邂逅の激闘 月明かりの下、静かな森の中で二人の戦士が一人の悪党を追い詰めていた。彼の名はカトル。猫獣人であり、極悪非道な大罪人。挑戦的な口調と妖艶な身のこなしが特徴で、常に自分の能力を誇示するように振る舞っていた。 「ほら、君たち、もっと来たらどうだい?僕を倒す自信があるとは思えないけれど!」カトルは軽やかに小さく飛び跳ね、満面の笑みを浮かべて言った。 その言葉に怒りを覚えたのは、王子クマダと鋏の魔法少女、縁切 葉沙海だった。彼らはともに、カトルの悪行を止めるために立ち上がったのだ。 「お前の悪事を許さない!これ以上好き勝手させない!」と王子クマダは拳を握り締め、剛毅な眼差しでカトルを見据えた。 「その心、受け取ったわ。私も一緒にお前を止める!」縁切 葉沙海も彼に続いて立ち向かう。彼女の手には、閃光のように輝く鋏が握られていた。 カトルは二人の意気込みに興味をそそられ、思わず笑みを浮かべる。「なるほど!面白いね、じゃあ僕が君たちの成長を見せてあげる!」そう言うと、彼は身体を回転させて避ける準備をし始めた。 王子クマダは先手を打つべく、鋼常心を発動させた。彼の体はまるで鋼鉄のように硬くなり、どんな攻撃も弾き返す準備が整った。「熊打、行くぞ!」彼は前に進んで拳を振り上げた。 カトルはその動きをじっと観察していた。「そう来ると思った!」瞬時に身を身軽に素早く避け、クマダの拳をひらりとかわす。続けざまに、彼はそのまま壁を利用して跳ね返り、後方に位置する葉沙海の方へと向かって行った。 「君は!鋏を持っているんだね!」カトルは彼女の持つ鋏を見て、興味津々で言った。「その能力を模倣させてもらうよ!」彼は目を輝かせながら鋏を真似る準備をした。 「お前には任せない!」葉沙海は構えると、鋏を振り上げて叫んだ。「憂いを断ち切れ!《縁切り鋏》!」一筋の光がカトルの方向へと飛び、彼を切り裂こうとする。 カトルは驚き慌てて身を横にずらし、辛うじて回避する。「危ない危ない、真剣なんだね!」彼は少し冷や汗をかきつつも、余裕の口調を崩さなかった。だが、その隙を見逃すはずのないクマダは続けて攻撃を繰り出す。 「熊打真、全ての力を、拳に溜める!」クマダは全身の力を丹田に集め、一撃必殺のパンチを放つ。強烈な威力を秘めたその拳が、目の前のカトルに迫った。 しかし、カトルはすぐさま横に避け、彼の右腕の筋肉がそのまま食い込む衝撃からの痛みをチラリと感じながら声を発した。「僕の身体能力を侮るなよ!」 再び華麗に動くカトルは、クマダの攻撃を避けながらもすかさず彼の能力を観察していた。そして、再び目を輝かせた。「君の『肉体』、いただきます!」彼の心の中では、クマダの能力を模倣し組み合わせた新たな技が浮かび上がっていた。 「能力を…模倣するだと?」葉沙海は驚愕の表情を浮かべたが、すぐに気を取り直し、冷静さを取り戻した。彼女は次なる攻撃を繰り出すべく、再び作戦を練る。 「お前の攻撃を切り裂く!《脅威切り》!」鋏を振りかざし、狂おしいほどの精度でカトルの進行を阻んだ。だが、カトルはギリギリでそれをかわし、彼女の攻撃の裏をかくように抜け出し、次なる攻撃の準備をする。 「僕の新しい技だ!《能力キリトリ》!」鋏の魔法少女の能力を完全に模倣した彼は、葉沙海の技を使って素早く動き、その瞬間に彼女の能力を切り取り、保存してしまった。 「やらせはしない!」葉沙海は驚きを隠せないが、気にせずに再び反撃に出る。「《断片回収》!」彼女は切り取ったものを再生すべく、意識を集中させた。 だが、クマダがすかさずカトルに向けて進攻し、力強い攻撃を叩きこむ。カトルはそれを避けようとするが、その瞬間に葉沙海の魔法の鋏が彼に迫る。「《因果断ち》!」彼女の声が空気を切り裂き、カトルの身を突き破るべく動いた。 「くっ…!」カトルはぎりぎりでその攻撃をかわしながらも、同時に彼女の能力をまた模倣し、理解を深めていく。 「この攻め、全然効いてないね、君たち!」カトルは挑発的に笑みを浮かべると、「さあ、もっと本気で来てよ!」と挑む。その目に浮かぶ確信は、彼の余裕であった。 クマダは必死に目を光らせ、「まだだ!《熊掌》!」と両手を広げて動き、カトルの攻撃を受け流す。立ちはだかる彼の姿に、葉沙海も気合を入れ直して続ける。「《脅威切り》、行くわ!」 二人が連携し立ち向かうが、カトルはすぐにその動きを見抜いて華麗にかわしてしまう。「おっと、その技は危ない、もらったよ!」カトルは彼女の技を模倣し、応酬を繰り返しながら、やがてはその優位性を更に際立たせる。 他の攻撃もどんどん吸収していくカトルは、自身の能力を融合させ、多様な技を繰り出す。彼の身体はあたかも川の流れのように滑らかに動き、二人の前で華麗な舞を演じ続けた。 しかし、クマダと葉沙海もまた、互いに素早い連携と理解を示し合うことで、カトルの攻撃を行い続けた。 「何?その柔軟さ!」 「新しい能力!すぐに追いついてみせて!」 激しい攻防の中、息もつかせぬ緊迫感に包まれる。その争いはしばらく続いた。一人の力が凶悪な力と化し、一方ではその力を止めるべく二人が奮闘する。しかし、カトルの身体能力と創造力は彼らを圧倒していた。 「これが僕の力だ!」カトルは勝ち誇った笑みを浮かべながら言った。「今、君たちのすべてをいただいたよ!」 緊張感が漂う瞬間、ついにカトルは彼らの能力を完全に理解し、組み合わせにかかる。そして、全能力を融合した技を作り出した。 その名も、《複製の鋏》。この能力は、相手の攻撃を切り裂くだけでなく、複製し、自身の力として使うことができるという強力な技だった。 「終わりだ、君たち!」カトルがそう言った瞬間、彼の間に空間が歪み、強烈な衝撃が走る。 王子クマダと葉沙海は、彼の言葉を聞いて恐れを抱きつつも、最後の力を振り絞ろうと決意した。「まだ、終わらせない!」 そして、全力を尽くして挑むが、カトルの《複製の鋏》が彼らの攻撃を次々と薙ぎ払う。やがて、彼の力が二人を圧倒し、彼らの攻撃を完全に打ち消してしまう。 「強い良い能力だ!それ、貰うね!」カトルは最後に挑発的に言い放った。 そして、カトルの鋏が二人を捉え、その瞬間、世界が暗転した。 --- 戦闘が終わった後、そこには勝者が立っていた。カトルは甲高い笑い声をあげながら、彼が成し遂げた勝利を喜び、その姿はまさに覇者そのものであった。 「僕の勝ちだ!」彼は誇らしげに言い放った。強い、悪党の姿を固めていたカトルは、さらなる悪行を誓うべく森林の奥へと姿を消した。 勝者:カトル