夜の街は闇の静寂に包まれていた。しかし、その静けさを突き破るように、獣たちの唸り声が響き渡る。予定外の戦闘が起こる場所、そこは人々が昼間の賑わいを忘れてしまったかのように無防備な通りだった。立ち向かうは、実力と仲間を大切にする傭兵団【絵札ノ傭兵団/アルカナ・ファミリア】の団長、キングス。そして、攻撃的な素早さと強気な性格を持つ炎剣使いの猫耳少女、赤羽 緋狩。 「キングス、任せて!私が前に出るから!」緋狩は高らかに叫ぶ。彼女の赤い髪が月明かりを受けて煌めくと、周囲の空気が炎のように温まった。「悪いけど、手加減は一切無しだからね!」 「了解だ、緋狩。だが、無茶はするな。相手は獣、しかも『救済の獣』だ。それ相応の強さを持っている。」 キングスはしっかりとした声で指示を出しつつ、手にした聖域を展開するアミュレットを取り出し、仲間全体を護る壁を作り上げる。手にする武器は正義の象徴、聖なる剣だ。彼の冷静な判断は、仲間たちを戦場で支えるための福音だった。 『救済の獣』が群れを率いて一歩前へ進む。その姿は仏像のようでありながらも、凄まじい存在感を醸し出していた。巨大な扇を振るい、長い布で顔を覆ったその姿は、神秘的であり、同時に恐れられる象徴でもある。彼の側から小型の仏像たちが飛び出し、それぞれが麻薬のように凶悪な攻撃を仕掛けてくる。 「こいつら、任せて!燃え盛る反骨精神を見せてあげる!」 緋狩が叫ぶと、両脚に炎を宿し、爆発的な勢いで前進する。「灼熱炎剣、葬火!」 直後、彼女は炎を伴った剣を振り下ろし、目の前の小型仏像が焼き尽くされる。炎がアスファルトに降り注ぎ、街並みは熱を帯びた。『救済の獣』はその光景に動じることなく、扇で空気を撹拌し、ズダダンと一撃を放った。 キングスはその瞬間を見逃さず、聖なる剣を掲げる。「防御!聖域展開!」 彼の宣言が響くと、周囲に光り輝く幕が現れ、獣の攻撃を弾き返す。後方から仲間たちの声が舞い上がり、連携した攻撃が飛ぶ。パッと瞬きする間に、大きなビジョンが現れる。彼の指示の下、柔らかい攻撃を連射する仲間たち。無駄のない動きが、彼らの連携を支えていた。 その隙を突く形で、緋狩は駆け抜け、「紅閃焼炎脚!」の技を繰り出した。炎を宿した脚が獣たちを蹴飛ばし、特に一体の獣の方に向かって突進する。「侮らないでよっ!」 「そこだ、緋狩!それに続け、我々の連携で叩く!」 キングスは機転を利かせ、次の瞬間に「周囲の魔力を封じる杖」を呼び出し、戦場の魔力を吸い尽くす。「♧、これであいつらの魔法を使わせるわけにはいかん!」 緋狩が突進すると同時に、キングスは周囲の魔法を封じられる。バックスタイルで踊るように敵をかわしながら、キングスはその隙間を突く。小型の獣たちも次々とキングスの剣に打たれて散っていった。彼らの連携と巧妙な戦術のコンビネーションにより、少しずつ獣たちは数を減らしていく。 「みんな、もっと強く攻撃して!」 「分かってるぜ!」仲間たちの声が街中に響く。その中で、獣の群れが狙うのはキングスだった。目の前で立ち尽くしている彼が、まさに囮になるつもりだったのだ。 「いくぞ、♤!”」 その刹那、キングスは一瞬後退し、「他者の大罪を引き裂き、罪から救う救済の剣」を掲げると、獣の群れを突き進む。不正義を許さず罪を撃ち抜く音が響き渡った。 その瞬間、大きな獣が倒れ、その肉体が裂かれていく。しかし、救済の獣の扇のクレッセントが翻り、彼方で力を発揮しようとしていた。彼は今まで以上に獣たちを指揮し、大きな揺れをもって迫ってくる。 「キングス!前に出て!」緋狩が叫ぶ。「私が援護するから!」 「分かっている、行くぞ!」 目の前に立つ銃声、ひとつ、ふたつ、三つ。小型の獣たちが空に飛び散り、キングスの聖なる力がより一層増し、背後で燃え盛る緋狩の炎が白光のように輝く。二人は無限に続くかのように、次々と獣を倒しては攻撃を続ける。しなやかさを持っていた緋狩は跳ねるたびに空中を飛び、力強い刀さばきで襲いかかるとオブジェクトのように敵を次々と撃ち抜いていく。 「熱狂盛炎、極葬!」 彼女は一瞬のうちに獣たちの間を縫い、猛然と突進した。炎の中に飛び込むがごとき叢を潜む獣の間を縫い、次々と巨獣を斬り捨てていく。キングスもあたかも彼女の後を追うかのように聖なる剣を破裂させていく。「⚈!」 その攻撃の嵐により、獣たちは次々に倒れていった。ここで原初の話に戻るが、彼は兄弟のような団員たちを思い出し、必死で連携を重ねた。緋狩の炎、キングスの力、それを背景に獣たちが対抗しようとしていた。 「行け、最後の一撃を!」 キングスの命令が二人の前に下され、絵札の傭兵団の力が集結する。「一心同体、すべての切り札は集結する!」 二人は力を合わせ、相手の急所を攻撃した。突き刺さり、獣たちは一斉に怯え、数体の獣が最後の一撃を受けて倒れた。聖なる光が彼らを貫通し、壮絶な火柱が上がり、周囲には獣たちの叫び声が悲痛にこだました。 街中での戦いは密やかに、しかし着実に獣たちを押し返していた。二人の力の結集は、まさに凄まじいものであり、希望の光を信じる者たちによる絶望の叫びだった。近くで倒れた獣たちが次々と形を失い、明るい未来に向けた道を作り出していく。 最終的に、彼らは25体の獣たちを打ち倒し、街の平和を取り戻すことに成功した。キングスと緋狩の絆は、明確に強まり、仲間たちが支え合うことの重要さを再確認する機会ともなった。無事に勝利を収め、一緒に新たな未来へ進むのだった。