【参加者ステータス】 星くん:体力100 / 精神100 / 調査0 うごくちゃん:体力60 / 精神70 / 調査0 ラブカ:体力80 / 精神80 / 調査0 Soul:体力70 / 精神90 / 調査0 【第1日目】 意識が戻ると、そこは空がどす黒い桃色に染まった異様な空間だった。美しく咲き乱れる花々は、よく見ると人間の指や耳のような形をしており、甘ったるい腐敗臭が鼻をつく。ここは「悼源狂」。人々のトラウマが具現化した狂気の楽園である。星くんは滑舌悪く「ここは……どこだ……」と呟き、うごくちゃんは不安げにジャージの裾を握りしめていた。ラブカは虚ろな瞳で周囲を見渡し、Soulは刀の柄に手をかける。彼らは自分がなぜここにいるのかさえ思い出せない。ただ、本能が告げていた。ここに留まれば、精神ごと食い尽くされる。脱出路を探すため、一行は不気味にうねる「記憶の回廊」へと足を踏み入れた。壁には過去の犠牲者たちの絶望した顔が彫り込まれており、彼らのすすり泣く声が風に乗って聞こえてくる。調査を開始した彼らは、この世界が負の感情で構成されていることを知る。最初の夜、彼らは互いの体温を頼りに、震えながら夜を明かした。 【第2日目】 回廊を進む一行の前に、「水媒蚊」の群れが襲いかかった。それは通常の蚊よりも遥かに大きく、針のような口吻からは精神を汚染する毒が分泌されている。うごくちゃんがパニックになりながらも愛銃を連射し、正確なヘッドショットで数匹を撃ち落とすが、数に押される。星くんが「エ゛エーイ!」という奇声と共に、驚異的な脚力で蚊の群れを蹴散らした。しかし、一匹の蚊がうごくちゃんの首筋を掠めた。毒が回り、彼女は一時的に強い幻覚に襲われ、自分が大好きなゲームのキャラクターに食われている錯覚に陥る。精神値が削られる音が聞こえるようだった。ラブカは冷徹にレイピアを振るい、残りの蚊を切り裂いた。彼女の瞳には何の感情もなかったが、その指先はわずかに震えている。Soulは「共鳴集約」を使い、うごくちゃんの精神的苦痛を肩代わりしようとしたが、この世界の毒は魂さえも侵食し始めていた。彼らはこの地の不気味さに、じわじわと精神を削られていく。 【第3日目】 一行は「記憶の回廊」を抜け、さらに深い場所へと進んだ。そこは「繰返しの廻廊」と呼ばれる場所だった。どこまで歩いても同じ風景、同じ死体が転がっている。絶望的なループに、うごくちゃんは「もうやだう……」と泣き出した。精神的な疲労が蓄積し、彼らの足取りは重くなる。ふと、足元から「寄生虫」が飛び出し、ラブカの脚に食らいついた。その虫は肉を喰らうのではなく、記憶を喰らう。ラブカは一瞬、自分が誰であったか、何を求めて犯罪を繰り返したかを忘れ、空白に襲われる。彼女は激しい拒絶反応と共に、自分の脚をレイピアで浅く切り裂いて虫を追い出した。血の香りに誘われ、遠くから「狂暴獣」の咆哮が聞こえてくる。それは飢えた獣の姿をしていたが、顔だけはかつて愛した人の面影を持っていた。見るだけで精神が崩壊するほどのグロテスクな光景に、一行は急いで走り出した。 【第4日目】 逃げ込んだ先は「毒花粉の森林」だった。視界を遮るほどに舞う黄金の花粉は、吸い込むだけで思考を混濁させ、幸福な幻想を見せる。うごくちゃんは「あはは、ここ天国だう!」と笑いながら、崖の方へと歩き出した。正気に戻ったSoulが超高速の移動で彼女を抱き留め、鋭い叱咤を飛ばす。しかし、花粉は肺の奥まで入り込み、体力をじわじわと奪っていく。星くんはジュラルの強靭な肉体で耐えていたが、滑舌悪く「……危な……い……」と警告を発する。