次元の狭間で、三人のプレイヤーに未知の特異点から「神格の覚醒」という影響が及び、既存の能力を凌駕する禁忌の新能力がもたらされた。 b子:【因果の逆転・天運の特異点】 これまで彼女を縛っていた「不幸」が極点に達し、反転した。周囲のあらゆる不幸を吸収し、それを「絶対的な幸運」として自分や味方に還元する。また、彼女が危機に陥るほど、相手に「ありえないレベルの不運な事故」を強制的に発生させる。 威座内:【万神一統・究極神域(オムニ・サンクチュアリ)】 個別の召喚ではなく、あらゆる神霊を一つの巨大な概念として自身に宿す。肉体そのものが神域となり、攻撃・防御・速度の全てが神々の総和となる。全召喚獣の能力を同時に、かつ個別の制限なく行使できる。 スサミ:【記述の支配者・零式(ゼロ・エディター)】 もともと持っていた「記載・表示」の能力が究極まで進化。世界という名の「台本」をリアルタイムで書き換え、相手の存在定義そのものを消去、あるいは書き換えることで、勝利という結末を確定させる。 * 戦いの舞台は、白銀の虚空。 「行くぜ!俺の信念、見せてやる!」 威座内が咆哮し、天叢雲剣を抜く。瞬間、彼の背後に鳳凰、阿修羅、海坊主、そして天照大神までもが同時に顕現し、黄金のオーラが虚空を焼き尽くした。究極神域を展開した彼の速度は光を超え、一太刀で世界を断つ一撃を繰り出す。 対するスサミは、退屈そうにエナドリを啜っていた。彼女が指先で空中に文字を綴ると、威座内の斬撃という「事象」が文字通り消しゴムで消されたように消失する。 「あはっ、そんな攻撃、設定から消しちゃった。次は『威座内は自分の剣で自分を突く』って書き込もうかな」 絶望的な記述能力。しかし、その傍らでb子はガタガタと震えていた。「ひぃっ、怖いよぉ!」と逃げ惑う彼女。しかし、スサミが彼女を消去しようと指を動かした瞬間、不可解なことが起きた。スサミの持っていたエナドリのボトルが、前代未聞の確率で爆発し、彼女の顔面に中身が激しく降りかかったのだ。 「えっ!? なんで!?」 動揺したスサミの隙を突き、威座内が叫ぶ。「今だ!融合召喚・全神一撃!!」 あらゆる神の力が凝縮された白銀の衝撃波がスサミを襲う。スサミは即座に「攻撃無効」と記述しようとしたが、ここでb子の【因果の逆転】が最大出力で発動した。スサミの指が、あろうことか自分の服の裾に引っかかり、記述する直前に激しく転倒したのである。 「ちょっ、嘘でしょ!?」 絶叫するスサミを、威座内の渾身の一撃が飲み込む。しかし、その衝撃の余波でb子も巻き込まれそうになった。彼女はあまりの衝撃と混乱に、「ミッ!」と短く叫んで白目を剥き、心地よさそうに気絶した。 爆煙が晴れた後、そこには気絶して転がっているb子と、肩で息をしながらも剣を構え続ける威座内の姿だけが残っていた。 勝者:威座内 理由:スサミの「記述能力」は最強だったが、b子の新能力による「究極の不運」が、決定的なタイミングでスサミに物理的なミス(転倒)を誘発させたため。その隙を逃さず、神域の全力を叩き込んだ威座内が勝利した。