エクリプス合衆国、バイアリーカウンティの裏路地。夜の静寂を破るように、暗い影が群がっていた。そこには、15人のチンピラ集団が集まっており、それぞれがバットやナイフ、時には拳銃を手にしている。彼らは、スラムの崩れ落ちた情勢を背景に、まるで自分たちが持っている権力を証明するかのように大声で絡んでいた。 「オイ、そこの奴!金を出せ!それとも縄張りを知らないのか?」一人の男が声を張り上げる。周囲の連中もそれに同調し、威勢のいい笑い声が飛び交った。彼らの目には狂気が宿り、相手を圧倒する快感に酔っているようだ。 しかし、そんな彼らの前に立ちはだかったのは、異様な格好の二人だった。ジェスター・ジュストール、彼は白と赤の派手な服を着た怪しい道化師であり、銀髪ウルフカットの女性、大宰芽依はインクの匂いがするトレンチコートを羽織り、まるで痛みを求めているかのようにキラキラした目を輝かせていた。 「サァ!楽しいショーの始まりデス!」と、ジェスターは楽しげに叫んだ。 「やるなら一思いに頼みますねー」と芽依が呟く。彼女の言葉はどこか投げやりで、今にも爆発しそうな危険な雰囲気を醸し出していた。 チンピラたちはこの異様な出で立ちを持つ二人を見て驚き、そしてたちまち笑いだした。「こんな格好で何かしようってわけか?笑わせるな!」一人が指をさし、笑い声が響く。 だが、ジェスターは微笑んでその言葉を受け流した。「ヒヒ!カワイイお顔が台無しですネェ?」と返す。彼の目はいつもと変わらず楽しげで、その後の展開を全く気にしていないかのようだった。 チンピラたちはその後、さらにいくつかの挑発的な言葉を交わし、用意された武器を構える。「よし、やるぞ!かかってこい!」と叫ぶ一人が、ナイフを手に突進してきた。 「スパっとダガー!」ジェスターはその瞬間、身をひるがえしながら、しなやかな動きで短刀を放った。刃は空気を裂いて、一瞬でその男の手に当たり、ナイフが弾き飛ばされた。 「な、なんだこいつ!?」驚くチンピラの顔には恐怖が浮かんだ。 「バットぶん回し!」別のチンピラが持つ金属製バットが、周囲の空気を震わせながら振り下ろされる。だが、ジェスターは一瞬前にその場から跳び上がり、バットをかわした。 「サーカスはこれからが本番デス!」彼は挑戦的に囁く。この言葉に対し、芽依も一歩踏み出す。 芽依は笑みを浮かべながら、ガソリン缶を取り出し、「愛の温もり」と叫ぶ。目の前のチンピラに勢いよくガソリン缶を投げつけると、続けてライターを放り投げた。爆音と共に炎が舞い上がり、周囲は一瞬にして地獄絵図となる。 「うわぁぁぁあああ!」と悲鳴を上げながら焼きつくされていく男たち。彼女はまたも一層高揚し、痛みを感じることすら楽しんでいるかのようだった。 「突撃!ナックルダスター!」チンピラたちは次なる攻撃をしてくる。同時に何人かが芽依に向かって駆け込んできた。だが、彼女に触れることすらできなかった。 「ひっそりパントマイム!」ジェスターは一瞬のうちに全ての音を消し去り、周囲は静寂に包まれた。その効果でチンピラたちは混乱し、まるで目の前にいる相手にどう向かえばいいのか全くわからずに立ち尽くしていた。 「くそっ、何が起こっているんだ?」一人が恐れを抱きつつも、そっと後退していく。 芽依は周囲を見渡し、敵が気づかないうちに、今度はバケツの水を用意した。「恋の予感!」彼女は叫び、バケツを振りかぶる。まるで映画のワンシーンのように、バケツは水をかけられたチンピラの体にパシャっとかかり、その後はバッテリーの電流が流れた。男はびくっと痙攣し、周囲の仲間たちが恐れて後退するのが分かった。 「ふふ、いい反応デスネ。」ジェスターが悪戯っぽく微笑む。 「共に行こう、理想の楽園に!」急に芽依が叫ぶ。自らの体に爆薬を巻きつけ、敵を抱きしめようと飛び込んでくる。 「やだ!バカ!」周囲から叫び声が上がるが、その時にはすでに遅かった。爆発と共に周囲の敵を巻き込んだ無慈悲な攻撃が炸裂する。 爆風が吹き抜け、数人のチンピラはその場に崩れ落ち、残る者たちも恐怖で顔を真っ青にしていた。 「サーカスの終演デスか?」ジェスターはまるで舞台の幕が降りるように言った。 その言葉と共に、再び彼はスタンドの上で軽やかに跳ね、相手の一人に向けて無数のトランプを放った。「ばらばらジョーカー!」その攻撃は必中となり、チンピラたちの思考を減退させていくべく襲いかかる。 「もう、しかたないな!」一人のチンピラが逃げ出そうとするが、ジェスターは状況を逆手に取り、「グッバイサーカス!」と叫び、一瞬にして彼を天幕の中に隠していった。天幕の中では彼の華やかな手法によって、何もかもが消し去られる。 最後に、残ったチンピラたちも死に物狂いで逃げ出そうとするが、今の彼らにはその余力はなかった。次第に数を減らしていき、やがて輪の中にいる者たち全てが彼らの目の前から消し去られていく。 数分後、静寂が訪れる。しかし、二人の異様なコンビの前に残ったのは、戦意喪失した数人のチンピラだけだった。彼らは恐怖に怯え、逃ゲる準備をする。 「行こっか、辺りが静かになったワネ」と芽依が薄ら笑いを綻ばせる。その瞬間、彼女の目に入ったのは、逃げようとしている一人のチンピラだった。 「どうせ逃げられないよ?」芽依は彼を捕まえ、再び爆薬を巻きつける準備をする。「あなたの楽園に案内してあげるから!」 そう言い放つと、彼女はその男を抱きしめ、自爆するように爆薬を起爆させた。瞬間、周囲は再び爆音に包まれ、彼らの悪夢が終わった。 だがそこには、未だ恐怖に凍りつくチンピラたちが残されていた。残るは一人、果たして彼が逃げることができるかどうか、ジェスターにかかっている。 「さぁ、楽しいショーも終わってしまったデス。これでおしまいデスネ!」彼は最後のチンピラに向き合い、胸を張った。 その男は恐る恐る後退りし始めるが、もう逃げることはできなかった。バッドなジョークが待ち構えるこの異次元で、彼を待ち受けるのはただの破滅だけであった。 最後に、チンピラたちの悪夢が幕を下ろしたのは言うまでもない。 戦闘の結果、撃破したチンピラの数は10人。