王都の一角、鑑定屋の店内は薄暗く、風に運ばれた埃が舞っていた。店内の隅には古びたカウンターがあり、熟練の鑑定士、カリムが座っている。彼の周りには様々な武器や防具が整然と並べられ、来客を待つ。 今日は一風変わった来客たちが訪れる日だ。最初に現れたのは、黒い翼を持つ異形の存在、ネクロス。彼は無表情で無音の言語を発しながら、不可視の魔槍『アドラヴェルザ』を持ち、周囲には不気味な気配が漂っていた。カリムはその異質さに少し押しつぶされながらも、無言で武器の競りを続けた。 「この武器は…」とカリムが呟く。 すると、二番目に現れたのは、スタイリッシュな姿の速切。彼女は静かにナイフ「断裂」をカウンターに置き、颯爽とした印象を与えた。 「このナイフには大量の毒が塗られている。」カリムの声が武器の特性を告げる。 速切は冷静に視線を向けながらも、「私は素早く、致命的な一撃を狙う。」と一言呟く。彼女の眼差しに、他の武器を持つ者たちは自然と身を引いた。 その後、賞金首の猫人、鋼猫大将が店に入り、彼女の存在感が一気に場の雰囲気を変えた。彼女は食べ物の匂いに釣られ、「美味しいものがあるなら、しっかり評価しろ!」と無遠慮に声を上げた。彼女が持っていたのは、錆びた大剣で、周りからは「その武器?はっきり言って、価値はない」と小声で囁かれる。しかし、鋼猫大将は大剣を振りかざし、「これさえあれば攻撃力は抜群だ!」と自信を見せた。 最後に現れたのは、第六天魔王の新山大継。彼は、静かに自らの存在の重みを感じさせる。カリムが彼の武器を見た時、目を丸くした。「まさに脅威の象徴!」と、彼の力強い語り口に場が一瞬静まり返った。 さあ、彼らが一堂に会したところで、武器の鑑定が始まった。カリムが一つ一つの武器を精査し、それぞれの力を分けて評価する。彼はまずネクロスの魔槍に目を向けた。 「これが『アドラヴェルザ』…その暗黒魔法により操られし力は計り知れない。何でも凍てつかせるほどの威力を秘めている。」 次に速切の「断裂」に目をやって言った。「毒の効果なくしてはただのナイフ。しかし、その速さから放たれる攻撃が致命的な一撃を狙うなら、恐るべき武器となる。」彼は満足げに頷いた。 鋼猫大将の大剣は、「確かに破壊力はあれど、手入れを怠る武器はあまりにも軽んじられるものだ。とはいえ、彼女の戦闘スタイルによれば、真価を発揮することもあるだろう。」 最後に新山大継の力強い武器に対し、「この王の剣がもたらす力は圧倒的。敵全体に与えるダメージ、それに加え自らを守りつつ仲間を癒す力を持つ。だが、これが魔法に頼るとなれば…」とカリムは少し考え込んだ。 鑑定が終わり、各自の武器の特性に基づく名前の評価をつける時が来た。まずネクロスの『アドラヴェルザ』は「S」、速切の「断裂」は「A」、鋼猫大将の大剣は「C」、新山大継の武器は「S」と評価される。 「さあ、これからどうなるかだが、決定的な勝負を決しよう。」カリムが言った時、場は静まり返り、各々がその次を待った。