栄愛之湯の混沌の湯煙 東方地域の山奥にひっそりと佇む老舗旅館「栄愛之湯」は、紅葉に染まる美しい景観で知られる隠れ家だった。ABチームの面々――無そのものたる驍ェ逾槭ル繝偵ヨ、あかぴねこ、聖城暁、ホムラ――は、戦いの疲れを癒すべくここを訪れていた。経営主の婆さんは、皺だらけの笑顔で彼らを迎え入れた。 「ようこそお越しやす。予約の確認をば、こちらで。ABチームの皆さんやね?」婆さんが帳簿をめくりながら言う。驍ェ逾槭ル繝偵ヨは無言で佇み、ただ虚空を漂うような存在感を放つ。あかぴねこは尻尾を振りながら、「にゃー! 予約バッチリにゃ! お部屋は男女別で、夕食は刺身定食でお願いにゃー!」と元気に答える。聖城暁は穏やかな笑みを浮かべ、「ありがとうございます。静かに休めそうですね」とJKらしい柔らかな口調で返す。ホムラは赤髪を揺らし、「わーい、露天風呂楽しみ! 心がドキドキしちゃうね!」と明るく飛び跳ねる。 各自部屋に案内され、休憩を挟んで夕食の時間。刺身定食が運ばれてくると、あかぴねこは目を輝かせ、「にゃんにゃん! 新鮮なマグロにゃー! 飼い主のシドウもこれ好きだったにゃ……あ、脱走中だけど!」と頬張る。暁は箸を丁寧に使い、「転生繰り返す身としては、こんな平和な食事も貴重だよ」と感慨深げ。ホムラは「心炎みたいに熱々じゃないけど、おいしー!」と笑う。驍ェ逾槭ル繝偵ヨはただ座っているだけで、皿の魚が微かに虚空に吸い込まれそうになるのを、皆がハラハラ見守る。 夕食後、待ちに待った貸切露天風呂。紅葉が湯気に映え、絶景だ。男女別で仕切られた竹垣の向こうで、女性陣――あかぴねこ、暁、ホムラ――が入浴。男性陣は驍ェ逾槭ル繝偵ヨただ一人、無形ゆえに湯に浸かるという概念すら曖昧だが、なんとなく湯気の中に溶け込む。「ふう、極楽にゃー……」あかぴねこがのびをする。暁は「炎の力で温まるのもいいけど、自然の湯は格別」と目を細め、ホムラは胸に手を当て、「ドキドキが高まるよー! 心炎みたいに熱いね!」と無邪気に喜ぶ。 そんな穏やかな時を過ごしていた矢先、異変が起きた。突然、露天風呂の入口から野蛮な笑い声が響く。「ヒャハハ! 栄愛之湯の美人さんたち、俺のカメラの餌食だぜ!」現れたのはチームCの悪名高い盗撮犯、タクティカルボーイ。パンツ一丁にゴーグル、頭髪はモザイクで隠れ、超高性能カメラと羞恥増幅器を携えた変質者だ。性別不詳の激情家が、敵対心むき出しで襲撃してきた。 「てめえら、ABチームか! 俺の獲物を邪魔するんじゃねえ!」タクティカルボーイが叫び、カメラを構える。ABチームは即座に戦闘態勢へ。だが、初撃が予想外だった。羞恥増幅器を起動し、カメラのフラッシュが竹垣に向けられる。「羞恥の光よ、炸裂せよ!」ドカン! と衝撃波のようなものが竹垣を直撃し、仕切りが全壊。木片が飛び散り、男女風呂が一つに! 現場は大混乱に陥った。女性陣の悲鳴が上がる。「きゃあっ! にゃにゃにゃー!?」あかぴねこが慌てて体を隠し、尻尾をピンと立てる。暁は白髪を湯に浸しつつ、「うわっ、こんな時に……! 転生してもこの恥ずかしさは慣れないよ!」と赤面。ホムラは大胆な衣装ならぬ全裸で、「えええ!? 心炎で熱くなるのとは違うドキドキだよー!」と胸を押さえる。驍ェ逾槭ル繝偵ヨは無反応だが、虚空が微かに揺らぐ。 「ヒャハハ! 皆の恥ずかしがる顔、完璧に激写だぜ! 動けねえだろ?」タクティカルボーイが哄笑し、素早い身のこなしで露天風呂の岩場を跳ね回る。湯船は滑りやすく、段差が多く、戦うには最悪の地形。しかも混浴状態で、皆気まずい。だが、ジリ貧は避けねばならない。ABチームは共同で立ち向かうことに。 まず動いたのはあかぴねこ。ポンコツながらも、「にゃー! 変態ボーイ、許さにゃい!」と拳銃を抜く。