四方を取り囲む高層ビルが立ち並ぶ、サルトラムのダウンタウン。商業施設と飲食店が軒を連ねる繁華街は、いつもと変わらないノイズに包まれていた。しかし、その平和は一瞬で破られた。エーテル麻薬により暴走した中毒者が、狂気の叫び声を上げながら街を彷徨っていたのだ。彼の筋肉は異様に膨張し、皮膚は部分的に黒くなり、不気味な姿で人々を脅かす。血走った目と泡を吹く口、そして電柱をへし折る怪力を持った中毒者は、あらゆるものを敵とみなして襲いかかってくる。 その様子を遠くから見つめる影があった。彼の名前は「A-20-QB」キュービー。黒を基調にしたロングコートを身にまとい、狐面をかぶった彼は、ただ静かにその場の光景を見守っていた。九本の機械の尻尾を用いて周囲の様子を探りつつ、中毒者の暴走を止めるべく動くことを決意した。 「まとめて刈り取ってやる」 キュービーは一歩前に出た。彼の尻尾が巧みに動き、周囲の障害物を捉えつつ、敵に近づいていく。この瞬間、彼のテンションの低い声が響いた。「磔刑」 中毒者は、気付くこともなく、キュービーの尻尾に拘束され、もがく。彼は無為に暴れ、唸り声を上げ続けていたが、キュービーの尻尾はその動きを封じた。隙を突いて尻尾に装備していたナイフが輝く。 「さぁ、死んでくれ」 鋭いナイフが中毒者の肉体に突き刺さり、無数の傷が生まれる。だが、それでも彼は止まらない。むしろ、その狂気は増していく。彼は「叫喚」を放ち、その咆哮の中にエーテルを含ませた。キュービーは圧力の波に吹き飛ばされる。「くっ…!」 再び立ち上がったキュービーは、冷静さを失うことはない。彼は「結界」を発動させ、身体を守る。襲いかかるエーテルの波動は尻尾によって弾かれ、ただの音として消え去る。 「いくぞ、もう一度」 再び「磔刑」を放とうとしたその矢先、目の前で中毒者は「跳躍乱撃」を見せた。彼は高く飛び上がり、キュービーに向かって襲いかかる。初めは避けきれなかったが、運良く1度目の攻撃は躱した。しかし、次の瞬間、空中からの二撃目が直撃した。 「ぐあっ!」 直撃を受けたキュービーは地面に倒れ込み、尻尾を使うこともままならない。このような状況で、彼のテンションはますます低下していく。一瞬の隙をついて中毒者が迫る。「終わらせてやる」 致命的な一撃が振り下ろされようとしたその瞬間、何かの影が彼ら二人の上空に現れた。その影は間違いなく、圧倒的な力を持つ存在を示していた。 「愚かなッ!」 合体ザマスであった。彼は高く舞い上がり、空を支配するかのように現れ、キュービーと中毒者の戦いを見下ろしていた。無表情で彼らの姿を見つめ、その冷酷な瞳は人間への憎悪をたたえていた。 「お前達が我にもたらした数々の屈辱… 死に値する罪だ!!」 その声に呼応するように、絶対の雷が彼の指先に滞留した。 「この時を待っていた…」 合体ザマスは、すべてを壊滅させる怒りに満ちていた。中毒者は逃げ場を失い、ただ暴れ続ける。しかしその形相は、合体ザマスの冷徹な意志の前では完全に無力であった。合体ザマスの放つ光の壁が、彼の力を阻む。 「もう終わりだ、すべてを焼き尽くす」 合体ザマスが発動した「絶対の雷」が、空から火花のように降り注いだ。報いを受けているのは、誰かの執念によるものなのだろう。 キュービーは必死で尻尾を操り、最終的には「Queen-B」を発動させ、妨害を試みたが、すでに遅かった。圧倒的な破壊力が周囲を覆う。 「新たな時代の息吹をこの星に宿せ」 その言葉と共に、絶対の雷は全ての存在を一瞬でトドメを刺した。 静寂が訪れ、サルトラムのダウンタウンはただの廃墟と化していった。 【勝者】不死にして最強の神 合体ザマス