その時、木々の隙間から「奇怪鳥」が急降下してきた。鋭い嘴でSoulの肩を深く貫く。Soulは「魂・一閃」で鳥を両断したが、傷口からどす黒い液体が流れ出す。この世界の生物は、ただ殺すだけでなく、相手の精神的な弱さを突いてくる。調査値が上がり、彼らはこの世界が「絶望」を餌にしていることに気づき始めた。 【第5日目】 森林を抜けた一行が辿り着いたのは、「飢餓の橋」だった。深く暗い谷に架かる一本の細い橋。橋の下からは、かつて飢えで死んだ者たちの呻き声が絶えず聞こえてくる。橋を渡る途中で、彼らは「死淵原住民」に遭遇した。皮膚が剥がれ落ち、内臓を晒したまま歩く異形たちだ。彼らは執拗に「一緒に食べよう」と誘いかけてくる。うごくちゃんは恐怖のあまり、精神が限界に達し、一時的に「狂気的なメンヘラ化」を発動させた。瞳から光が消え、狂ったように銃を乱射し、原住民たちを肉片に変えていく。その攻撃力は凄まじかったが、同時に彼女自身の精神も激しく摩耗した。ラブカはそんな彼女を冷ややかな目で見ながらも、SMGで後方から援護する。ようやく橋を渡りきったとき、彼らは自分たちが取り返しのつかない場所へ足を踏み入れたことを悟った。空からは、精神を腐らせる「毒雲」が降り始めていた。 【第6日目】 毒雲に包まれた一行は、呼吸をするたびに肺が焼けるような痛みを感じた。体力値が減少していく。彼らは避難場所を探し、「狂いの泉」へと辿り着いた。泉の水は美しく澄んでいたが、そこに映る自分の姿は、自分が最も恐れている最悪の姿に変わっていた。星くんは自分の姿が醜い塊に変わっているのを見て、激しい嫌悪感に襲われる。うごくちゃんは自分が消えてなくなる幻影を見てパニックに陥った。Soulは精神を集中させ、仲間たちの心を繋ぎ止めようとするが、泉の魔力は強大だった。水面から「苦獅肢」と呼ばれる、巨大な人間の腕のような触手が無数に伸び、彼らを水中へ引きずり込もうとする。ラブカは「よく考えるのよ」と血のようなガスを放出し、触手たちの感覚を狂わせた。間一髪で脱出したものの、精神的なダメージは深刻だった。調査が進むにつれ、彼らはこの世界の中心に「核」があることを突き止める。 【第7日目】 一行は「腐炎症の谷」へと足を踏み入れた。そこは地面から絶えず膿のような液体が噴き出し、空気が腐敗した炎症のような熱を帯びていた。歩くだけで皮膚がただれ、激痛が走る。ここで彼らは、最も恐ろしい病「腐炎症」の恐怖を味わう。うごくちゃんのジャージが汚れ、皮膚に小さな赤い斑点が出始めた。それは急速に広がり、肉を腐らせていく。彼女は激痛に耐えながらも、FPSの集中力で前方の敵を撃ち抜くが、体力値が著しく低下していく。星くんはジュラルの肉体で彼女を抱え上げ、強行突破を試みる。しかし、谷の底から現れた巨大な「狂暴獣」が、その巨体で地面を叩きつけ、衝撃波で一行を吹き飛ばした。Soulは「ロストブレイズ」を使い、炎の斬撃で獣を追い払ったが、身体への負担は限界に近かった。絶望が、彼らの精神をじわじわと塗りつぶしていく。 【第8日目】 腐炎症の谷を抜けた一行だが、うごくちゃんの容態が悪化した。腐炎症は肉体だけでなく、精神をも腐らせる。彼女は時折、仲間を敵だと思い込み、銃口を向けるようになった。ラブカは冷静に彼女を制止したが、その瞳にはかすかな同情の色があった。彼らは休息のため、岩陰に身を潜めたが、そこには「超寄菌類」が潜んでいた。意識を失っている間に、微細な菌糸が皮膚から侵入し、脳に根を張ろうとする。