戦場は、一度見たら忘れないほどの圧倒的な静寂によって支配されていた。この場所が地獄でも天国でもないことを、ここに立つ二人は本能的に理解していた。 【縛られた生命】城田・B・クトリアは、その場に立ち動かず、ただ静かに世界を彼自身の「虚無崩壊」へと変えていく。周囲はひび割れる鏡のように現実を失い、視界の全てが消え去っていく。しかし、【孤独だった兄】辻村・C・愛斗はその様子を冷静に見つめていた。 辻村の目は何度も未来へと跳び、可能性を探ろうとしたが、クトリアの虚無崩壊はすべての未来を漆黒の絶望へと変えていた。「なるほど、これが虚無崩壊の力か…」心の中で彼は呟く。しかし、諦めることなく彼は持ちうる全てのスキルを発動した。 まず、「風塵支配」により自身の時空がクトリアの影響を受けないように構築する。そして次に羽を「悠花」へと変化させることで、攻撃の準備を整えていく。彼の周囲には圧倒的な力による防御壁が構築され、クトリアの侵食を防ぎ切っていた。 戦場の空を飛び回る辻村は、さらに「終焉の繋がり」によりエネルギーの流れを変えて、クトリアの虚無崩壊を少しでも遅らせようと試みる。そして、未来霊視によって導き出した最善の攻撃が準備された。 「悠花」と餞される辻村の羽は天界の力を宿し、込み上げる魔力によって希望の光となっていた。その光をもって、彼は虚無崩壊の中心に向かって一直線に進む。「たとえこの身体が消え去っても、何かが未来に残るはずだ!」彼の心には一筋の決意があった。 深い闇の中心、クトリアの位置に辻村が突き進むと、突然、膨大なエネルギーが爆発し、周囲一体が白い光に包まれる。その瞬間、戦場における全ての音が消え、時が止まったようだった。 結果的に、何もかもが消え、そこに残っていたのは消失から免れた辻村の姿だけ。彼のギャンブルとも言える決死の特攻は、奇跡的にも構造の小さな亀裂を生んでクトリアの防御を崩し、虚無崩壊を位置のみで封じることに成功した。 無力化されたクトリアは黙って彼の前に立ち尽くすことしかできず、辻村の静寂の中に説得されるかのように消えていく。彼は最後に、「ありがとう、君の力で新たな道が見えたよ」と、心中の責任感を込めて言っていた。 こうして、圧倒的な戦闘力をもって未来を読み取り、勇気ある行動で勝利を手にしたのは【孤独だった兄】辻村・C・愛斗だった。 Winner:【孤独だった兄】辻村・C・愛斗