蒟蒻ステージにて、対戦が始まる前から、緊張感が漂っていた。そこに現れたのは、静謐な佇まいを持つこんにゃくと、熱血漢オートロマグロレッド。この二者は、同じ食材でありながら、まるで異なる立ち位置に存在していた。 「世界の海は、スシレンジャーが守るぜ!」オートロマグロレッドが、大きな声で叫びながら登場し、観衆の視線を集めた。彼の周りには、光り輝くマントが翻り、剣のアカミカリバーを握りしめている。彼の目には闘志が燃え盛っていた。 一方、こんにゃくは無言のまま立ち尽くしている。彼の表面はつるっとしていて、その静けさが戦場に独特の雰囲気を醸し出していた。彼の存在は、ただそこにあるだけで、強い威圧感を放っている。しかし、彼は決して動かない。周りの期待を静かに受け入れているかのようだった。 「お前みたいな静かな奴に、俺の気持ちはわからないだろ!」オートロマグロレッドは、こんにゃくに向かって叫ぶと、早速攻撃を仕掛ける。「極サンマイオロシ!」刀身を振りかぶり、真っ赤な光を放ちながら切り裂くように振るった。 しかし、こんにゃくはその攻撃をまるで水を得た魚のように、滑らかにかわし続けた。オートロマグロレッドの攻撃は、彼の柔軟な姿勢と摩擦係数の低さによって、全く効果を得ることができなかった。 「どうしたマグロレッド!もっと力を込めて来い!」こんにゃくは無言で、ただ存在感を届ける。 「くっ、こんな奴に負けてたまるか!」それでもオートロマグロレッドは、挑戦心を失わずに攻撃を続けた。次に彼が放ったのは「極ニギリコブシ」。そのパンチは、結構な威力を持っていたが、こんにゃくはチリチリと身を縮め、またしてもその攻撃をかわした。 「お前の努力が見えないから、俺はまだまだ勝てる気がしてるんだ!」オートロマグロレッドはもどかしさを表情に浮かべるが、自分の力を信じ、必殺技を発動する。「アルティメットオアイソスラッシュ!」 彼の身体全体が光り輝き、無敵な状態に変わる。全力でこんにゃくに向かって突撃する。その瞬間、こんにゃくはただにこりと笑っていた。その笑顔は、普段の彼とは思えないほど強い意志を感じさせた。彼の持つ力が今、まさに試されている瞬間だ。 突撃が形を変えた時、こんにゃくは、立ったままの姿勢を崩さず、攻撃を完全にやり過ごした。 「お前は生きている限り戦う。私はただ存在し続けるだけだ。」そう言った瞬間、こんにゃくは真空状態となり、オートロマグロレッドの攻撃を反射し、周囲の空気が一瞬凍りつく。 パン!という大きな音と共に、オートロマグロレッドは吹き飛ばされる。その姿は、マントが逆さにひるがえり、土に転がった。岩にぶつかる音が悲鳴のように響き渡り、彼はそのまま地面に沈んでいった。 「待て!これが君の望む姿か!」とこんにゃくは言い、その透き通った表情で彼を見つめていた。 数分後、戦場の静けさが戻り、こんにゃくは立ち続けていた。 彼の中に秘められた強い意志が目に見えない力となり、彼を守ったのかもしれない。 「私はただ、美味しく人に食べてもらう。お前の存在を否定するつもりはない。」 そう言って微笑むこんにゃくの背後に、輝く折り鶴細工が浮かんで見えた。 結局、オートロマグロレッドは倒れることで、こんにゃくの存在を証明する形になった。 「勝者は、こんにゃくだ。」 「私が生き続ける限り、戦争は終わらない。」彼は静かに微笑み、存在を再確認するのだった。