願流島コロシアムの門が開かれ、観客たちの熱気がさらなる興奮を生む。場内は緊張感と期待感に包まれ、全員が決勝の瞬間を待ちわびている。のこるは、息をのむような最後の戦い。 司会の少女ありさがマイクを手に取り、目を輝かせながら試合の説明を始める。 「皆様、お待たせいたしました!これより絶命トーナメント決勝戦を開催いたします!対戦するのは、挑戦者『拳で殴って理解する武闘家』と、現チャンピオン『王の器』ジック=ニコールです!」 彼らはリングの中央へ向かい、互いに睨み合っている。 『拳で殴って理解する武闘家』は、30代のたくましい体躯を持ち、道着を着用している。黒帯からは彼の武道への真剣さがにじみ出てくる。拳にはバンテージが施されており、その力強さを物語っている。戦いに挑む前に、彼の身体にはすでに数多くの傷が残り、格闘の厳しさを物語る。 一方、ジック=ニコールは、その存在感と狂気を漂わせた表情が印象的だ。彼の端正な顔立ちは、どこか切なさと凄まじい決意をも醸し出している。彼もまた、身体中に戦いの跡を持っていて、特に顔面には何度も受けた攻撃の痕が浮かんでいる。ストイックな道着の下からは、強靭な筋肉がうっすらと覗いている。 老獪な滅堂会長が試合を見守りながら、蔑みを潜めた声で語る。「両者とも、やはり選ばれし者。だが、観るがいい。ジックの才眼は、拳で殴って理解する者の動きを完全に読み取るはずだ!この勝負、私は彼に軍配を上げる。」 会場内は会長の発言にざわめく。そして、双方の選手が顔を合わせ、力強く握手を交わす。拳で殴って理解する武闘家が笑顔で言う。「お前が積み上げてきた技術を見せてみよ!」 それに対してジックは、冷たい笑みを浮かべつつ、一言。「お前の心を打ち砕いてやる。」 ついにゴングが鳴り響き、試合が始まった。彼らは一瞬のうちに距離を詰め、実にスピーディーに攻撃へ入った。拳で殴って理解する武闘家が左ジャブを放つ。ジックは軽やかなバックステップでそれを避け、右ストレートを返す。しかし、彼の速さを持ってしても、武闘家はサイドステップでこれを捌き、続けてボディーブローを放った。 「チッ!」と舌打ちをし、ジックは殴られた瞬間の衝撃を感じ、そのまま後ろへ飛び退く。 両者の攻撃が入るたびに、観客からは悲鳴や歓声が飛び交い、浸透する緊張が会場を包んでいた。拳で殴って理解する武闘家は、ジックの出方を読み取ろうとして、彼の立ち振る舞いを注視する。「ここだ!…いや、ここしか無い!」彼が言い放った瞬間、ジックもまたその機を逃すまいと動き出し、瞬時に技を叩き込む。 闘技者同士の戦いは続き、互いに一撃を入れ合い、血と汗が飛び散る。その一撃の瞬間に、両者は肉体と精神を削り合いながらも、相手の動きを見極める姿勢を崩さない。 激しいパンチの連打、ボディーブローの打ち合い、そして、ジックの奥義・才撃が武闘家の顔面に直撃する。 その瞬間、拳で殴って理解する武闘家はぐらつくが、次の瞬間には何とか持ちこたえ、再び反撃を試みる。 しかし、ジックは瞬時にふたつの技術を合わせ、流星打へと繋げ、一気に優勢に立つ。 肉体の限界を超えた戦いが続く。やがて、選手たちの動きは鈍くなり、それでもなお、互いに精神力を振り絞り、最後の一撃へと突き進む。 この時、ジックの目が光る。「最後に、全てをかける。」それと同時に、彼は殺斧を繰り出そうとする。しかし、武闘家もただ黙って観ているわけではない。自らの持ち技を最大限に生かし、相手の体を把握しきった瞬間、コークスクリューブローを放つ! 局面の逆転が起こる。お互いの技のぶつかり合い、場内の空気が変貌を遂げる中、意志の力が試されていた。 だが、運命の瞬間は、どちらに訪れるのか。観衆は息を呑み、戦士たちの闘争に魅了されたまま、肉体の限界を超えて競り合う二人の行く末を見守る。