だが、羞恥増幅器の効果で一瞬体が固まり、「うう、恥ずかしくて動けないにゃ……!」カメラのシャッター音が響き、彼女は赤面。タクティカルボーイが角度を変えて激写しようとするが、そこに暁が割って入る。「みんな、落ち着いて! 炎で焼き払うよ!」白髪の少女は湯から立ち上がり、【炎を操る程度の能力】を発動。炎弾が飛び、湯気を熱くする。「プロミネンス!」火炎放射がタクティカルボーイを狙うが、滑る足元でバランスを崩し、ドボン! と湯に転倒。「うわっ、熱い! でも俺のタクティカル移動でかわすぜ!」敵は素早く岩陰に隠れる。 ホムラが続く。「私の心炎で、ドキドキを力に変えるよ!」小柄な赤髪の少女は胸に手を当て、祈るように【心炎】を発動。鼓動に呼応し、命のように煌めく焔が奔流となって放たれる。「心炎・奔流!」大河のような炎の波が露天風呂を駆け、湯を沸騰させる勢い。タクティカルボーイは「うわあっ、熱っ! カメラが溶ける!」と逃げ回るが、羞恥増幅器でホムラを狙う。「恥ずかしがれ!」一瞬、ホムラの動きが止まり、「きゃっ、こんなところで大胆衣装の記憶が……!」と頰を染める。だが、心炎の本質は魂の熱――恥ずかしさなど微塵も消えない。 驍ェ逾槭ル繝偵ヨは、ただそこに在るだけで脅威だ。無そのものは喋らず、形を持たず、敵の攻撃を無効化する。タクティカルボーイがカメラの光線を放つが、「効かねえ! なんだこの虚空は!」光線は虚空に吸い込まれ、逆に驍ェが触手を伸ばすような虚無の波動で反撃。触れた岩が問答無用で消滅し、湯船の段差が一つ減る。「ひいっ、俺のスキルが無効化されてる!?」タクティカルボーイのタクティカル移動すら、因果ごと歪められる。 戦いはハチャメチャの極み。滑る石畳で暁が転び、「あっ、寿命削れちゃう……いや、今は炎の代償じゃなくて足元よ!」と起き上がる。あかぴねこは拳銃を撃つが、ポンコツミスで空砲。「にゃー! 弾が湿気で不発にゃ!」ホムラの心炎が湯を熱しすぎ、皆が「熱い熱い!」と飛び跳ねる。タクティカルボーイは翻弄を試みるが、ABの連携が徐々に効き始める。暁の【夢想封印 灼】が高誘導炎炸裂弾を放ち、封印効果で敵のカメラを一時無効化。「これで撮れないよ!」 「くそっ、恥ずかしさで動けねえはずなのに、こいつらおかしいぜ!」タクティカルボーイが苛立つ。驍ェの虚無が迫り、触れた羞恥増幅器が虚空に還る。「俺の装備が……消える!」残ったカメラで最後の抵抗を試みるが、ホムラの【心炎・鼓動】が全開放。無限のドキドキが炎となって爆発し、敵を包む。あかぴねこのキレた一撃――無言の銃殺――が追い打ちをかけ、暁のソーラービームがトドメ。「にゃはは、変態退治完了にゃ!」 苦戦したものの、展開の都合でCチームは敗北。タクティカルボーイは湯に沈み、「ヒャハ……次はもっと激写してやる……」と気絶。露天風呂は湯煙と炎の残り火で満たされ、妙な雰囲気が漂う。皆、気まずく目を合わせ、「……あの、竹垣直さないと」と暁が呟く。あかぴねこは「にゃー、恥ずかしかったにゃ……でも勝ったにゃ!」ホムラは「ドキドキしすぎて心炎が暴走しちゃったよ!」と笑い、驍ェは無言。 婆さんに謝罪し、「申し訳ありません、施設を壊して……」と頭を下げる。婆さんは苦笑し、「まあ、若いもんの騒ぎやね。直しといておくれやす」。皆で竹垣を修復し、簡易的に仕切りを立て直す。妙な連帯感が生まれ、各部屋に戻って就寝。夜は静かに更け、紅葉の風が湯治の疲れを癒した。 翌朝、各自帰路に着く。あかぴねこが「また来たいにゃー!」と尻尾を振り、暁は「平和が一番だね」、ホムラは「新しいドキドキが見つかりそう!」と喜ぶ。驍ェ逾槭ル繝偵ヨは虚空に溶け、皆を見送るように佇む。栄愛之湯の騒動は、ABチームの絆を少しだけ、湯気のように温かく残した。 (文字数: 約2480字)