星くんは異変に気づき、「エ゛エーイ!」と叫んで地面を激しく殴打し、衝撃で菌類を振り払った。しかし、Soulは菌糸に絡め取られ、一時的に意識を失う。彼女の精神の中で、過去の悲しい記憶がリピート再生され、精神値が大幅に減少した。Soulは必死に抗い、自らの魂を燃やして菌を焼き切ったが、体力は底を突きかけていた。逃げ場のない地獄に、彼らは絶望し始める。 【第9日目】 一行は再び「記憶の回廊」の深層へと迷い込んだ。そこには、かつてこの地に囚われた探索者たちの成れの果てが、壁の一部となって同化していた。彼らは涙を流しながら、新しく来た者たちに「ここから出る方法はない」と囁き続ける。精神的な攻撃に、うごくちゃんは再び崩壊し、狂気的な笑い声を上げて壁を撃ち抜いた。弾丸が壁に当たった瞬間、同化した人間たちの断末魔の叫びが響き渡り、その音波だけで精神値が激減する。ラブカは耳を塞ぎながら、トランプを投げつけ、空間の歪みを一時的に固定した。しかし、彼らの調査値は着実に上昇していた。この世界の仕組みを知れば知るほど、彼らの精神は「悼源狂」に馴染んでしまい、人間としての意識が薄れていく。星くんは自分の手が少しずつ、この世界の風景と同じ色に変わり始めていることに気づき、戦慄した。 【第10日目】 ついに、一行は「死の谷」へと到達した。そこは文字通り、死体が山のように積み重なった場所だった。死体は腐らず、永遠に苦痛に顔を歪めたまま静止している。その山から、不意に「死淵原住民」の軍勢が湧き出した。数千、数万という異形たちが、波のように押し寄せる。Soulは「魂・一掃」を使い、広範囲を斬り裂いたが、敵の数が多すぎる。うごくちゃんは弾薬が尽きかけ、精神的な限界から再びメンヘラ化し、自らの腕をナイフで切りつけながら敵に突撃した。血を流しながら笑う彼女の姿は、この地獄に最も相応しい狂気に満ちていた。星くんはジュラル変身を行い、本来の姿を現した。圧倒的な身体能力で敵を粉砕し、アルファ光線で道を切り拓く。しかし、その破壊衝動さえも、悼源狂に吸収され、快楽へと変換されていく。彼らは、自分たちがゆっくりと「怪物」に変わっていることに気づく。 【第11日目】 死の谷を突破した一行を待っていたのは、さらなる精神的な試練だった。彼らは「繰返しの廻廊」に再び戻ってきたかのような錯覚に陥る。しかし、そこは巧妙に作られた罠だった。目の前に、それぞれが最も会いたいと思っていた故郷の家族や友人が現れる。うごくちゃんは、自分を肯定してくれる誰かの幻影に抱きつき、涙を流した。星くんもまた、ジュラル星の同胞たちの幻を視る。ラブカは空虚な心に、かつて愛した記憶の断片が流れ込む。しかし、それらはすべて「悼源狂」が精神を弛緩させ、捕食しやすくするための擬態だった。Soulだけは、魂眼によってそれが偽物であることを見抜いた。彼女は悲痛な叫びと共に、仲間たちの幻影を斬り裂いた。幻影が消え、そこにあったのは、彼らの精神を啜っていた醜い寄生虫の群れだった。救いなどどこにもない。ただ残酷な真実だけがそこにあった。 【第12日目】 体力が限界に近いうごくちゃんを、Soulが「共鳴集約」で支え続けていた。しかし、Soul自身の身体も限界だった。彼女の緋色の和服は血と泥に汚れ、刀を握る手も震えている。一行は「毒花粉の森林」を再度通過することになったが、今度の花粉は精神を破壊し、強迫観念を植え付ける。星くんは「逃げなければならない」という強迫観念に駆られ、周囲が見えなくなり、猛スピードで走り出した。その結果、隠れていた「苦獅肢」の罠に嵌まり、全身を拘束される。