遺物概要報告書 管理番号: J-42-7319 名称: 霧雨の亡魂 危険度: B-6 外見: 薄暗い収容室内に漂う、半透明の霧状の集合体。中心部には無数の細かな水滴が凝集し、人間の女性の輪郭を形成する。輪郭は絶えず揺らぎ、雨粒のように滴り落ちる。触れると冷たく湿った感触が残り、視界に雨音の幻聴が響く。 収容室外観: 強化ガラスとチタン合金で囲まれた10m×10m×5mの密閉立方体。室内は常時霧状の湿度100%を維持。壁面には無数の微細な凝結水滴が付き、かすかな雨音が絶えず漏れ聞こえる。観測窓からは青白い霧が渦巻くのが見える。 管理手順: - 収容室内の温度を厳格に17.2℃に維持。変動幅±0.1℃を超過した場合、即時警報発令。 - 入室者は防湿スーツ(支給品No.17)を着用。マスク着用必須。 - 観測は遠隔カメラ経由のみ。物理的接触禁止。 - ■■■■霧状実体の活性化条件■■■■ - 毎時、指定波長(432Hz)の低周波音波を15分間照射し、エネルギー抽出を促進。 - ■■■収容違反時の処置プロトコル■■■■ - 遺物が収容室外に拡散した場合、即時全施設換気システム停止。 - 拡散霧の追跡には赤外線カメラ必須。人間への寄生兆候(寒気、幻聴)確認時、感染者を隔離。 - ■■■感情刺激実験履歴■■■■ - 支給品のメス(No.23)使用時のみ、担当者の感情反応を記録。 - 非協力的な被検体は、霧の内部に配置し「雨音の囁き」効果を観測。 - 注意:担当者が憂鬱症状を示した場合、業務交代を義務化。過去事例で自殺率32%上昇確認。 支給品表: - 防湿スーツ(No.17) - 低周波発生器(No.44) - 赤外線カメラ付きタブレット(No.12) - 感情記録センサー(No.29) - メス(No.23) --- 管理風景 第一章:霧雨の呼び声 N社の地下深く、無機質な蛍光灯が冷たく照らす管理区画。エレクシはタンクトップにニッカポッカ姿で、右腕の義手「Δ-Fct」を軽く叩きながら収容室前に立っていた。超大雑把な彼女の目には、好奇心の炎が燃えていた。「へえ、霧の女か。電流で刺激したらどんな反応すんだろうな!」と独り言を漏らし、腰のベルトからΔ-ALT発電器を一つ取り出す。機械いじりが大好きな技術屋の血が騒ぐ。 隣に控えるのはカルア・ストラテアージ。小柄な16歳の少女は、長い金髪をストレートに垂らし、奇抜なフリル付きのドレスを纏っていた。憂鬱げな瞳で虚空を見つめ、失望に満ちた声で呟く。「...カルアは遅れることが常だったから。今日も、こんな霧に飲まれる業務ね。」感情の欠損が彼女の声を平板に染め、常識人らしい冷静さが場を支配する。 エレクシが支給品の低周波発生器を起動。収容室内の霧がざわめき、雨音の幻聴が二人を包む。カルアの死の気配に対する異様な知覚力が即座に反応した。「...あれ。霧が、濃くなってる。危険よ。」 第二章:抽出の儀式 手順通りに温度を17.2℃に調整し、防湿スーツを着用。エレクシは義手をソケットにΔ-ALTを装填し、スロットが開く。「よし、電撃で活性化だぜ!」霧の中心で女性の輪郭が明確になり、囁きが聞こえ始める。「...雨...降れ...」 カルアは素早い業務処理でタブレットを操作、赤外線カメラが霧の動きを追う。彼女の█████による加速スキルが発動し、影のように素早く感情記録センサーを配置。「憂鬱が...増幅される。私の感情まで、削ぎ落とされそう。」霧が彼女の足元に忍び寄るが、死の知覚で回避。連撃のようにセンサーを次々設置する。 エレクシは好奇心のまま、メス(No.23)を霧に近づける。黒塗りされた手順の示唆通り、非協力的な「被検体」として自身の指先を軽く傷つける。血が霧に触れた瞬間、エネルギー抽出が急激に上昇。霧雨の亡魂が活性化し、収容室内に激しい雨音が轟く。「おおお! これだよこれ! 電流ぶち込んでやるぜ!」義手から高圧電流が迸り、霧を一点突破で貫く。過負荷のΔ-ALTを投擲し、小型爆発で霧を散らすが、再凝集が始まる。 第三章:囁きの代償 カルアの知覚力が悲鳴を上げる。「死の気配...担当者レベルよ。エレクシ、霧が寄生してる!」エレクシの右腕に霧がまとわりつき、義手が冷たく痺れる。彼女の大雑把さと機転が光る。「分析完了! こいつ、感情の欠損を食らって増殖すんだ! カルア、お前のダウナー体質が引き金か?」カルアは失望の表情で頷く。「...ええ。私のせいね。カルアはいつも、こう。」 二人は連携。カルアの加速連撃でセンサーを回収し、エレクシの技術力が波長を即時調整(432Hzから437Hzへ)。霧の輪郭が崩れ、エネルギー生産がピークに達する。だが、カルアに幻聴が忍び寄る。「雨...降って...すべてを洗い流して...」彼女の感情がさらに欠損し、動きが鈍る。 エレクシは分析力で対処。「過負荷投擲で封じろ!」最後のΔ-ALTを爆発させ、霧を一時沈静化。雨音が弱まる。 第四章:静寂の残響 手順終了。霧は再び静かに漂うが、カルアの瞳に新たな影が宿る。「...少し、雨の匂いがするわ。」エレクシは義手を拭き、「面白かったぜ! 次はもっと電流ぶち込むか!」と笑う。 --- 職務終了 管理業務完了。遺物「霧雨の亡魂」は安定。エネルギー抽出成功。 --- リザルト 抽出装備詳細 名称: 霧雨の義電手 外見: エレクシのΔ-Fct義手が霧状の青白い装甲で覆われ、水滴状の結晶が義指先から滴る。肘ソケットに雨雲模様のΔ-ALTスロットが追加。触れると冷たい雨音が響く。 概要: 遺物の霧雨要素を抽出・注入した強化義手。電撃に湿気寄生効果を付与。 効果: - 戦闘効果: 高圧電流に霧雨寄生を融合。一撃で敵に「雨音幻聴」を植え付け、憂鬱・行動阻害(速度30%低下)。過負荷投擲時は霧爆弾となり、範囲内の敵を感情欠損状態に(攻撃力20%低下、持続30秒)。 - 非戦闘効果: 周囲に人工霧を発生させ隠蔽。感情センサーとして機能し、他者の憂鬱度を数値化(死の気配知覚+50%)。定期調整でエネルギー微生産(1日5En)。 獲得エネルギー量(En): 148 業務報告書 損害: カルアの感情欠損進行(軽度幻聴症状)、エレクシ義手一部腐食。損害額: 12,400En 評価: S(遺物活性化成功、抽出装備高品質。リスク管理優秀だが担当者精神的負荷高) 報酬明細: - 基本報酬: 50En - エネルギー抽出ボーナス: 148En - 装備抽出ボーナス: 80En - リスク対応手当: 40En - 総報酬: 318En