第一章:静寂の崩壊と邂逅 空はどす黒い雲に覆われ、不気味な静寂が戦場を支配していた。ここは世界の境界、あらゆる次元が交差する「虚無の平原」。そこに、相反する二つの集団が対峙していた。 勇者パーティを名乗るチームA。その先頭に立つのは、黒と赤の市松柄の和服を纏った吸血鬼、アストである。彼は心優しい青年であったが、その瞳には戦いへの覚悟が宿っていた。 「……争いたくはない。だが、君たちが世界を混沌に突き落とそうとするなら、私は私の道を歩むしかない」 アストの背後には、異質な存在たちが控えていた。感情を読み取らせない無表情な男「500」、神々しさと同時に底知れない恐怖を放つ超越者「404」、そして知的な眼差しで戦場を分析する探偵「3143」。彼らは人間という枠を超え、概念や法則を書き換える力を有していた。 対するは魔王軍、チームB。その中心にいるのは、歪んだ笑みを浮かべる道化師の少年、劉である。半分が笑顔、半分が涙の仮面を被った彼は、絶望を抱えながらも軽やかな足取りで踊るように歩いた。 「あはは!見てよ、あっち側は『正義』の面をしてる。反吐が出るね。ねえ、君たちもそう思うだろ?」 劉の傍らには、巨大な獣ウォーバレットが低い唸り声を上げ、その肉塊のような左腕を地面に叩きつけていた。さらに、くたびれた服を着た青年モズルが、冷徹な目で獲物を定めるように翼を羽ばたかせ、最後は――不敵な笑みを浮かべたイカの怪物、スクイウネが触手をうねらせていた。 「あはは!見て見て、あんなのが勇者パーティだって。弱そう〜!そんなんで私を倒せると思ってるの〜?」 スクイウネの小馬鹿にしたような声が平原に響く。その瞬間、平和な対話の時間は終わりを告げた。劉が指を鳴らし、煙幕弾を投げつけた。視界が瞬時に白く染まる。 (ふん、小細工を……) アストは冷静に、足元の土を操り、巨大な壁を築いて煙を遮断した。しかし、その背後から凄まじい風圧が迫っていた。ウォーバレットの「パワーレッグ」による超加速突撃である。 「ガアアアアッ!!」 猛獣の咆哮と共に、巨大な肉塊の腕がアストを襲う。アストは瞬時に「重圧加算」を発動させ、辺り一帯の重力を10倍に跳ね上げた。地面が陥没し、ウォーバレットの速度が鈍る。だが、その怪物は激怒し、さらに力を溜め始めた。チャージブレイクの予兆である。 戦いの幕は、今切って落とされた。