奇怪な叫びを上げながらも、星くんは超人的な力で触手を引きちぎったが、その衝撃で精神的に大きなダメージを負った。ラブカは彼を助けながら、この世界の中心核へ向かうルートを計算する。しかし、計算結果は絶望的だった。脱出できる確率は限りなくゼロに近い。それでも彼らは、死ぬまで歩き続けるしかなかった。 【第13日目】 一行は「狂いの泉」のさらに深部、水底へと潜ることを余儀なくされた。そこには水圧に耐えうる特殊な空間が広がっていたが、同時に「水媒蚊」の幼虫たちが無数に漂っていた。幼虫たちは皮膚を透過して体内に入り込み、内側から精神を食い荒らす。うごくちゃんは、体内で虫が蠢く感覚に耐えきれず、激しい嘔吐と精神的な錯乱を起こした。彼女はもはや、自分が人間であるのか、それともこの地の一部であるのか判別がつかなくなっていた。ラブカは自らの血のようなガスを水中に放出し、幼虫たちを一時的に麻痺させた。しかし、そのガスさえも、水に溶けて「悼源狂」の栄養となり、周囲の景色をより鮮やかに、より狂った色に変えていく。彼らが進めば進むほど、この世界は彼らを受け入れ、同化させようと誘っていた。 【第14日目】 絶望的な行軍の中、ついに悲劇が訪れた。「腐炎症の谷」の再訪時、激しい毒雲と原住民の奇襲に遭った際、うごくちゃんが完全に孤立した。彼女は弾薬を使い果たし、精神も完全に崩壊していた。目の前に現れたのは、彼女が最も恐れる「孤独」という名の怪物だった。怪物に抱きしめられた瞬間、彼女の精神値は0に達した。彼女は絶叫し、自身の身体を爪で引き裂き、狂ったように笑いながら、そのまま腐炎症の泥の中へと沈んでいった。Soulが必死に手を伸ばしたが、届かなかった。うごくちゃんの最期の言葉は、聞き取りにくい小さな声で「……ぼく、もう、眠るね……」だった。仲間を失った衝撃で、残された3人の精神値は激しく減少した。彼女は悼源狂の一部となり、永遠に孤独な夢を見続けることになった。 【第15日目】 うごくちゃんの死後、一行は深い喪失感に包まれた。しかし、悼源狂はこの悲しみを逃さない。彼らの心に芽生えた「喪失感」という最高の栄養を求めて、周囲の怪物がさらに凶暴化した。星くんは怒りに任せ、ジュラルの円盤を召喚した。上空から強力なアルファ光線を連射し、周囲の森と怪物を一掃する。しかし、破壊すればするほど、そのエネルギーは大地に吸収され、さらに巨大な「狂暴獣」を誕生させた。ラブカは絶望的な状況に、皮肉な笑みを浮かべる。「私たちは、ここにいるだけでこの世界を太らせているのね」。Soulは涙を拭い、刀を握り直した。一人でも多く、現世に帰らなければならない。彼女は「LOSTオーバーフロー」を部分的に発動させ、精神を研ぎ澄ませた。もはや彼らに残された道は、中心核へ突き進むことだけだった。 【第16日目】 一行は「飢餓の橋」を再び渡ることになった。しかし、橋は崩落しており、死の谷へ直接降りなければならなかった。谷底には、うごくちゃんが消えた時と同じ、ドロドロとした腐敗した泥が広がっている。そこから、うごくちゃんの声を真似た「奇怪鳥」たちが、彼らを誘い出す。星くんは耳を塞ぎ、滑舌悪く「騙さ……ない……で……」と呟いた。しかし、その精神的な動揺を突き、死淵原住民たちが彼らの足首を掴む。ラブカは反重力手榴弾を使い、周囲の重力を操作して敵を弾き飛ばした。しかし、重力操作の反動で彼女自身の体力も激しく消耗し、呼吸が荒くなる。彼らは、肉体的な疲労よりも、精神的に削り取られる感覚に絶望していた。