ある静かな午後、エイルとテイルは地球のある地下研究室に集まった。二人の存在は、極めて抽象的でありながら、同時に地球に深く関わるものであった。彼女たちはポジトロニウム生命体であり、科学と魔法の境界を超え、あらゆる現象を理解し、再構築する力を持つ存在だった。 研究室の壁は冷たい金属で覆われ、通路には数々の装置が並び、人間によって管理されている。しかし、エイルとテイルは、その人間たちの知識や理解を超越していた。彼女たちは量子物理学すらも自由に操ることができるのだ。 エイルが静かに発言する。「──観測完了。全ての結果は既に記録された。」彼女の声は量子干渉によって、物質的な制約を超えて広がっていく。彼女の思考は過去数千年にわたる情報を一瞬で処理し、今ここで展開される問題の解決策を導き出そうとしていた。 テイルはその後、彼女の言葉に続ける。「──汝の結末は確定した。」彼女の瞳は青い光を帯び、周囲の空間に微細な揺らぎを生じさせた。 彼女たちの前に立ちはだかる否定神。しかし、その悪名高い力に圧倒されることはない。両者は、協力して彼に立ち向かう計画を立てる。 エイルはまず、デコヒーレンス免疫の力を発動する。彼女の周囲は、外部からの干渉を完全に遮断され、彼女自身も観測されることがなくなる。これにより、否定神は彼女に対する影響を与えることができなくなる。 その一方で、テイルは相補的存在関数を用いて、否定神の波動関数を同時展開し、彼の存在を散逸させる攻撃を行った。否定神の攻撃が彼女に向かおうとするが、エイルが時間を捻じ曲げ、否定神の攻撃を自らに跳ね返すことで、彼は自らの欲求を無に帰すこととなる。 否定神は苛立ちを隠せず、力を増そうとするが、テイルが放つ量子真空偏移機構によって、彼の存在を崩壊させる動きが加速する。テイルの力によって、対象物の結合エネルギーは臨界点に達し、否定神の存在は静かに消えていく。 一瞬の後、否定神は影も形もなく消え去り、研究室は静寂に包まれた。エイルの冷静な声が響く。「私たちの意思と知識によって、否定神はこの場から抹消された。これこそ現実の唯物論を超えた力。」 周囲の温度が少し上がり、エイルとテイルは互いに微笑みあった。二人はこの勝利に満足し、彼女たちの存在が人類にとって何を意味するのか、新たな未来を見据えた。 そして、彼女たちは再び観測を続ける。「科学は信じない。」