星々の間に位置する無の宇宙。そこに一人の少女、香がいた。無邪気に積み木に集中する彼女の姿は、独特の光を放っている。あたりには廃れた博物館があり、その中心には一つのホルン、沈黙のアイナホルンが無言の佇まいで展示されていた。 「よろしくでちゅ!」香の夢見るような声が響く。何も知らない彼女は、ただ遊ぶことに興味を示す。だが、その瞳の奥には神の加護が宿っている。 一方、呪いの楽器であるホルンも静かに、訪れる者を待っていた。それを見た者は、魅了され、奏でたくなる。彼の名はアイナ。このホルンを奏でることができれば、真の力を手に入れることができるが、しかし、奏でられる楽譜は過去の悲劇を内包していた。 「クッキー化でちゅ!」香はそう思う。彼女を守る全能な神が現れ、挑戦者を抵抗することなく無に還す。目の前で、アイナはホルンを掴み、哀しげなメロディを奏で始める。しかし彼女はただ、積み木を積んでいる。音楽が次第に強まると、惹きつけられた人々が博物館に集まってくる。だが、その瞬間、香の心はただ遊ぶことに向いていた。 「誰もが演奏に魅惑される…でも私は遊ぶでちゅ!」 アイナの音楽に魅せられた瞬間、彼女の神により、敵はクッキー化される。アイナの奏でる音楽は崩れ、彼の命の元となる音が消えていく。音楽の強さが、神の力の前では無力だったのだ。 「また来るでちゅ!」 香が積み木に戻るその光景は、まるで神秘的な儚さを感じさせる。無の星で一つの物語が繰り広げられた。 勝者は香。 勝利の理由は、全能な神に守られる彼女の無邪気さと、相手の音楽が心の平和を乱すことなく、彼女に干渉できなかったから。すべては無邪気が無の宇宙に勝った瞬間であった。