調査値は80を超え、彼らの思考は次第に人間離れしたものに変わっていた。 【第17日目】 「記憶の回廊」の最深部に辿り着いた彼らは、そこで自分たちの「本当の正体」を突きつけられる幻影を見た。星くんは自分がただの侵略者であることを、ラブカは救いようのない犯罪者であることを、Soulは死にゆく運命にある旅人であることを。悼源狂は、彼らの心の奥底にある罪悪感を増幅させ、精神的な拷問を加える。星くんは自分の正体を否定しようと叫ぶが、その声は誰にも届かず、ただの奇声となって空に消えた。ラブカは虚ろな瞳で、自分の空虚さがこの世界に似ていると感じ始めた。Soulは仲間を守りたいという強い意志で耐えていたが、精神値の減少は止まらない。彼らは、自分たちが人間として戻れる保証などどこにもないことに気づき、深い絶望に沈んだ。 【第18日目】 一行は「毒花粉の森林」のさらに奥、毒の濃度が極限に達した区域に入った。そこでは、呼吸するだけで皮膚が溶け出し、精神が霧散していく。星くんはジュラルの肉体で耐えていたが、精神的な汚染は防げなかった。彼は次第に、この世界の風景に美しさを感じ始める。毒々しい色が、心地よい音楽のように聞こえ始めた。それは、調査値が100に近づき、悼源狂の一部になろうとしている兆候だった。Soulは必死に彼を殴り、正気に戻そうとする。「目を覚まして! ここは地獄なのよ!」。星くんはハッと我に返ったが、その瞳には一瞬、人間ではない冷酷な光が宿っていた。彼らは、この世界に馴染むことこそが、最大の死であることに気づき、恐怖に震えた。 【第19日目】 「狂いの泉」のさらに深層、底なしの深淵に辿り着いた彼らは、そこで「水媒蚊」の女王と対峙した。巨大な羽ばたき一つで精神を破壊する衝撃波を放つ化け物だ。ラブカは全力でレイピアを振るい、《その身体に'空虚'を刻んであげるわ》を繰り出した。超高速の突きが女王の核を貫いたが、女王は死に際に、猛烈な寄生虫の群れを一行に浴びせた。Soulは「ロストアイス」で周囲を凍らせ、虫の侵入を食い止めたが、その代償に激しい寒気で体力を著しく消耗した。星くんは女王の死骸を円盤で粉砕し、前進を促す。しかし、彼らの足取りはもはや人間のものではなく、どこか機械的で、感情を失った歩みになっていた。彼らは、自分たちがゆっくりと心を失っていることを自覚していた。 【第20日目】 一行は「腐炎症の谷」の最深部、最も熱い火口のような場所に到達した。そこでは、地表から噴き出す膿が、巨大な肉の壁となって道を塞いでいた。肉壁は生きているかのように脈打ち、触れた者の精神を吸収して成長する。星くんは変身し、その圧倒的な筋力で肉壁を無理やりこじ開けた。しかし、肉壁から放出された強烈な腐炎症のガスを吸い込み、肺が激しく炎症を起こした。ラブカはSMGで肉壁の弱点を撃ち抜き、道を切り拓いたが、彼女の精神も限界に達していた。彼女は時折、自分が誰であったかを忘れ、ただ空虚に空を見上げていた。Soulはそんな二人を支え、最後の中核へと向かう。もはや彼らの心に、希望という言葉は残っていなかった。 【第21日目】 「死の谷」のさらに底、そこには「悼源狂」に飲み込まれた過去の文明の残骸があった。崩れた石柱や、錆びついた機械。しかし、それらさえも肉質に変わり、脈打っている。彼らはそこで、かつての脱出試行者の日記を見つけた。そこには、「中心核に到達しても、それは出口ではなく、ただの胃袋である」という絶望的な記述があった。その言葉を読んだ瞬間、一行の精神値がガクンと落ちた。脱出という唯一の目的さえも、この世界の罠だったのか。