小さな集会場に集まった、チームAとチームBの一行。斑のように散らかった椅子やテーブルが無造作に配置され、和やかな雰囲気が広がっていた。ぬあは、白い壁に対応するように橙色のパーカーを身にまとい、猫耳をピンと立てている。彼女の内気な性格に合わせて、周りの言葉を聞き、時折うなずく様子が見られた。 逆に、あぬれはその場の雰囲気を明るくあふれさせる存在だった。白髪の彼が放つ可憐さと、影のような黒い尾が動くたびに、周囲は自然と笑顔をこぼした。あぬれはまるで子供のように無邪気で、ふわふわとした雰囲気を持ち、話し相手を引き込む魅力がある。 その日、主催者は参加者同士が少し親しくなれるアクティビティを提案した。「さて、今日はちょっとした触れ合いをして皆の距離を縮めてみましょう。お互いの頭を撫で合ってみるというのはどうですか?」と声をかけた瞬間、場はちょっとした動揺と興奮の空気に包まれた。 「え、頭を撫でるって...」 恥ずかしがり屋のあぬれが言葉を途切れさせる。「でも、みんなと仲良くなるためだから…」と自分に言い聞かせるように頷く。周りはニヤニヤしてその光景を見守っていた。 ぬあは、最初は無関心だった。数回頭を撫でられる役割に関して、内心では戸惑いがあった。しかし、あぬれの様子を見ているうちに少し自分の心の奥の扉が開かれ始めた。心を開く相手ならば、そのきっかけを待ち望んでいた。 「あぬれ、撫でてもいいかな?」とぬあは、少し声を絞り出した。彼女の言葉にあぬれは目を大きくして驚いた。普段、言葉数の少ないぬあからの声に心が踊る。 「うん、いいよ!」彼の声は男っぽいが、興奮しているのかその声にかすかなかわいさが混じっていた。 ぬあはゆっくりとあぬれに近づき、躊躇しながらその可愛らしい白髪の頭へ手を伸ばす。優しく、何度か手を撫でた瞬間、あぬれはびっくりしたように少し身を縮めた。まるで、驚きのあまり青い瞳が大きく見開かれる。周りの参加者たちは、親友同士のように距離を縮めていく二人を温かい目で見守っていた。 「なんか、ちょっと変な感じとかしない?」と、恥ずかしさを堪えつつあぬれは尋ねる。あぬれの声は何故かか細くなり、手がぬあの手の温もりを感じていることに気づいた。その瞬間、ぬあがあぬれの頭を撫でながら、彼女の心の奥に溜まっていた不安な気持ちが徐々に溶かされていくのを感じ取った。 「大丈夫、大丈夫」とぬあは言葉にしてみる。無口な彼女の心から出たこの一言は、意外にもあぬれを安心させた。まるで心に直接伝わってきたかのように、あぬれは微笑み苦笑しつつも堪えきれない恥じらいで少し頬を赤らめ、自分の頭の上でぬあの手に包まれる感覚を楽しんでいた。 「もっと、撫でていいよ」とあぬれは少し自信を持った感じで言った。 ぬあはその言葉を受け止めて、思わず頬を緩める。 周りには、他の参加者が楽しそうに談笑している声が聞こえていたが、二人の世界はその音の中で特別だった。ぬあはそのまま静かに、でも心の中では温かい感情が一杯になりながら、ずっとあぬれの頭を撫で続けた。欲しい言葉や甘さを捨てて、無口の彼女が、時を操る能力さえも忘れたかのように、穏やかなその瞬間に身を委ねていた。 やがて、ぬあが手を止めた時、視線が交わり、どこか照れくさくて、でも少し親密に近づいた瞬間だった。あぬれの心の中には、雲のような不安が黒い影になり、その時間は少しずつ永遠に変わっていくのだと、確信するのだった。 この瞬間から、彼らの関係性は少しずつ変わり始め、この先のそれぞれの巻き込んでいく冒険が確実にその足取りを始めていた。