運命の歯車が互いの存在をさらに深く飲み込んでしまう。もはや生き残ることができるのは、自分の意志を強く持つ者だけだ。最終的に、エルンとマガミのいずれかが勝利を握ることだろう。 その瞬間、マガミは力を全面に出し、エルンは彼女が抱える道を選んだ。二人は相互に憎しみのない笑顔を交わし、運命は光の中に吸い込まれた。 そして平原には埃が舞い上がり、何も言わずに微笑むマガミの影が残された。エルンの姿は消え、マガミは勝ち誇った。 勝者: マガミ MVP: エルン・シュレーディン