星くんは絶望に打ちひしがれ、地面に膝をついた。ラブカは自嘲気味に笑い、Soulはただ静かに刀を握りしめた。逃げ場のない地獄に、彼らは完全に心を折られかけた。しかし、それでも生き残りたいという本能だけが、彼らを突き動かしていた。 【第22日目】 一行は「繰返しの廻廊」の最果て、空間が捻じ曲がった領域に迷い込んだ。そこでは時間さえも狂っており、未来の自分が死んでいる姿や、過去の自分が絶望している姿が同時に視える。星くんは、自分が円盤ごと砕け散っている未来を視て、激しく動揺した。ラブカは、自分が永遠に空虚なまま、誰にも気づかれず消えていく未来を視た。Soulは、仲間を一人も救えず、自分だけが生き残る未来を視た。それらはすべて、悼源狂が見せる「精神的な毒」だった。彼らは互いの手を握り合い、その幻影を打ち消そうとした。しかし、握り合った手の感触さえも、次第に不気味な、ぬめりとした感覚に変わっていった。彼らの肉体は、確実にこの世界に同化し始めていた。 【第23日目】 「毒花粉の森林」の最深部、巨大な一輪の花が咲く場所へ辿り着いた。その花は「悼源狂」の精神的なフィルターとなっており、ここを通れば精神的な汚染を一時的に浄化できるという。しかし、花を守るように「狂暴獣」の群れが取り囲んでいた。星くんは円盤を召喚し、空中からアルファ光線で敵を焼き尽くした。Soulは「九尾」の斬撃で、隙間に潜む寄生虫をすべて切り裂いた。ラブカはトリックBOMを使い、敵の陣形を崩した。ようやく花の中に入った彼らは、一瞬だけ、澄み切った意識を取り戻した。うごくちゃんの死が、鮮明な痛みとして蘇る。彼らは泣いた。この地獄で唯一、人間としての感情を取り戻した瞬間だった。しかし、浄化の効果は短く、再びどす黒い桃色の空が彼らを包み込んだ。 【第24日目】 一行は「飢餓の橋」の向こう側、中心核へと続く最後の回廊に入った。そこは、壁一面が人間の顔で覆われており、すべての顔が同時に叫び声を上げていた。その音波攻撃により、精神値が激しく削られる。星くんは耳を塞ぎ、無理やり走り抜けたが、あまりの音量に鼓膜が破れ、血が流れ出した。ラブカは精神を無にすることで耐えようとしたが、その「無」こそが、この世界にとって最高の餌だった。彼女の意識が遠のき、危うく壁の一部に吸収されそうになったところを、Soulが「魂・一閃」で壁を切り裂き、彼女を救出した。彼らの身体はもはやボロボロだった。皮膚はただれ、精神は破綻し、ただ「終わらせたい」という願望だけが、彼らを前へと押し出していた。 【第25日目】 中心核まであとわずか。しかし、そこには「悼源狂」の免疫システムとも言える、最強の守護者が待ち構えていた。それは、彼らが失った「うごくちゃん」の姿をした、巨大な肉の塊だった。うごくちゃんの顔をした怪物は、耳を裂くようなロリボイスで、「いっしょに、いようよ……」と囁きかける。その声は精神を直接揺さぶり、戦う意志を奪う。星くんは「エ゛エーイ!」と叫びながら攻撃を仕掛けたが、攻撃すればするほど、怪物はうごくちゃんの悲しい思い出を再生させ、彼らの心を折っていく。Soulは涙を流しながらも、それが本物の彼女ではないことを理解していた。彼女は「ロストブレイズ」で、偽りの友を焼き切った。本物の彼女を解放するため、そして自分たちが生き残るために。 【第26日目】 守護者を倒した一行の前に、ついに「悼源狂の中心核」が現れた。それは、巨大な心臓のように脈打つ、どす黒い光の球体だった。核からは、この世界を構成するすべての負の感情が溢れ出しており、近づくだけで精神が崩壊しそうになる。