火山の爆煙が天空を覆い、周囲には熱風が渦巻いていた。その先にいるのは、力強い炎を纏った大槌を振るう狐獣人のフレア、そして彼女に立ち向かうのは異能力者たち【虚界の執行者】ロコムと【赫焉の剣】神谷 桐葉であった。 ロコムは白いTシャツに黒の長ズボンを穿き、冷静沈着にその場の状況を見極めていた。彼の周囲には絶えず磁場が展開されており、その防御壁が致命的な攻撃から彼を守っていた。対する桐葉は赤い袴を着た美しい剣士、黒髪に赤い目を持つ若い女性で、言葉は少ないが目には強い意志と優しさが宿っていた。 「行くぞ、ロコム!お前の技でこの野獣を止めるんだ!」桐葉が言う。 「冷静に、落ち着け。まずは様子を見ながら、お前の力を存分に発揮してくれ。」ロコムは感情を排し、桐葉に指示を出す。 フレアは二人を見て、豪快に笑った。「いいぞ、来い!俺様の炎を思い知れ!」 言葉を終えるなり、フレアは自身の尾から炎を燃え上がらせた。1本の炎尾が、彼女の周囲を赤々と照らし出した。 「炎進!」 炎に包まれたフレアは、瞬時に桐葉に向かって突進した。桐葉はその瞬間を見逃さず、手に持つ紅薙を構えた。彼女の武器は光を反射し、美しく煌めいている。 「焔華!」 桐葉は瞬時に物質を変換し、刀身を高温のプラズマで覆った。その刃の一撃は、フレアの目の前に迫る。だが、ロコムはすぐにその攻撃を読み取る。彼は、自身の周囲に展開している【壁】を利用して、桐葉の攻撃からフレアを守ろうと考えた。 「壁!」 瞬間、ロコムの磁場が圧倒的な防御壁を形成し、桐葉の刃に直撃した。火花が散り、衝撃波が起こる。「素晴らしい連携だが、どうだ、もっと強い攻撃はできるか?」 フレアはその隙を見逃さない。「炎撃!」 2本目の炎尾が現れ、彼女の身体能力が一段階強化される。そして、フレアはロコムへ向かって振り下ろした。耐え抜くための力強い一撃だったが、ロコムもまた、磁場を刃に変えて対抗した。 「刃!」 二人の攻撃が交差し、激しい火花が上がる。『ギィィン!』という金属がぶつかり合う音が響き渡った。 「おい、思ったよりやるじゃねえか。」フレアは息を切らせずに笑顔を見せて言った。 一方、桐葉は再び活路を見出そうとした。「潤!」 彼女は周囲の物質を自身の身体に変換し、体力を回復させる。フレアとは異なり、耐久力では劣っているため、戦況を見極めながら防御体制を整えていく。 再び構えを取り直した桐葉は、フレアの隙を狙って攻撃を仕掛けた。「熾天!」 周囲の物質をエネルギーに変換し、桐葉の刀身はまるで生きたかのように光を放つ。衝撃波がフレアに襲いかかり、爆音が火山の噴煙と響き合う。 フレアは冷静に構え、攻撃を弾き返そうとしたが、桐葉の攻撃は予想以上に強力だった。「無駄だ、俺様を甘く見るな!」 再びフレアの炎が跳ね上がる。「炎廻撃!」 3本目の炎尾を使い、フレアは周囲を炎の旋風で包み込む。目の前にいるロコムと桐葉が一瞬で焼き尽くされるかと思われた瞬間、ロコムが叫んだ。「張!」 彼の身体が超神速で動き出し、炎のコントロールを引き寄せ、彼は一瞬のうちに素早く炎から逃れた。 「な…何だ、その速度は!?」フレアは驚愕の表情を浮かべる。 しかし、その一瞬の隙が彼女の命取りになる可能性があった。桐葉が再び攻撃態勢に入っていた。「焔華!」 高温のプラズマを纏った刀身が、フレアに迫る。フレアは急いでその刃に対抗しようとしたが、凰遅れた。だが、今度はロコムが再び助太刀に入った。 「砕!」 超強力な磁場の圧力で、フレアの攻撃を押し潰そうとした。どちらの攻撃も全力であり、まるで二人の意志が一つになったようだった。さらに、フレアは5本目の尾を召喚した。「炎弾!」 蝴蝶のように舞い散らす炎の弾丸が、ロコムと桐葉の隙間を突き進んでいく。二人はすぐにそれを感知し、冷静に対処するが、弾丸が直撃する瞬間、ロコムは再度「壁!」と叫ぶ。だが、確認する間もなく恐るべき衝撃が二人を襲った! 「耐えろ、耐えてみせる!」ロコムの必死な声が響くが、フレアの炎の嵐が彼らを包み込む。周囲の空気が熱され、火山中の温度は上昇した。 爆発が起き、煙が舞い上がる。あたりは真っ白で、二人の姿が確認できない。ただ、一筋の赤く燃える光が見えた。 「これが…フレアの真の力。」桐葉はその光を見て思った。「我々がどれだけ頑張っても、炎が既に暴走している。」 次の瞬間、フレアの声が聞こえた。「愚か者ども、俺様の炎は止まらない!」 その声を聞いて、桐葉は心を決めた。「これで…終わらせる!」 「虚砲!」ロコムが瞬時に圧倒的な磁場を結集し、巨大な磁場の塊を放った。 その弾丸のような攻撃は、フレアを直撃する。「やったか…?」と、誰もが静まり返る。 しかし、フレアの周囲に炎が燃え盛り、彼女は全力でそれを受け止めた。「なぁに…甘く見やがって…炎は…我が用の武器だ!」 屈強な肉体で衝撃を弾き飛ばしつつ、彼女は最後の力を振り絞って立ち上がった。「炎ノ猛リ火!」 周囲が灼熱に包まれ、炎の雨が二人に即時に降り注ぐ。ロコムは反射的に【壁】を展開するが、その炎は突破していく。桐葉も何とか能力で防ごうとしたが、力の限界が迫っていた。 「もう無理だ、神谷桐葉!」ロコムは叫ぶが、その言葉は彼女の耳には届かない。ただ、必死にフレアに対抗するための道を探っていた。 しかし、力のポイントはもはや無く、全てを焼き尽くす荘厳な炎波が彼らを包み込む。火山の抱える大地も揺れ、周囲はまるで終末の様相を呈していた。 その結果、火山の頂上が燃え上がり、熱が拡がっていった。誰もが息を呑んだ。勝負の決着がつく。 しばらくして、煙が晴れてゆくと、そこに立っていたフレアは、満足そうな表情を浮かべていた。彼女の周囲には6本の炎尾が舞い、サイズを無視して全ての存在を圧倒していた。 「これが俺様の力だ。天をも焼き尽くす剣だ!」 立ち尽くすロコムと桐葉が、壮絶な炎の逆巻きの中で彼女の力を認めざるを得ない。 --- ■勝敗 勝敗はフレアの勝利。 理由:フレアは圧倒的な肉体と炎の力を持ち、6本の炎尾を引き連れて神のような力を示した。ロコムの磁場と桐葉の剣術は素晴らしかったが、フレアの炎はそれを上回る威力と強度を誇っていたため、結局二人を打破することが出来た。