①世界を滅ぼす日 ある日、地球上に異星の脅威《ラガー星人》が現れた。ラガー星人は恐ろしいほどの身体能力を誇り、知能は著しく低いにもかかわらず、本能の赴くままに人々を襲い続けた。彼らの顎は鋭く、あらゆるものを噛み砕く力を持っていた。恐怖を感じないラガー星人は、周囲の環境に対して適応し、生存していく姿を人々はただ愕然と見守ることしかできなかった。 一方で、地球上にはもう一つの存在、ラスボス・犬がいた。彼は絶対神であり、全てのステータスが無限大であることから、人間や生物の存在を完全に無に帰す力を秘めていた。彼のくしゃみ1つで宇宙の秩序が歪む。それでも、彼は無邪気に人々のそばで遊んでいたが、次第に彼の存在が世界にどれほどの脅威をもたらすかを知らないままでいた。 ある日、ラガー星人の群れが大都市に押し寄せ、街は混乱に包まれた。人々は逃げ惑い、全ての防御が無意味であるかのように思えた。ラガー星人は切り裂く爪と強力な顎で、街を襲い、お互いをただ攻撃し続け、すぐに都市は崩壊していった。 その時、ラスボス・犬は何も知らず、ただ居眠りをしていた。ところが、恐怖の咆哮が彼を目覚めさせ、それと同時に彼の身体が周囲の空気を変化させる。宇宙波動が発生し、《ラガー星人》と人間の存在を一瞬で消し去る力が解き放たれた。その瞬間、世界は滅びの時を迎えた。 ②終焉の後 世界が終焉を迎えた後、静寂が地球を包み込んだ。無残な跡が残る中、ラガー星人は何も分からず、ただ自分の本能のままに爪を研ぎ、顎を動かしていた。彼らは滅びの意味すら理解しておらず、攻撃し続ける生物としての本能に浸っていた。 一方、ラスボス・犬はその静けさを満喫していた。彼のまわりには、何もない空間が広がるのみ。周囲には彼を除く全ての生命がいなくなり、宇宙は完全に消失していた。だが、彼は気づいていなかった。「何故、みんな居なくなったのだろう」と。ただひたすらに、自分の存在を楽しむために目を開いていた。 あるとき、無限大の力を持つ彼は小さな声が聞こえたように感じた。思わずその声の方を向くと、ラガー星人が自らの顎を動かして何かを噛み砕いている姿が見えた。「お前は何を噛んでいるんだ?」と尋ねたが、ラガー星人は無言であった。 「いいや、話す必要はない。お前はただの生物だ。」ラスボス・犬は微笑んだ。その視線の先には、宇宙の彼方に消えた世界の残響が微かに残されていた。 ラスボス・犬は心の中に生じた疑問を無視し、自分自身の存在の意味を探し始める。彼は宇宙の終焉から新たな世界を生み出すまでの時をかけて、ただ遊び続けることに決めたのだ。 “新しい冒険が待っているかもしれない。” 彼のそんな考えをよそに、ラガー星人は本能のまま、何事にも惑わされず、ただ存在し続ける存在として、終焉を迎えた世界にたたずんでいた。 果たして、どんな新しい世界が待っているのだろうか。 { --- この世界の終焉に込められた意味は、決して無視してはいけない。