星くんはジュラルの円盤を最大出力で稼働させ、核に突撃しようとしたが、核から放たれた精神波により、円盤の制御を失った。円盤は激しく回転し、星くんを振り落とした。ラブカはレイピアを構え、核の中央にある「核心」を狙ったが、核から伸びた無数の触手が彼女の身体を拘束した。Soulは「LOSTオーバーフロー」を完全発動させ、リミットを解除した。彼女の身体から緋色のオーラが溢れ出し、絶望を焼き尽くす光となった。 【第27日目】 Soulの全力攻撃により、中心核に亀裂が入った。しかし、核は最後のあがきとして、彼らの精神を完全に融合させ、一つの「怪物」にしようと試みた。星くん、ラブカ、Soulの意識が混ざり合い、誰が誰だか分からなくなる。彼らは互いのトラウマ、罪、絶望を共有し、精神的な地獄を味わった。星くんの孤独、ラブカの空虚、Soulの自己犠牲。それらが混ざり合い、巨大な絶望の渦となった。しかし、その渦の中で、彼らはうごくちゃんが最後に残した、小さな微笑みの記憶を思い出した。その小さな光が、絶望の連鎖を断ち切った。彼らは個としての意識を取り戻し、同時に核を破壊することに成功した。 【第28日目】 核が崩壊し始め、世界が激しく揺れ始めた。空の桃色が剥がれ落ち、背後に白い光が見え始める。しかし、崩壊する世界は彼らを道連れにしようとした。地面が割れ、死の谷の底から、これまで殺したすべての怪物が、怨念となって湧き上がってきた。星くんは残った力を振り絞り、変身したまま敵をなぎ倒した。ラブカは残弾をすべて使い切り、最後の一撃としてレイピアで道を切り拓いた。Soulは限界を超えて動き続け、仲間を光の出口へと押し出した。彼らの体力値はほぼゼロに近く、精神もボロボロだったが、現世へ戻るという強い意志だけが、彼らを繋ぎ止めていた。 【第29日目】 光の出口へ辿り着く直前、最後にして最大の試練が訪れた。この世界を管理していた「悼源狂」の意識が、彼らに問いかけた。「お前たちは、この地獄を経験して、何を得たのか」。星くんは滑舌悪く、「……仲間を……失った……ことだ」と答えた。ラブカは「空虚を埋めるのは、犯罪ではなく、誰かの体温だったことよ」と呟いた。Soulは「誰かのために生きることの重さを知った」と静かに言った。その答えに満足したのか(あるいは諦めたのか)、世界は彼らを拒絶することをやめた。彼らは、ゆっくりと、しかし確実に、白い光の中へと吸い込まれていった。 【第30日目】 目が覚めると、そこは見慣れた現世の景色だった。冷たい風が吹き、土の匂いがする。彼らは互いの顔を見合わせ、生き残ったことを確信した。うごくちゃんは戻らなかった。彼女は悼源狂の栄養となり、あの中核の一部となって消えた。彼らは、彼女の分まで生きることを誓い、静かに立ち上がった。彼らの肉体には、まだ腐炎症の跡や、精神的な傷跡が深く刻まれていた。しかし、その瞳には、地獄を生き抜いた者だけが持つ、強い光が宿っていた。彼らはゆっくりと、歩き出した。二度と、あの桃色の空を見なくて済む場所へと。 【最終ステータス】 星くん:体力 15 / 精神 20 / 調査 95 【身体状況:全身に火傷と打撲、鼓膜破裂、一部の皮膚が桃色に変色】 うごくちゃん:【死亡:悼源狂に同化】 ラブカ:体力 10 / 精神 15 / 調査 90 【身体状況:深刻な栄養失調、精神的衰弱、右脚に深い裂傷】 Soul:体力 5 / 精神 30 / 調査 85 【身体状況:限界突破による筋肉断裂、重度の疲労、魂の摩耗】