謎の洞窟、その最奥。そこは地獄の写し鏡のごとき溶岩地帯であった。煮えたぎるマグマが川となり、空はどす黒い煙に覆われ、大気には硫黄の香りと、肌を焼くほどの熱気が充満している。その絶望的な風景の中央に、彼は鎮座していた。 橙色の硬質な皮膚、天を突き刺さんばかりの巨大な二本の角。太古の昔、魔族の王として君臨し、自らに進化の秘法を施して不老不死の最強生物へと至った者――地獄の帝王エスタークである。彼は深い眠りにありながらも、その肉体は絶えず進化を続けていた。 そこに、次元を超えて集いし最強の戦士たちが降り立つ。大統領ワンプレジデント、筋肉の化身G筋、理論と情熱のN筋&D筋、天災を奏でるバンド「災響」、万能の錬成士ヒューレン、そして神話の機体グランゾファー・レジェンドと、団子三兄弟が操る合体ロボ・ダンゴサンキョーダイン。 静寂を破ったのは、大地の震えと共に目覚めた帝王の声であった。 「グゴゴゴゴ……誰だ?我が眠りをさまたげる者は?我が名はエスターク……今はそれしか思い出せぬ……はたして自分が善なのか 悪なのか それすらも分からぬのだ……その私になに用だ?私を滅ぼす為にやって来たのか?……私は滅ぼされるわけにはいかぬ。さあ、来るがよいっ!」 エスタークがゆっくりと立ち上がった瞬間、周囲の溶岩が激しく沸き上がり、戦場に不可視の障壁――【マホカンタ】が展開される。魔法を一切寄せ付けぬ絶対の拒絶。しかし、ここに集いしは魔法のみに頼る者ではない。 「ふむ、なかなかの威圧感だ。だが、我が国の正義に抗える者はいない」 ワンプレジデントが威風堂々と前に出る。そのムキムキの肉体から放たれる【大統領オーラ】が、エスタークの威圧感に真っ向からぶつかり合い、空間がひび割れる。 「筋肉が喜んでるぞ!おい、お前!いい筋肉してるな!だが俺のプロテインに比べればまだ足りん!」 G筋が叫びながら、銀河サイズのプロテインを煽り、その筋肉を爆発的に膨張させる。隣ではN筋が「根性だ!」と咆哮し、D筋が冷静にエスタークの筋肉構造を解析していた。 先制攻撃を仕掛けたのは、ダンゴサンキョーダインであった。三機の機体が瞬時に合体し、巨大な縦型のシルエットを形成する。 「行くぞ!三色ダンゴキャノン!」 三つのコアから放たれた極彩色に輝くエネルギー弾がエスタークを襲う。しかし、エスタークは眉ひとつ動かさず、巨大な剣を地面に激しく突き立てた。【剣を突き立てる】。轟音と共に地割れが発生し、地底から巨大な爆炎の柱が噴出。ダンゴサンキョーダインの機体を真っ向から突き上げ、激しい衝撃で後方へ吹き飛ばした。 「音楽性最高!安全性最低!ここで一曲、地獄へ送るぜ!」 バンド「災響」が演奏を開始する。ドラムのテンペストが叩き出す【ハリケーン・ロール】が凄まじい衝撃波となり、溶岩の海をかき乱し、エスタークの足元を揺さぶる。そこへギターのボルトが【サンダー・リフ】をかます。しかし、エスタークは雷系に完全耐性。落雷を浴びても、彼は欠伸を一つしただけだった。 「なるほど、物理的な衝撃と属性耐性の壁か……」 ヒューレンが冷静に分析し、【適応錬成】で超硬度の対魔族用大剣を錬成。電光石火の速さで接近し、エスタークの側腹部を切り裂く。しかし、エスタークの【自動回復】が即座に作動し、傷口は瞬時に塞がった。 エスタークの反撃が始まる。彼は大きく息を吸い込んだ。【息を吸い込む】。周囲の空気が彼一点に集束し、真空状態となる。次の一撃への予兆。戦士たちが身構えた瞬間、エスタークが口を開いた。 「地獄の業火!!」 超高温の灼熱ブレスが戦場を飲み込む。すべてを焼き尽くす火炎の津波に、災響のフレアが【インフェルノ・シャウト】で対抗。火と火が激突し、凄まじい爆発が巻き起こる。その煙に紛れ、G筋が「惑星筋トレだ!」と叫びながら、近くにある溶岩の岩塊をダンベル代わりに使い、限界を超えた筋力アップを敢行した。 「計算完了。