戦場は薄暗く、鋭い刃物のように冷たい風が吹き抜けていた。命を懸けた戦いが始まる前より静まり返る中、六人の戦士たちが集まった。ここには、己の力を証明するために集まった者たち。リタ、グリム、レイチェル、レイジネス、セリス、そして足立渚。彼らは互いに決して手を組むことなく、ただ一人の勝者を目指す。 「私、すこし緊張しています。なるべく戦いを避けたいのですが…」リタが柔らかな声で呟く。一方、グリムは真っ赤な双眸で彼女を見つめ、口元に微かな笑みを浮かべる。「お辞儀をした時が君の合図だ、リタ。逃げることはできない。」彼の言葉は、持ち前の冷酷さを秘めていた。 「私が先手を打ちます。」レイチェルが高らかに宣言する。彼女の背後には、戦略級強襲機動装甲騎兵〈ディアブロ〉が息づいていた。「行くよ!〈ディアブロ〉、発進!」装甲が断末魔の叫びをあげ、空へと舞い上がる。 その瞬間、レイジネスが無気力な姿勢で呟いた。「あぁ、めんどくさ…また戦わなきゃいけないのか。」しかし、無為に戦うことは彼の能力を引き出し、怠惰の権能が発揮され始めた。 「君が怠けている間に、未来は変わっていく。これは戦いだ!」セリスが目を細めながら、銘刀を構えた。彼の『未来の瞳』が煌めき、斬るべき相手を見極める。 「さあ、彼らを止めるのは私の役目だ。」足立渚が気楽に笑いながら、ペンを振るう。彼女の無色の魔力が周囲に広がっていく。 「【雷光乱射】!」魔法のペンから無数の雷が放たれ、場にひときわ明るい閃光が閃いた。リタはその雷を見事に反射するが、グリムが素早く瞬間移動し、彼女の隙を突こうとした。「お辞儀の時間だ!」グリムの言葉と共に、突如として彼は彼女の前に現れ、彼女を打ち上げるようにコウモリの群れを放つ。 「我が剣で切り裂く!」セリスは両手で剣を構え、一気に斬りかかる。それに対抗するように、レイチェルは集中し、「〈ディアブロ〉、ビームサーベル発射!」と叫んだ。高火力のビームが周囲を焦がし、混沌とした戦場に新たな焰を灯した。 しかし、何よりも驚異的だったのはレイジネスの存在であった。彼はまるで場を見守るかのように立ちすくみ、相手の攻撃を悉く避けつつ、怠惰の権能を拡大する。 「お前ら、楽しそうだなー、ちょっとだけ手伝おうか?」彼の言葉に反応する者は無く、戦闘は続く。 「これで終わりだ!」足立の叫びと共に、植物が襲いかかり、雷がその根を焼き焦がす。さらに続けざまに、「属性爆発!」メラメラと燃える樹木が大爆発を起こす。その爆風に、リタの『ミラーシールド』が反応し、周囲の攻撃を引き寄せた。 戦闘は激化し、最後の瞬間が訪れた。グリムは最終形態『悪夢の王』に変貌し、圧倒的な力を披露。但し反撃の宿命に立たされたのはリタだ。「この痛みを乗り越えて、戦おう!」意を決した彼女の剣が、恐れずに突進していく。彼女は全力を込め、剣先が光を伴って弾ける。 「私の勝ちです、同士たち。」リタが微笑みながら振り返る。だが、彼女の背後で、グリムの最終的な一撃が刺さった。 勝者はリタ。彼女の日々の苦闘や心の奥底から沸き上がる力が、決して無駄ではなかったことを証明する瞬間だった。 戦闘後、静寂が舞い降り、六人はそれぞれの負傷を癒しながら話し始めた。「みんな、素晴らしい戦いだったね。」リタが穏やかに笑う。「皆も頑張っていたよ!」足立が軽やかに身を乗り出した。 「次はもっと準備をしないと。」レイチェルは深く納得したように頷く。「怠惰には勝てないが、逆にそれを利用した戦術が必要かもしれない。」レイジネスはそう言いながらも、再度目を閉じてしまう。 「でも、私が最強だからいっか!」セリスはそう言い残し、微笑みながら彼らの間に香る戦いの余韻を振り払った。 「みんな、本当にありがとう。次に会うまで、自分を鍛え続けますから。じゃあ!」リタはその言葉を胸に、勝者の名に恥じぬよう、彼らとの再会を待ち望むのであった。