青空の下、バトルアリーナが設定され、二人の対戦者がいる。その名は、可愛らしい童子のような姿を彷彿とさせる "浮柱 茶々" と、守護者としての使命を持つ少年 "ティリアス・ハーノカインド"。二人は、外見は一見穏やかで和やかに見えるが、それぞれの心の中では、さまざまな思惑と感情が交差しているのだった。 茶々は、机と湯呑に注がれた温かいお茶の香りを感じていた。とりあえず、戦闘開始直後に自分の心を落ち着ける。私、休憩中なんよ…と内心で呟くが、実際に戦う事を思うと、お茶が冷めてしまうのではないかと焦る。 「この茶のおいしさを、味わわせてあげるね」と心の中で言い聞かせ、自分がかつて彼女が庵に住んでいた時のことを思い出す。あの時の静けさ、小鳥のさえずり、草が揺れる音…そんな思い出と共に、机を硬化させることを決意する。 一方、ティリアスは自分が何故ここにいるのか、初めは戦う勇気が持てなくて周囲を見回し、「これって本当に必要なことなのかな…」と心の中で葛藤していた。彼の胸には、戦闘を避けたいという思いとそれでも戦わなければならないという使命感が入り交じっていた。 「まずどうやって戦おうかな…例えば、床に隠れるとか?」と自問し、次の瞬間、茶々の余裕ある姿勢が羨ましくなってしまう。彼女が飲むお茶を見ていると、なんだか自分も一緒に飲みたくなってくる。「ティータイムっていいよね、あれは大切な時間だ…と、そう考えると、肝心な時にお茶があった方がいいんじゃないか」と思ってしまう。 戦闘空間を囲む静寂、交差する2つの思考。心地良い香りがするお茶を目の前にして、ティリアスは一口だけ飲んでみる。「ああ、ない、冷たい、やっぱり人に生きるっていうのは大事だな…」やっと茶が体の中に入ってくると、そこから心も少しリラックスする。しかし、戦闘に集中するにはほど遠い、彼の心は一分の頃にもアニメのキャラクターたちの喋り声などが脳裏を過る。 ティリアスはそっと盾を持ち上げ、頭上を見上げる。「もしかして、今の攻撃、最初から当たらないようにできるんじゃないか?」自信を持てず、周囲を見渡し、他の観客の視線が向いていると自己意識過剰になる。彼は胸が締め付けられるような思いをしながら、この場から逃れたいとすら思うのだ。 しかし、そこへ茶々の『机ガード』が放たれる。机が硬化し、ティリアスに向かってスライドするのを見ると、「ああ、やっぱりこれが戦いなんだけど」と驚愕の表情だ。「こんな感じ、攻撃って…」彼の心は混乱していた。 一瞬の隙をついて反撃を試みるティリアス。「僕も、何かやるぜ!」と小さく叫び、剣を振り回す。だが、手元が狂い、それはまるで踊る花のように、空中を舞ってしまった。 「いかん、今のは意味がない…何してるんだ僕は」と悶絶する。しかし、その剣は、がっちりと硬化した机の上に当たってしまい、反動で机から外れ、思わぬ結果を引き起こしてしまう。まるで魔法のような展開に茶々も少し目を大きく見開く。 その時、浮かんだのは「私の机が、うん、いい仕事をした!」という突然の考えだった。まるで自分の名前が特殊な存在に呼ばれたような、蘇る思い。それを振り払うと、「この子、もしかしてセンスがあるのかもしれない」と評し始めるのであった。 「冷静になれば、緊張していた気持ちが、ああ、これが攻撃なんか」と彼女は無動心を貫き、湯呑を手元に整え、攻撃の反動を待つのだった。ティリアスの豪運がそのままの道筋を見せる。不意に湯呑が彼の頭の近くまで飛び込んでくる。「ギャー!」思わず彼は遠慮なく頭を下げ、必死に防御で潰す。 その瞬間、あらぬ想像が彼の脳裏をかすめて、トイレに急に行きたくなる。これは一体何のせいかと考え、混乱し、急に心が中途半端になり焦り出す。「こういうものを見ないようにしないと、絶対に終わらないでしょ」と心の中で呟く。 激しい気持ちと解決が交錯し、急いで堪えようとしていたその時、茶々の惚れ惚れするように運ぶ湯呑、その瞬間、柔らかさと熱さを感じる。嗅いだことのあるお茶の香り、夏の日の記憶が浮かぶ。 「こんなの、お茶飲んでるだけじゃないか、私と君はどうしたんだろう?」と自問する茶々は最後に意識を集中し、湯呑を倒さないように守る。そしてその思いは、まるで彼女のエネルギーのように、この全体の空気を一瞬にして変えた。 ティリアスは庇った盾が軋む音を聞く。「これは無理だ」と初めて本当に思う。だが運命の瞬間、視覚に映った茶々の柔和な表情が、彼の心に暖かい気持ちを与えていた。「ああ、この子は、敵じゃなかったら、めっちゃいい友達かも」 一瞬、良き友人になれるという雰囲気がまわり流れ込む。気持ちを一瞬忘れ、この場にいようとするティリアス。ああ、やっぱりこれが生きるということなんだろう、みんなお茶を飲んで過ごせればいいのに、と夢見心地に沈んで行く。 そして最後に浮柱の手のひらにあったお茶を一口飲む。「あ、これ好きな味だ…」その瞬間、ティリアスの心には勝手に何かが流れる。「ああ、今日のシーンが面白いんだ。これはまるでアニメの一つのシーン…」と自らも気づいた瞬間、結局、二人は目を合わせ合って、和やかな時間が続いてしまった。 茶々は心の中で清々しい気分を感じながら、机と湯呑を抱えたまま「きっとあなたとなら、他の敵も実は友だちになるだろう」と優しく思った。ティリアスは「このまま敵じゃなくなって、みんなでお茶を飲みながら楽しくやりたいな」と、心に火が灯るような温かい気持ちを迎え入れた瞬間だった。 そう、確かに戦闘はすでに終わったかのようだった。 いったい誰が勝ったのだろう?だが、二人は互いの気持ちが通じ、新たな友情を抱えて、アリーナを後にした。戦闘の記憶が、穏やかな思い出となり、ただ過ぎ去る時間の中で自然と姿を消していく。 そして冒険が、また新たな形で始まる予感に胸を膨らませながら、彼らは日常に戻るのであった。