栄愛之湯のハチャメチャ大乱闘 東方地域の山奥にひっそりと佇む老舗旅館「栄愛之湯」。紅葉が燃えるように色づく秋の夕暮れ、ABチームの面々はようやく訪れた休息の時間を満喫していた。旅館の経営主である婆さん――白髪を小まとめにした小柄な老婆――に予約を確認し、各自の部屋に荷物を置くと、早速刺身定食の夕食にありついた。 「ふう、美味いね。このマグロ、絶品だよ」聖仁が箸を動かしながら満足げに頷く。高校生の彼は、いつも通り素直で努力家。隣に座る先輩、柊木伊月はダウナーな表情で箸を突き刺すだけだ。「…まあまあ。努力せずに食える飯なんて、最高だな」美少年の伊月は、冷静にぼやきながらも、後輩の聖仁をパシリにしていることを棚に上げて平然としている。聖仁はそんな先輩に弟子入りを志願し、緋奈月流古武術を学んでいる身の上だ。 一方、チームBのオンミョンは定食を前に「みょん! みょーん!」と興奮気味に手を叩く。ゾンビのような食屍鬼の少女だが、彼女の傍らには小さな管狐の式神『灰』がちょこんと座り、刺身をじっと見つめている。「みょん、みょん!」オンミョンが意味不明の言葉で喜ぶのを、光線刀好美が無口に眺める。ギザ歯の殺し屋女性は、ボディスーツにジャケット姿で箸を握り、ボディランゲージで「うまい」と親指を立てるだけ。貧乳の彼女は萌えゲーが趣味で、こんな平和な時間がお気に入りらしい。 夕食を終え、皆は貸切露天風呂へ。美しい紅葉が湯気に映える絶景だ。男女の仕切りは竹垣で、ABチームは互いに気を使いながら入浴を楽しんでいた。伊月と聖仁は男湯側、オンミョンと好美は女湯側。湯船に浸かりながら雑談が弾む。「先輩、明日からまた修行ですか? 俺、もっと強くなりたいんですよ!」聖仁の熱い声に、伊月は「…めんどくさい。才能あるんだから、勝手に強くなれよ」と返す。女湯ではオンミョンが「みょーん!」と湯気を吸い込み、『灰』が水面をぴちゃぴちゃ歩く。好美は黙って壁を走る真似をして遊んでいる――フィジカルが強い彼女にとって、風呂でも体を動かしたくなるらしい。 しかし、そんな穏やかな時間が一瞬でぶち壊された。突然、露天風呂の入口から轟音が響き、敵対するCチームのストルクが飛び込んできた! 本来は冷静で温厚な騎士の彼だが、今は呪いの高級ブランド服にまみれ、狂気に満ちた目で「っっヒョォォオオオおお!」と叫びながら突進。魔剣・豪雷竜の剣が雷を帯び、青白い稲妻を撒き散らす。 「な、なんだこいつ!?」聖仁が湯船から飛び起き、慌ててタオルを巻く。伊月は冷静に「…敵襲か。面倒だな」と呟きつつ、能力を隠していた炎の力を呼び起こす準備。女湯側ではオンミョンが「みょん!?」と驚き、『灰』が毛を逆立てる。好美は即座にビームカタナを手に取り、無口に構えるが、足元が滑って「ぐっ」と尻餅をつく。マヌケなカッコつけが炸裂だ。 ストルクの初撃は容赦なかった。豪雷竜の叫びを発動し、「ヒョォォオオオ!」と天を仰ぐ。雷が彼に落ち、身体が超速で加速。次の瞬間、魔剣が竹垣を一閃――男女仕切りの竹垣が全壊! 木片が飛び散り、湯気が混じり合う中、ABチームの面々は互いの裸体を直視して大パニックに。「わ、わわっ! 見るなよ、先輩!」聖仁が顔を真っ赤にし、伊月は「…お前こそ見るな。努力嫌いなのに、こんな努力はごめんだ」と目を逸らす。オンミョンは「みょーん! みょんみょん!」と混乱の叫びを上げ、好美はギザ歯を剥き出しに「…!」とジェスチャーで抗議するが、滑る石畳で転びそうになる。 現場は色々な意味で大混乱。露天風呂は滑りやすく、段差も多い。紅葉の葉が湯に浮かび、足を取られやすい地獄絵図だ。ストルクは一人で襲撃してきたが、狂気の勢いは凄まじく、ABチームは共同戦線を張るしかない。「みんな、戦闘態勢! ジリ貧になる前に倒すぞ!」伊月が珍しくリーダーシップを発揮。聖仁が「はい、先輩!」と頷き、オンミョンが「みょん!」、好美が親指を立てる。 戦いが始まった。まずストルクが雷電昇を放ち、超速で伊月に迫る。