街中は異様な緊張感に包まれていた。突如として現れた「隠者の獣」とその率いる獣たちが、人々に恐怖をもたらしていた。逃げ惑う市民の喧騒の中、二人の勇者、火の魔術師トワイスと青龍の血を継ぐ剣闘士青涼真は、それぞれの立ち位置で挑む準備を整えていた。 「私の魔法は今、準備完了よ!」トワイスは杖を高く掲げ、元気に叫んだ。彼女の目は興奮に輝き、すでに戦闘モードに入っていた。彼女は古代魔術を使いこなす魔術師であり、それだけでなく、詠唱中に他の魔術を使用できる驚異的な能力を持っていた。彼女の隣には、身のこなしが鋭い青涼真が立っていた。守護者の如き力強さで、彼は冷静に周囲を観察している。 「まずは前衛を制圧する。お前はその隙に後衛のサポートを頼む。私が前に出るから。」青涼真は柔らかい声だが、そこには確固たる意志が宿っていた。 「任せて、青涼!」トワイスは、肩を鳴らしながら笑顔で頷いた。 その瞬間、街の片隅から「隠者の獣」が姿を現した。二足歩行の蜥蜴のような姿、布で覆われた顔は不気味で、その四本の腕には凶器のような剣や鎖が握られていた。だが、トワイスの目には恐怖はなく、むしろ好奇心が宿っている。視線が合った獣は唸るだけで言葉を発せず、同時に周囲の静寂を切り裂いた。 「きたわよ!」トワイスは杖を地面に突き立て、魔力を集める。空が輝き始め、彼女の詠唱が響く。「スートチェンジ、♤風から!」 不可視の風の刃が敵の群れに向かって放たれ、切り裂くように駆け抜けた。その風は獣たちの皮膚を裂き、苦痛の声をあげさせた。しかし、「隠者の獣」はただ黙って、恨めしげに彼らの方向へ突進してきた。見事な身のこなしで敵の風の刃を避けながら、彼はその存在感を放っていた。 「青涼、行くぞ!」トワイスは次の魔法を詠唱し始めた。 「♢炎、超高温の炎で!」 トワイスの杖から炎が迸り、広範囲に燃え広がり、複数の獣を焼き尽くす。焼け焦げる匂いが街中に広がった。 「これだ!」青涼真はすかさず前へ出る。彼は青龍の翼を広げ、長剣を高く掲げた。これが彼の戦い方、攻撃をかわすために瞬時に間合いを詰め、一瞬の隙を突くのが得意だ。 蒼い光を纏った長剣は、まるで青龍そのものが宿っているかのように輝いていた。「龍流天舞・楼!」 青涼真はその長剣を振り回し、獣たちをふっ飛ばした。彼の攻撃は一撃必殺であり、獣たちはその圧倒的な力によって次々と倒されていく。獣たちの断末魔を聞きながらも、彼の顔には一切の恐怖がなかった。むしろ、戦いの高揚感に包まれている。 混沌とした戦場の中、トワイスは彼女の魔法を次々と展開した。「次は♧地、隆起した大地で攻撃を相殺する!」 地面が隆起し、獣たちの動きを封じこめる。地面から飛び出した岩の尖らは、獣たちを貫くかのように勢いよく突き刺さり、彼らは身動きが取れなくなった。これぞ、トワイスの熟練した魔術による戦術だ。彼女の的確な指示で青涼真もさらに攻撃に加勢:。 「まだ終わらんぞ!」その声が大地を揺るがし、青涼真は全力で突進する。「青天霹靂!」 彼の一撃は空から激しい衝撃波を生み出し、周囲の獣たちを貫通していく。その様子を見たトワイスは、彼の豪快さに感心しつつも、次の魔術を詠唱し続けた。「最後に、私の切り札を行くわ。禁術・神罰!!」 「何をやる気だ?」青涼真は一瞬驚き混乱したが、彼女の真剣さを感じ取り、戦闘の流れを切り替えるべく周囲を気にした。 「ちょっと待って、それは危険すぎる!」青涼真が叫ぶも、トワイスは既に魔法の濃厚なエネルギーを周囲に放出し始めていた。眩い光が空を切り裂き、全ての者に等しく裁きを与えようとする。「私の力を受け取れ!」 その瞬間、空が煌めき、巨大な光の柱が獣たちに向かって降り注いだ。周囲の風景が一瞬で変わり、絶望的なダメージを感じた獣たちは逃げることすらできず、光の刃に飲み込まれていった。 「いよっしゃ、やったぞ!これなら一気に片付く!」トワイスは燃えるように興奮し、青涼真も満足気に頷く。 果たして、その光は全ての隠者の獣とその仲間を一掃し、周囲には静けさが戻った。戦闘の後も続く落ち着きの中、二人は、これからのことを話し合った。彼らは深い息を吐き、安堵の表情を浮かべる。それでも、同時に多くの獣たちが倒されたことを実感していた。 「私たち、やったね!」トワイスの歓喜の声が、静まり返った街に生き生きと響いた。 「エネルギーが残っているうちに、敵を全滅させたようだ。結果的に、獣たちの数は・・・」、「ああ、そうだな。」彼は周囲を見渡し、倒れた獣の数を確認した。 そこには、地面に横たわる獣たちが多く、少なくとも十数体は確認できた。決して少ない数ではないだろう。 「18体!」トワイスは笑顔でその数を伝えた。青涼真は頷き、戦うことの重要性を再確認した瞬間だった。ついに、彼らの戦闘が完了したのだ。 そして、戦闘の終わりを告げるランプの明かりの中で、二人は喜びを分かち合った。彼らの絆は、今回の激闘によって一層深まっていた。 { ・撃破した「獣」の数(18) }