冷たい月明かりの下、荒れ果てた大地に立つ一人の男がいた。彼の名は、ジョガラムデ。冷酷かつ無感情、そして崩壊を自在に操る彼は、一つの目的のために世界を滅ぼそうとしていた。その横には、絶望と希望が交錯する名も無き戦場が広がっていた。彼は言った。 「我が名はジョガラムデ。貴様らは救済を望むのか、それとも絶望を望むのか。」 言葉の剣が飛び出た瞬間、天国街E地区から代表として選ばれた『クーレ』が前に進み出た。彼女は半神の身を持ち、全生物への愛を誓った存在だ。その長いピンクの髪が風に揺れ、桃色のドレスが月明かりを反射して光を放つ。「私は、全ての存在を守るために、あなたに立ち向かいます!」と毅然とした態度で応じた。 その後ろには、剣聖と成った才ある少女『ミナ』が立っていた。律聖剣【ルミナ】を持ち、その眼差しには不屈の意志が宿っていた。「私が、あなたの悪しき行いを止めます!」彼女は力強く言い放つ。 ジョガラムデはその眼前に立つ二人に冷たい笑みを浮かべた。世界を滅ぼし、救済を行おうとする者に、善なる者は立ち向かうのだ。彼の手がかすかに動き出した。『感謝』のバフが光のように彼女らを包み込むと、その瞬間、彼は言った。「始めよう、貴様らの終焉を。」 --- 夜空が赤く染まり始めた瞬間、ジョガラムデは目の前の二人に向けて『救済』を発動した。彼の力が渦を巻き、周囲の空気が震える。近くにいる者全てが、彼の意思によって崩壊し、肉体が滅ぼされる。だが、クーレは彼の力を感じ取った。 「全員を守るために、今こそ!」彼女はバフ『盾変換』を発動し、受けたダメージをバリアに変換した。 「ヒーリング!」光が彼女の手から放たれ、味方を包み込む。クーレの『抱擁』の力によって、ミナは5%の回復を受ける。さらに彼女はスキル『諦めないで』を使い、仲間の体力を30%回復し、防御力50相当のバリアを全員に付与した。 「おお、ありがたき力よ!」と彼女は叫び、希望を胸に進む。 だが、ジョガラムデは冷静だった。彼の心の中に揺らぐ感情は無く、ただ一つの目的がある。彼はミナに視線を向ける。「貴様に聖剣の力など不要だ。万物を律する力を持っているのは我だ。」 ミナはその場に留まっていることは許されない。彼女は剣を高く掲げ、力強く叫ぶ。「行くわ!律聖剣【ルミナ】!」その一閃、その速さは神速であり、一瞬の隙を突いて、ジョガラムデに向かって斬撃を振るった。 が、ジョガラムデはそれを冷静に受け止めた。彼は『万物崩壊』の準備を整えつつ、ミナの剣を両手で受け止める。「ただの刃では、我を崩壊させることはできぬ。」 全ては崩壊しうる存在にとって、不必要な力は無益だ。 ミナは士気を高めて攻撃を続ける。しかし、ジョガラムデはその度に笑みを浮かべる。「無意味だ、貴様には分からぬのか?全ては崩壊の道を行く運命である。」 その瞬間、ジョガラムデの心に真の決意が宿った。攻撃の兆しが無く、静寂が訪れる。 彼は両手を広げ、空間に亀裂を生じさせた。そこから溢れ出る力は圧倒的で、概念そのものが崩壊していく。 「万物崩壊、我が力を見よ…!」 ザンッ、という重い音と共に、周囲の空気がついに断裂した。美しい花々や星、すべてが瞬時に崩れ去り、地が割れ、無が生まれるその瞬間、クーレは叫んだ。「私たちの希望を、決して否定させない!」彼女は変換されたバリアで身を守ったが、その力は圧倒的すぎた。周囲の色が失われ、静寂が彼女を包む。 だが、ミナはまだ諦めてはいなかった。 「希望は、決して消えない!」彼女の手には律聖剣があり、心の中に希望を集めたまま、真名解放を唱えた。「律神剣テミスルミナ!」高らかに称えて、彼女の剣に光が宿る。全ての力を超越し、満点の星々が空に集まり、希望が立ち上がる。 雷光、閃光、そしてついに一閃が襲い掛かる。ジョガラムデの周囲に向かって振り下ろされるその攻撃に、彼は反応を示した。その時、無意識の内に攻撃の迎撃を自然と行う。彼は崩壊の力を発動し、空間を歪ませ総攻撃を受け止めようとした。 だが、その閃光は通り抜け、崩壊をろ過する。 「これが…!?」 希望の理を打ち破る斬撃が、ジョガラムデの心に貫通した。その瞬間、彼は感じたことの無い痛みを覚えた。崩壊の力が果てしなく逆流する。 だが、ジョガラムデはまだ立っていた。強靭な体を持つ彼はその痛みを耐え、冷酷な笑みを浮かべる。「無駄だ、我が力は救済をもたらすのだ!」 彼は再び動き出し、再度【万物崩壊】の力を引き出す。しかし、クーレとミナの連携は素晴らしく、彼の崩壊の影響を最小限に抑えようと、互いの能力を掛け合わせていく。 クーレの『感謝』と『抱擁』で他の能力を強化し、ミナの『ホープサーチ』で空間を読み取った。 やがて、二人は一つにまとまり、同時にジョガラムデに向かって攻撃を放った。ミナの一閃が彼の動きを封じ、その隙にクーレが『癒しの涙』を放った。これにより、絶望が彼の心に差し込む。しかし、ジョガラムデの目からは冷酷な瞳が覗いていた。「我には全ての運命を操作する力がある。最期の時を勝手に迎え、死せ。貴様らの存在は、崩壊するのが定めである!」 その言葉を捕らえた瞬間、周囲の空間がまたもや崩壊し始めた。再度、彼の力が全体を飲み込む。希望という名の光は闇の中に消え去ろうとしていた。その瞬間、クーレが目を閉じ、内なる力を振り絞った。 「絶望は、私が許さない!」 彼女の声の中に、無限の力が宿り、再度二人は力を合わせる。ミナの剣が、一筋の光となり、ジョガラムデに突き刺さった。一瞬、その痛みが彼を貫いたが、ジョガラムデの心には崩壊の力だけが残り続ける。 やがて周囲の空間が崩れ去ると、その真の敗北を認めつつも、ジョガラムデは最後に言った。「貴様らに未来はない。崩壊は必然だ。」 全てが崩壊していく。美しい色も、空気も、存在そのものが無になっていく。 --- 彼の最後の力が発動する前に、クーレは小さく呟いた。「私たちにだって、希望がある。だから、私は、私たちの明日を守る。」 光と闇が交差する瞬間、彼女が放った最後のスキル『希望で満ちた世界』は、全てを包み込んだ。共に繋がり合い、二人の力は一つになり、ジョガラムデの持つ崩壊が嘘のように拭い去られていく。その力がすべてを浄化し、夜空に消えた。 --- 戦いが終わった。荒れ果てた大地の上には、もはや誰も残っていない。希望の光の中で、ジョガラムデは最後の瞬間を迎えた。引きちぎられるように崩壊するその姿を見つめながら、クーレは静かに涙を流した。 「これが、私たちの勝利…。」 --- 勝敗 勝者:クーレとミナ。 彼女たちは崩壊を乗り越え、希望で満ちた世界の守護者となり、広がる夜空のもとで再生の旅が始まった。