アゲートの巣:白い森の戦い 白い森は、まるで神々の忘れ形見のように静まり返っていた。雪のように白い樹木が連なり、その根元や枝々に、無数の瑪瑙のような群晶がびっしりと張り付いている。『アゲートの巣』――それらはただの鉱物ではなく、脈打つような生命の気配を宿し、森全体を侵食する病巣のようだった。空気は冷たく湿り、かすかな光の粒子が舞う中、二つの影がその中心に現れた。一人は黒い和装に深紅の羽織を纏った女性、タカスギ。長い黒髪が風に揺れ、赤い瞳が鋭く輝く。彼女の背には反重力飛行装置が静かに唸りを上げ、すでに上空へと浮かび上がっていた。もう一人は、紫色の小さなスライム状の存在、グラティア。15cm³ほどのぷるぷるとした体躯で、無邪気な輝きを放ちながら、地面を滑るように進む。 「全ては国と家族のために……」タカスギは独り言のように呟き、三味線を背に携えたまま、高く舞い上がった。彼女の視線は森の奥深く、無数の『アゲートの巣』に注がれる。破壊せねばならない。敵対する者などいないこの戦場で、ただその巣を砕くことが使命だ。グラティアはそんな彼女を見上げ、意思を伝えるように体を震わせた。言葉は発せないが、そのぷるぷるとした動きは、共闘の意志を明確に示していた。 戦いが始まった。タカスギは上空から戦場を俯瞰し、まず『高杉式光線拳銃』を構えた。特殊拳銃の銃口が青白く光り、長射程のビームが一直線に放たれる。最初の標的は、巨大な白木の根元に絡みつく瑪瑙の群晶。ビームは空気を切り裂き、群晶に直撃した。ガシャンという乾いた音とともに、巣が砕け散り、紫色の破片が四散する。一つ、破壊。だがその瞬間、砕けた巣から黒い影が飛び出した。『アゲートの住人』――鋭い棘を持つ獣のようなモンスターが、咆哮を上げてタカスギに向かって跳躍した。 「ふん、邪魔を」タカスギは冷静に身を翻し、反重力装置で高度を上げた。住人は地面を這うように追うが、彼女の動きは優雅で速い。グラティアはそんな光景を下から見守り、素早く行動を起こした。小さな体が跳ねるようにタカスギの足元へ近づき、彼女の肌に触れる。意思疎通は瞬時だった。グラティアの紫色の体が溶けるようにタカスギの体内へ潜入し、超常的な細胞が全身を巡り始めた。タカスギの体に異変が起きる。筋肉が熱く脈動し、視界が鮮明になり、反応速度が鋭く研ぎ澄まされる。【アシミラティ】の効果――戦闘力が超上昇し、体の強度が鋼のように硬化。あらゆる物理攻撃を遮断する障壁が形成され、欠損の心配さえなくなった。 「これは……力強い。私に同化するとは、賢い選択だ」タカスギは微笑み、再び拳銃を構えた。住人の棘が彼女の足をかすめるが、グラティアの細胞が即座に再生を促し、傷は跡形もなく消える。動体視力の向上で、住人の動きが遅く見えるほどだ。彼女はビームを連射し、二つ、三つと巣を砕く。毎回、住人が現れるが、タカスギの回避は完璧。グラティアの支援で、彼女はまるで戦場の女王のように舞い、ビームの雨を降らせる。四つ、五つ……破壊数は着実に増えていく。 森の奥で、より大きな『アゲートの巣』が光を放っていた。タカスギはそこへ狙いを定め、上空から急降下。住人たちが群れを成して襲いかかるが、彼女は《緊急防衛コマンド》を発動した。複数の小型ドローンが展開し、青いバリアが彼女を包む。住人の爪や棘がバリアに弾かれ、逆にビームで一掃される。六つ、七つ。グラティアの細胞がタカスギの体をさらに強化し、疲労を知らぬ動きを可能にする。無邪気なスライムの意思が、彼女の心に温かな波動を送り続ける。会話はできないが、その支援は言葉以上に明確だ。 時間が経つにつれ、住人たちの攻撃が苛烈になる。破壊数が増えるたび、より強力なものが現れ、タカスギをUNABLEに追い込もうとする。八つ、九つ……一際大きな巣を砕いた時、巨体の住人が吼えながら現れた。だがタカスギは怯まない。《医療用UAV「SIKIGAMI」》を展開し、自身にドローンを追従させる。回復の光が彼女を包み、わずかな消耗さえ即座に癒す。グラティアの再生力と相まって、不死身の領域に近づく。十個目。十一個目。ビームが森を切り裂き、白い木々が震える。 中盤、住人たちの波状攻撃が激化。タカスギは《同志達よ、黒船を討て》の奥義を温存しつつ、拳銃で応戦。グラティアの超上昇した反応速度で、住人の突進を紙一重でかわし、反撃のビームを腹部に叩き込む。十二、十三……森の空気が熱を帯び、砕けた巣の破片が地面を覆う。グラティアの細胞がタカスギの血管を駆け巡り、魔力や防御を支える。スライムの無邪気さが、戦いの苛酷さを和らげるかのように、心地よい脈動を与え続ける。 十五個を超えた頃、住人の中でも特に凶暴なものが現れ、タカスギのバリアを揺るがす。だが彼女は冷静だ。「国と家族のために……この巣を、すべて」上空から奥義を発動。人型機動兵器が数機召喚され、超火力のビーム爆撃が森を薙ぎ払う。爆音が響き、複数の巣が一気に粉砕。十六、十七、十八……爆撃の余波で住人たちも焼き払われ、戦場が一時静まる。グラティアの細胞が即座にタカスギの体を修復し、消耗を最小限に抑える。 終盤、二十個に近づく。住人たちは稀にタカスギを追い詰めようとするが、グラティアの支援で決してUNABLEには至らない。彼女の体は物理攻撃を遮断し、再生が追いつく。二十一、二十二……ビームとドローンの連携で、巣を次々と破壊。森の白さが、紫の破片で汚れていく。グラティアのぷるぷるとした意思が、勝利への励ましを送る。 二十五個目。最大の巣を砕いた時、強力な住人が最後の抵抗を見せるが、タカスギの拳銃がそれを仕留める。時間は残りわずか。彼女は上空で息を整え、グラティアの温もりに感謝するような視線を落とす。破壊は続くが、全てを壊すには至らず、白い森はまだ多くの巣を抱えたままだった。 結果 タカスギの破壊数: 25 タカスギのSTATE: NORMAL グラティアの破壊数: 0 (同化支援による間接貢献) グラティアのSTATE: NORMAL ```json { "タカスギ": { "破壊数": 25, "STATE": "NORMAL" }, "グラティア": { "破壊数": 0, "STATE": "NORMAL" } } ```