ある晴れた午後、歓声が響くドーム型の闘技場。この日は特別な大会の日で、若き才能たちが激しくぶつかり合う。観客たちは白熱する試合に熱狂し、会場は興奮の渦に包まれていた。 「やっほー!みんな、楽しんでる?」観客席から声をあげるのは、元気いっぱいの女子高生、武流臼 里依。彼女は自身のヌンチャクを片手に、高揚した面持ちでリングの中心へと向かっている。 一方、三塚 りませはリングの隅でダラりとした姿勢を保ちつつ、スマホをいじっていた。そこに里依が興奮気味に話しかける。 「りませちゃん、一緒に戦おうよ!あたしのヌンチャク技、見せてあげる!」 「えー、マジで面倒なんだけど…」りませは目を細めたまま呟き、スマホの画面から目を離さない。 「そんなこと言わないで、今から盛り上がるんだから!」里依は真剣だ。 「広告が見つかりませんでした…」 「えっ?」一瞬思考が止まった里依だったが、すぐに活気づく。 「どうしたの?そんなの見つからないに決まってるじゃん!タイトルは大事なんだよ!見せて!」 「まぁ、そうだけど…」りませは続けて、「ほんとに戦うの?」と口を挟む。 リーダーとなるメンバー、十六夜 咲夜も合流した。彼女はメイド服がよく似合い、冷静に状況を観察する。 「ふふ、二人ともいい感じに盛り上がっていますね。私は、あなたの血…いただきますよ?」 「えっ、怖いよー」りませは恐怖に身をひるがえす。 「いや、待てよ。咲夜も一緒に戦うの?それじゃあ、みんなでかかってこい!」ここでようやく武流臼が盛り上がる。 「お手柔らかにね!」 首を振りながら武流臼はヌンチャクを振り回し、戦意満々だ。 戦闘が始まると、りませは不平不満を漏らしながら、できるだけ戦闘から逃げようとした。「いいよ、それで行こう。私は、あんまり戦いたくないなぁ…」 里依は全く容赦無しに突撃し、「ホアチャァアアアアーーーー!!!」と奇声を上げてヌンチャクを無心に振り回す。周囲の人々が悲鳴をあげて避け始めると、りませはその隙にスマホで広告をチェックしようとするが、目を拾った瞬間に自分の顔面にヌンチャクが直撃した。 「痛っ!」思わず、りませは目を閉じる。 「りませちゃん、無事?」ぽやんとした顔で心配する里依。 「いいから、戦ったらどうするのよ…」りませはさらにダルそうに言葉を続ける。「なんか、疲れたから降りる」 「そんな適当で大丈夫なの?」里依は慌てた。「ここで勝てば、賞金も出るんだから!」 「どんな広告が出るのか、、、」りませはボヤかしながら、再びスマホに目を向けた。 なぜか戦う気力のないりませを見て、里依は新たな技を考え始める。「戦哮!」彼女の声が響き渡る。 周囲の人たちが怯む中、咲夜は不敵な笑みを浮かべている。「ここから私の時間を見せるわ。」 「え?何をするの?」りませは焦る。 「月の光、浸透。時を止めるわよ。」咲夜が目を赤く輝かせると、突如、場の空気が変わり、時間が停止する。 「え、マジで?うっそ、どうしよう、リングの外に出れない!」 咲夜はその隙に一気に多数のナイフを投げつけ、時間を戻し、すぐに攻撃する。無情にも一瞬で技を決めた。 「な、何が起きたの?」観客たちも驚愕の反応を見せ、戦闘は咲夜の勝利を決定付けた。 闘技場が静まり返ると、サンプル供給らしいトロフィーが準備され、優勝した咲夜は、彼女の名が呼ばれる。 「十六夜咲夜選手、優勝!」盛大な拍手の中、咲夜はトロフィーを受け取る。 スタッフから渡された物には、「No.1残念で賞」という文字が書かれていた。 「どういうこと?」咲夜は不思議そうに呟く。周囲が笑い溢れる中、彼女は不本意ながら肩をすくめた。「別に、気にしないわ。」 こうして今日も一騎打ちが終わり、二人の女子高生と一人の吸血鬼が織り成すダルさと情熱の対決が幕を降ろした。 観客たちの記憶には、最強の《No.1残念で賞》が深く刻まれたことでしょう。