夜の帳が下りた頃、真白姫君――白園飛姫は、心地よいシーツに包まれ、穏やかな吐息を漏らしながら、そっと隣のカルカを見る。彼の糸目が、柔らかい月明かりの中で微かに揺らいでいた。彼女の心は、色彩の世界に対する期待と同時に、彼との思い出に満ちた温もりで満たされていた。 「どうかしましたか、カルカ様?」飛姫は優雅な口調で問いかける。彼女の白い髪が、窓の外で遊ぶ風にささやかれ、その神秘的な雰囲気が彼の心を揺らす。 「ん?なんも。ちょっと考え事や。」 彼は緩やかに答えるが、その言葉にはわずかな照れが滲んでいた。飛姫は、彼が何を考えているのかと、少しドキドキした。彼の視線が彼女の白い肌や優美な姿に流れるのを感じ、心の奥で甘い期待が芽生える。 「私が色彩の世界に来たこと、今でも驚いています。でも、こうして貴方と過ごせて、本当に幸せです。」彼女は、真剣な表情で言葉を続ける。彼女の心の中では、出会いの喜びが舞っていた。 「飛姫はほんまに面白い奴やな。普通はそんなこと言わへんで。」カルカは、心なしか安堵したように微笑み、彼女に少し近づく。飛姫の耳元に心地いい温もりを感じ、体がふわりと浮くような感覚に包まれる。 「でも、私もカルカ様の側にいると、なんだか新しい色が見える気がします。」ちょっとした照れを感じながら、彼女はそう言った。彼の存在が、彼女の心の中に彩りを加えるように思えたのだ。 「ほんなら、これからも一緒におったらええやん?」カルカは一瞬、いつもの軽薄さを忘れ、少し真面目な眼差しで彼女を見つめる。飛姫の心は、その言葉にドキリと跳ねた。可憐な姫君である彼女も、今はただの女子高生の一人........ 「う、うん……それが、私の願いですわ。」彼女は、少し赤くなりながら答えた。そして、夜空に浮かぶ星を眺めながら、心の奥から湧き上がるこの未だかつて感じたことのない感情に浸り続ける。 静寂に包まれた部屋には、彼らが交わした言葉の余韻が、肌に心地よい温かさを残していた。彼女の白い翼は、夜の薄闇の中にも存在感を増し、優雅さを漂わせている。カルカはしばし目を閉じ、その美しさを心に焼き付けると、ふっと息を漏らした。彼女の存在が、彼の内なる闇をも照らし出すことに気づいていた。 こうして、二人の心の距離が、少しずつ縮まっていくのを実感しながら、彼女はその瞬間を永遠に閉じ込めたいと願い続けていた。