戦場は、青く広がる空の下、ざわめく森の中に設けられた。太陽の光が木々の間からこぼれ落ち、柔らかな緑色の影を作り出している。一方、その森の奥には、厳かに佇む一体の食虫植物、グラトニアープが待ち構えていた。その巨大な姿は、見上げるほどの高さで、無数の棘蔓を自由に動かしている。 対するは、勇者の姿をした男、忘れ物の多い勇者だ。豈も彼の手には剣が握られているが、何やら忘れ物をした様子。彼は不安げに周りを見回し、「敵!?…ってこういう時に限って盾が無い!」と叫んだ。 忘れ物の多い勇者は戦闘の準備をしつつも、頭の中で思い出す。「盾の代わりに、何かアイテムは…ああ、回復薬も持ってくるのを忘れた!」 グラトニアープは唸り声を上げ、棘蔓をしならせながら、勇者に迫った。強烈な毒を吐き出し、勇者を縛りつけようとした。 「くっ、こんなのは初めてだ!」勇者は思わず、後方に跳び退いた。素早い動きで避けたが、毒の霧は彼の眼前で幾筋もの道を作り出していた。取得した筈の回避スキルが必要とされる瞬間だ。 しかし、棘蔓は次々と彼めがけて飛んでくる。一本の棘蔓が彼の横をかすめ、血に色づく傷をつけた。これには勇者も驚き、かろうじて立ち直る。この瞬間、「やばい」と思い、彼は閃光斬撃波を放つことにする。剣から放たれた半月状の斬撃は、吸い寄せられるように棘蔓に命中し、その一部を粉々に打ち砕いた。 「よし、いける!」と言うや否や、グラトニアープはさらに大きな咆哮を上げた。彼のわずかな優位を迅速に覆そうとするかのように、その無数の蔓が一斉に攻撃に転じた。 今度は勇者に向かって猛速で突進してくる棘蔓たち。彼は「ガードブレイカー!」と呟き、大振りの袈裟斬りで応じると、彼の力が限界を超えたかのように、一発目の斬撃がグラトニアープの根元に痛烈に命中した。 「まだまだ!」勇者は互いに力を込めて攻撃を続けていたが、後ろから伸びた棘蔓が彼の足を捉えた。「あっ、床が動いてる!?」 ここで、グラトニアープは餌を求め、勇者の剣を喰い尽くすようとする。「がっ…!剣が…!」勇者は苦しむが、彼の闘志は消えない。「最後はこれだ!」と叫びながら、「閃光斬撃波!」を再び放ち、棘蔓の一つは冷光に包まれ、咲き乱れるように粉々になっていく。 しかし、強大な棘蔓たちの攻撃は続く。ついに、グラトニアープの毒液が再び彼に当たり、彼はふらふらとしつつも立ち続ける。「無駄無駄、もう終わりか?」 だが、忘れ物の多い勇者は、必死に谷の向こう側に足を運び、残された剣を振り下ろした。これが決定打だった。流れるように飛びかかる棘蔓たちを斬り捨て、彼は彼の使命を果たした。かくして、グラトニアープはついに敗北し、同時に食虫からの解放を迎えた。 「忘れ物の多い勇者は強かった…!」 一瞬の静寂が流れ、やがて声が上がる。 「うん、シュンカ!また覚えた!」彼の言葉に、他の皆も口々に称賛の声を上げる。この戦いの中、彼は決して諦めない勇者の証を見せつけたのだった。 結局、勝利をつかんだのは、忘れ物の多い勇者のチームBであった。