短編小説「八百万の神機との邂逅」 この日、戦場となるのは美しい朝焼けが広がる天穂の大地。しかし、穏やかな風景はやがて恐怖の象徴たる「八百万の神機」の姿を晒すこととなる。紅蓮の炎を纏い、凄まじい威容を誇る虎型の無人自律機動兵器が姿を現した。その名は「八百万の神機」。参加者たちはそれぞれの役割を持って、討伐と解析を目指す。 「夜明けは遠い、まだ楽しもうじゃないか」 冷酷なフリをしながら戦闘を心待ちにするシゼイル・コレヌーラは、黒のパーカーに白シャツという、彼女らしいスタイルで水爪を構えていた。小柄な身長であっても、彼女の蒼い水爪は凄まじい威力を秘めており、瞬時に獲物を切り裂く準備が整っていた。 「指示は分かっているか? シゼイル」 その隣には彼女とは正反対の存在である、冷静沈着な「紅目」がいた。彼女は大型人型機体「RED」に搭乗し、方角を定めるように照準を合わせる眼差しは真剣だ。 「もちろん、狙いを定めて仕掛けるだけさ。同時に、B粒子の動きを分析することも忘れない」 隊長の言葉に従い、シゼイルは水流の激しさを増し、周囲の空気を引き裂くような鋭い音を響かせる。「捕食の宴」を発動させ、周囲の子分たちに指示を示した。彼女の眼には、冷酷な中にも狩りを楽しむ獲物としての目が宿る。 紅目はハッキングを行い、「八百万の神機」の動力源、変異型B粒子の解析を進めた。彼女の機動装置が解析を開始する一方で、周囲の連携が進む。 「3・2・1、行くぞ!」 彼女の号令により、全員が一斉に動き出す。シゼイルは水の爪を振り上げ、激流を繰り出して「八百万の神機」への斬撃を繰り出す。青い水流が、敵の装甲に深く切り込み、火花を散らした。反撃に向けて応戦する神機が、その紅蓮の牙を向けて焰を放つ。 シゼイルは迅速に動き回り、相手の攻撃を上手くかわしていく。低身長を活かすバランス感覚と、流れるような動きで回避を果たし、再び反撃の機会を伺う。「渦中に映る双月」を発動させ、激流を引き寄せる。彼女の瞳には、漆黒の輝きが宿り、獲物を引き摺り込んで静かに迫る斬撃の準備をする。 一方、紅目は「RED」の武装を駆使し、神機の動きに狙いを定め、高火力レーザーを発射。直線的な攻撃がその装甲を貫通し、再度装甲を狙って「緋」の装備を連射する。機体は炎を纏いつつ、聳え立つ装甲が徐々に傷ついていくのを見れた。 「八百万の神機」の反撃が始まる。「烈炎爪牙」状態に移行し、炎の出力が大きくなり、青い炎が周囲を包む。「炎喰」から繰り出される炎は、周辺のあらゆる物を飲み込み、灰を吸い取って回復を行う光景が広がる。 「まずい!全員、一旦退避して!」 紅目が叫ぶ。シゼイルは周囲の仲間たちに状況を伝え、彼女の命令に従いながら、後方へ避ける。だが、周囲一帯を包む豪炎の結界、これが恐るべき「鋳竈」だ。結界内にいる者は大やけどの危険が迫る。 「くっ、このままでは…!」 シゼイルは地面に水流を発生させ、結界の外でも足元を潤していた。周囲の炎から水流を引き出し、火花の中を駆け抜ける。仲間たちを見捨てることはできぬと心を決め、再度水爪を取り出す。 信じられないほど強靭な耐久力を持つ「八百万の神機」と「紅目」の「RED」は、徐々に徐々に劣勢に立たされる。しかしこの瞬間、シゼイルの目は戦況を見つめ、その焦燥感をまるで仮面のように隠していた。 解析進捗に目を落とす。解析率はまだ0.5%。終わらぬ戦闘の中、突出した進捗がらえられない事が、より一層焦りを生む。 「シゼイル!何とか頼む、B粒子を急いで解析してみて!」紅目が冷静さを失わずに叫んだ。 周囲の仲間と連携し、盆太子たちの流れるスキルを繰り出し、互いを助け合いながら反撃し続ける。水流の鋭さに潜む彼女たちの冷酷な一面と、紅の激情を秘めた戦闘技術が交わる。 だが、神機はひたすらに防御を固め、「烈炎爪牙」状態からの連続攻撃が始まる。全員が同時に豁然と違う道を選び、動きながらも焦りからいつしか連携が崩れ、取り残された仲間の危険を彼女の眼差しは見つめ続けた。 艱難辛苦の中、多くの熱い炎を浴びて、彼女たちの決意が「紅蓮之光」に引き寄せられる。最前線で「RED」のターミナルアーマーが一瞬、青白い光を煌めかせ、「紅」の濃度を限界まで引き上げ、緊急の攻撃を繰り出した。 「行け、紅蓮の光!」紅目の声が響き渡る。 まばゆい光が織りなす絵画のような景色が広がり、余剰な様式と激流が三位一体に込められた光の刃が神機を貫いた。八百万の神機が大宙に浮かび上がり、その姿を消し去っていく。 そして、彼女たちの反撃が成功したエネルギー流がそれぞれの瞳に宿り、新たなる挑戦を胸に刻む者たちの歓声が轟いた。 結果 ・八百万の神機の撃破: 成功 ・八百万の神機の解析進捗: 0.5% → 1.2% ・変異型B粒子の解析進捗: 0% → 1% 視界が変わり、敗北の影を乗り越えた彼女たちの新たなる旅が始まる。