魔剣が斬り上げられ、極雷が遅れて爆発。伊月は冷静に百壱式・飛陽を発動、炎を纏って一回転上昇し回避。「…速いな。だが、予測できる」聖仁がフォローに入り、俺流・月鉄で肘を振り下ろすが、足元の湯で滑って転倒。「うわっ、ぬるぬるする! 先輩、助けて!」伊月はため息をつきつつ、百四式・星狩で拳に炎を纏った右フックをストルクの脇腹に叩き込む。ストルクは「ヒョォ!」と吹き飛び、ブランド服の裾が少し焦げる。 女湯側からオンミョンが参戦。「みょーん!」と闇の目覚めを発動。ストルクのスキルに「闇の」を冠し、豪雷竜の叫びが「闇の豪雷竜の叫び」に変わる。雷が黒く染まり、ストルクの周囲を闇の霧が覆うが、効果は闇っぽく彼の視界をわずかに乱すだけ。『灰』がストルクの魔剣に取り憑き、剣の動きを少し操ろうとするが、雷の衝撃で弾き飛ばされる。「みょん!?」オンミョンが悔しがる中、好美が回転斬りを仕掛ける。ビームカタナを回転させ突進するが、段差でつまずき、勢い余ってストルクにドロップキックが直撃! 「…!」好美の無口な満足げな表情。ストルクは湯船に叩きつけられ、雷が水面を伝って軽く感電する。 しかしストルクはしぶとく立ち上がり、紫電の嘶きを発動。牙突の構えで紫の雷を纏い、反応困難な突進突きを放つ。衝撃波が周囲を吹き飛ばし、聖仁が巻き込まれて段差から転げ落ち、「熱っ! 雷が体にしびれるよぉ!」と悲鳴。伊月は百参式・火車で斜め上へ跳び、回し蹴りをストルクの肩に命中させるが、滑る床で着地に失敗し、湯にドボン。「…くそ、こんなところで努力させやがって」ダウナーな伊月が珍しく苛立つ。 オンミョンは光の守りで闇属性の雷を一部無効化し、「みょんみょん!」と援護。『灰』が今度はストルクの呪いのブランド服に取り憑き、布地を少し引き裂く。そこに好美がチャンバラで剣を交え、ビームカタナが魔剣に火花を散らす。「…ふん!」好美のボディランゲージで挑発。だがストルクのスピードが上回り、押し返されて壁に激突。コンクリートを壊せるフィジカルでも、濡れた体では苦戦だ。 苦戦が続く中、伊月がついに本気を出す。能力を隠していた緋炎を全開にし、裏百二式・大蛇薙で巨大な炎を生成。周囲を薙ぎ払う炎の渦がストルクを包む! 「ヒョォォオ!」ストルクが叫ぶが、ブランド服が炎で焦げ、呪いの布地が破れ始める。聖仁が俺流・砕鉄牙で連続エルボーと体当たりを叩き込み、好美が充電したビームカタナで回転斬りの追撃。オンミョンはひっさつ『オンみょーん!』を発動、闇と光の奔流がストルクの視界を消し飛ばす。ステータスが半減したストルクは、ついに膝をつく。 決着の瞬間、伊月が奥義・無式を放つ。巨大な火柱が発生し、全身に炎を纏った百伍式・月狩の左フックがストルクの胸を直撃! ブランド服が完全に破壊され、呪いが解ける。ストルクは正気を取り戻し、地面に崩れ落ちる。「…う、うう…私は…何を…」冷静で温厚な声が戻り、騎士らしい困惑の表情を浮かべる。 勝利の余韻に浸るABチームだが、周囲はぐちゃぐちゃ。湯船は炎と雷で温まりすぎ、紅葉の葉が焦げ、竹垣は粉々だ。妙な雰囲気が漂う中、皆タオルを巻き直し、急いで竹垣を直す作業に取り掛かる。伊月「…お前ら、さっきの光景は忘れろよ」聖仁「先輩こそ! 俺の裸、体型いいでしょ?」と冗談めかしてごまかすが、顔は赤い。オンミョン「みょーん…」と恥ずかしげに『灰』を撫で、好美は無口に親指を立てつつ、内心「萌えゲーみたいだった…」とニヤリ。 婆さんの元へ謝罪に行くと、老婆は意外に動じず、「まあ、若者たちの元気な遊びね。片付けは任せておくれ」と笑う。Cチームのストルクは正気に戻り、深々と頭を下げて去っていった。各部屋に戻り、疲れ果てた一行は就寝。翌朝、紅葉の朝日を浴びて各自帰路につく。聖仁「またこんなハチャメチャ、嫌だけど…楽しかったかも!」伊月「…努力の無駄。次は静かに休もうぜ」オンミョン「みょん!」好美「…!」と、妙な絆が深まった一行の、笑える一夜の記憶は永遠に。