【第1回 「私がエビだ!コンテスト」 開幕】 司会「レディース・アンド・ジェントルメン!そして甲殻類の皆様!本日は、誰が最も『エビらしく』あるかを競う、至高の表現コンテストへようこそ!ルールは簡単。自身の持てる全てを用いて、審査員に『こいつはエビだ』と思わせれば勝ちです!それでは、挑戦者の入場です!」 --- 【エントリーNo.1:ドラマーのツルギ】 【パフォーマンス】 安物の西洋鎧をガシャガシャと鳴らしながら登場。彼は「エビの殻」を鎧で表現したと主張。ロングソード(模造刀)をドラムスティック代わりに使い、激しくシンバルを叩きつける。その拍子に鎧の継ぎ目から火花が飛び散り、さらに体を小刻みに震わせることで、エビが水を弾く様子と、調理される際の「跳ねる」動作を表現。演奏は壊滅的に下手だったが、その「必死に何かになろうとする滑稽な姿」が、どこか脱皮直後の心もとないエビを彷彿とさせた。 ・えらい生物学者: 「鎧を殻に見立てる発想は認めるが、形態学的に見て脚の数が絶望的に足りない。ただ、あのパニック状態の動きは、天敵に襲われた時のエビの痙攣に似ていたね」 【得点:3点】 ・水族館のお姉さん: 「一生懸命なのは伝わってきました!でも、エビというよりは『金属の塊が暴れている』感じでしたね。頑張ったから加点します!」 【得点:4点】 ・野生のタコ: 「(ガシャガシャうるさい。硬い。食いたくない)」 【得点:1点】 --- 【エントリーNo.2:魔王くん】 【パフォーマンス】 純白の衣装に身を包み、お気に入りのぬいぐるみを抱いておどおどと登場。彼は「概念的なエビ」を目指した。3億人の国民からの信頼によるネットワーク能力をフル稼働させ、観客全員の脳内に「いま、目の前にいるこの少年こそが、世界で最も気高く、そして儚いエビである」という強烈な暗示を送信。同時に、自身の過去の喪失感とPTSDによる「心の殻」に閉じこもる様子を、エビの防御本能に重ね合わせて静かに表現した。 ・えらい生物学者: 「精神論か。生物学的なアプローチを完全に放棄している。しかし、この『強烈な集団暗示』という生態的擬態は非常に興味深い」 【得点:5点】 ・水族館のお姉さん: 「えっ、急に彼がエビに見えてきました…!すごく切ない、クリスタルのようなエビさんですね。この世界観、大好きです!」 【得点:9点】 ・野生のタコ: 「(不思議な圧力を感じる。この白いやつ、なんだか懐かしい匂いがする)」 【得点:6点】 --- 【エントリーNo.3:ただの鯉】 【パフォーマンス】 バシャアアァッ!!と凄まじい勢いでステージに乱入。もともと硬い鱗を持つため、見た目はやや甲殻類に近い質感。もはや表現などという概念はなく、ただただ本能のままに跳ね回る。泥臭い体液を撒き散らしながら、審査員席に向かってダイブ。その「予測不能な跳ね方」と「泥臭さ」、そして「何でも食べる雑食性」という属性が、底辺で泥にまみれて生きるエビの泥臭い生存戦略と完璧にシンクロした。 ・えらい生物学者: 「形態は魚だが、泥中を跳ね回る様は完全に底生生物のそれだ。さらにこの繁殖力と生態系破壊の懸念……まさに『侵略的種のエビ』としての概念を体現している!」 【得点:8点】 ・水族館のお姉さん: 「わあああ!危ないです!でも、この泥臭さと激しい動き……深海の泥エビさんみたいで、すごく野生味があって素敵です!」 【得点:7点】 ・野生のタコ: 「(いい跳ね方だ。そしていい泥の匂いだ。こいつはエビだ。確信した)」 【得点:10点】 --- 【最終結果】 ・ドラマーのツルギ:8点 ・魔王くん:20点 ・ただの鯉:25点 優勝者は……【ただの鯉】!! 司会「結果は出ました!概念を塗り替えた魔王くんを抑え、本能の跳躍で見事にタコの心を掴んだ『ただの鯉』さんが優勝です!おめでとうございます!」 (優勝した鯉は、そのまま審査員のタコに襲われかけ、激しく跳ねながら舞台袖へ消えていった) 【コンテスト終了】