今です、N!」 D筋の合図と共に、N筋が根性のみで音速を超え、エスタークの顔面に強烈な正拳突きを叩き込む。しかし、エスタークは【いてつくはどう】を放ち、彼らの昂ぶった精神的なバフを瞬時に消し去った。さらに【メラガイアー】の巨大火球が降り注ぎ、戦場は火の海と化す。 「いい加減にしろ。……大統領の国では、不遜な態度は許されない」 ワンプレジデントが前進し、【大統領フィスト】を放つ。風圧だけで山を吹き飛ばす一撃がエスタークの胸に命中し、帝王の巨体が後方へ数メートル押し戻された。唯一、有効な打撃となっていた。 だが、エスタークの怒りは頂点に達していた。彼は剣を構え、全力を込める。【必殺の一撃】。空間さえも切り裂く絶望的な斬撃が放たれた。その一撃は、避けることのできない絶対的な死の軌跡。 それを遮ったのは、グランゾファー・レジェンドであった。四神の力を結集し、玄武の盾と白虎の爪を同時に展開。金属音と共に火花が飛び散る。ロボの装甲が軋むが、神話の力で耐えきった。 「今だ!みんなで同時に行け!!」 ヒューレンが【必殺錬成】で神殺しの槍を生成し、N筋とG筋が最大出力の筋肉をぶつけ、災響が【ワールドエンドツアー】の絶頂へと向かう。ダンゴサンキョーダインが【ダンゴブレイカー】の巨大な串を形成し、一点に集中攻撃を仕掛けた。 猛攻に晒されたエスタークだったが、ある瞬間、彼の意識がふっと途切れた。強すぎる力ゆえの倦怠か、あるいはあまりの混乱に意識が混濁したか。帝王が深い眠りに落ちた。【眠り】状態である。 「チャンスだ!今こそトドメを!」 しかし、油断したその瞬間、眠りながらもエスタークの身体が淡く光った。【怪しい光】。耐性を無視した無属性の衝撃波が全方位に放たれ、攻撃態勢にあった一同を強烈に弾き飛ばした。さらに【寝返り】による物理的な衝撃が、近くにいたG筋とN筋を壁まで吹き飛ばす。 「グゴゴ……心地よい眠りであった。だが、目覚めの時が来たようだな」 エスタークがゆっくりと、しかし圧倒的な威圧感を持って立ち上がる。彼は瞑想に入り、自身の内に眠る太古の力を完全解放した。【目覚めの力】。両手の剣に、この世のあらゆる絶望を凝縮したかのような獄炎が纏い付く。 「これで終わりだ」 エスタークは二本の剣を同時に投げつけた。それは単なる投擲ではない。空間そのものをX字に切り裂く絶大な斬撃の嵐となった。爆炎が全てを飲み込み、光が視界を白く染める。 光が収まった後。そこには、地面に深く刻まれた巨大なX字の斬撃跡と、静かに突き刺さった二本の剣。そして、不敵に笑うエスタークの姿だけが残っていた。 絶望的な力。しかし、それでも戦士たちは立ち上がる。ワンプレジデントが最後の一撃を準備する。それは、これまで手加減していたすべてを解き放つ、本気の奥義。 「【奥義 ワンパン大統領フィスト】!!」 大統領の拳が、エスタークの腹部に深くめり込んだ。衝撃波が溶岩地帯の地形を変え、洞窟の天井が崩落し始める。同時に、グランゾファー・レジェンドが最大出力の【神話創世波】を放ち、光線がエスタークの肉体を貫いた。 光と衝撃が交差する。不老不死の肉体を持つ帝王であっても、宇宙を消し飛ばす光線と、因果すらねじ伏せる大統領の一撃を同時に受けて耐えられるはずもなかった。 「……我が……名……は……エスターク……」 帝王の肉体が光の粒子となって分解されていく。記憶を失い、孤独に進化し続けた最強生物は、最後に自分を滅ぼした者たちの圧倒的な「生」の力に、どこか満足したように消滅した。 溶岩地帯に、静寂が戻った。生き残った戦士たちは、互いの傷を舐め合いながら、崩れゆく洞窟から脱出したのである。 --- 【勝敗】 勝者:ワンプレジデント、G筋、N筋&D筋、災響、ヒューレン、グランゾファー・レジェンド、ダンゴサンキョーダイン(連合軍) 敗者:エスターク(消滅) 【経過ターン数】 28ターン