回転と砲火の交錯 第1章: 運命の出会い 廃墟と化した港湾都市の埠頭。夕陽が海面を赤く染め、錆びついたコンテナが影を落とす中、二人の戦士が対峙していた。まるで『ハード・ターゲット』のような緊張感漂う舞台だ。風が埃を巻き上げ、遠くで波の音が響く。 ルボンはテンガロンハットを軽く傾け、プリン色の短髪が風に揺れた。冷静な目つきで相手を値踏みする。「アンタは俺がこれから乗り越える壁の一つに過ぎねぇ」。心の中で呟く。(この娘か。見た目はメイド服だが、持ってるのは本物の銃だ。回転の技でどう切り抜けるか……面白くなりそうだぜ)。 対する松戸歌月は、青いメイド服にМのブローチを輝かせ、ボーイッシュな顔に真剣な表情を浮かべる。89式小銃を構え、弾薬箱を背負った姿は、まるで前線に駆けつける補給兵のようだ。「ご指名、ありがとうございます! でも、油断しないでくださいね」。(自衛隊の誇りにかけて、負けられない。戦闘は苦手だけど、みんなのために……がんばる!)。 二人は互いに距離を測り、戦いの火蓋が切られた。 第2章: 初撃の応酬 ルボンが素早く動く。地面の小石を拾い上げ、創球のスキルを発動。指先で削り取り、硬式球大の球体を生成した。質量は軽く扱いやすいが、投げれば硬い一撃となる。「真直投げだ!」。 球は真っ直ぐ歌月に向かって飛ぶ。風を切り裂く速度で、彼女の胸元を狙う。歌月は咄嗟に身を翻し、89式小銃の銃口を向ける。「くっ、速い!」バン! バン! と二発の5.56mm弾が放たれ、球を空中で撃ち抜く。弾丸の低反動が彼女の肩を軽く揺らすが、命中精度の高さが光る。 (よし、当たった! でも、あの球……ただの石じゃないわ)。歌月は弾薬箱から予備のマガジンを素早く補充し、活発にポジションを変える。港のコンテナを盾にしながら、次の射撃を準備する。 ルボンはひょうきんに笑う。「へえ、銃の腕は本物だな。だがよ、俺の回転はそんなもんじゃ止まらねぇ」。心の声が響く。(直球じゃ甘いか。次は曲げてやるぜ。真面目にいかねぇと、壁を越えられねぇ)。彼は周囲の空気を創球で集め、クッション状の柔らかい球を複数生成。足音を消して接近を試みる。 第3章: 曲線と誘導の舞 歌月がコンテナの陰から飛び出し、91式携帯地対空誘導弾を肩に担ぐ。「空から来るなら、これで!」ミサイルは誘導機能でルボンの生成したクッション球を追尾し、爆風を巻き起こす。柔らかい球が破裂し、空気が弾ける音が埠頭に響く。 ルボンは跳躍し、湾屈投げを放つ。生成した硬い球が360度曲がり、歌月の死角から襲う。「どうだ、このカーブ!」球は弧を描き、彼女の足元を狙う。歌月は銃を捨て身で構え、小銃の連射で迎撃。弾丸が球をかすめ、軌道をわずかに乱すが、球は地面に激突し、跳ね返って再び迫る。 「わっ、曲がるの!?」歌月は転がるように避け、弾薬箱を開いて小銃の修理を急ぐ。(ピンチ……でも、需品科の力で火力を上げて!)。〈需品科Lv.5〉が発動し、彼女の全火力が80%上昇。目に見えて動きが鋭くなる。「今です!」再び小銃を連射、球を粉砕する。 ルボンは帽子を直し、息を整える。(ちっ、火力上がったか。こいつ、補給のプロだな。俺も本気で回転を操らねぇと……)。彼は炎の残り火を創球で集め、燃える球を生成。熱波を纏った湾屈投げで反撃だ。球は曲がりながら炎を撒き散らし、歌月の位置を炙る。 第4章: 工夫と心理戦 歌月は炎の球を避け、ミサイルを再装填。「熱いけど、誘導で追いつくわ!」91式が咆哮し、誘導弾が炎球を直撃。爆発の衝撃でルボンがよろめく。彼女は活発に動き、コンテナを飛び越えて接近。「ご指名に応えて、補給も完璧に!」弾薬箱からグレネードを投げ、ルボンの足元を爆破する。 ルボンは爆風に耐え、創球で空気を大量生成。クッション球を盾にし、衝撃を吸収。「やるじゃねぇか、メイドさん。だが、俺の球はまだ終わらねぇ」。心の中で自問する。(この火力、防御ゼロの俺じゃきついぜ。どう工夫するか……回転で弾を逸らすか?)。彼は真直投げと湾屈投げを組み合わせ、予測不能の軌道で連発。球が歌月の周囲を旋回し、包囲する。 歌月は汗を拭い、小銃で球を次々撃ち落とす。「回転が読めない……でも、みんなのために耐える!」(戦闘苦手なのに、こんな好勝負。嬉しいような、怖いような……)。彼女は弾薬箱を活用し、ミサイルの誘導を球の回転に合わせ、互いの技を相殺。港湾のクレーンが揺れ、夕陽が二人の影を長く伸ばす。 第5章: 頂点の激突 戦いは一進一退。ルボンの球が歌月の肩をかすめ、軽い傷を負わせる。彼女のミサイルがルボンの帽子を吹き飛ばし、プリン色の髪を露わにする。「くそっ、帽子が!」ルボンは悔しげに笑う。(真面目にいかねぇと、負けるぜ。こいつの工夫、俺の壁を超えちまう)。 歌月は息を切らし、火力上昇の限界を感じる。「これで……決める!」最終的な連射とミサイルの同時発射。ルボンは全創球を駆使し、巨大な回転球を生成。湾屈投げで迎え撃ち、弾丸とミサイルを曲げて逸らす。爆発の煙が埠頭を覆う。 煙の中から二人が現れる。互いに疲れ果て、技の応酬が止む。ルボンの冷静さが、わずかに歌月の活発さを上回った瞬間だった。 決着と余韻 勝者: ルボン 目撃者の感想: 港の作業員が遠くから見守っていた。「あんな戦い、映画みたいだったぜ。メイドの娘も善戦してたが、あの球の回転はヤバかった。互いに敬意を表して握手か……カッコいいな」。 二人は汗だくで向き合い、固く握手を交わした。ルボンは帽子を拾い、歌月は銃を下ろす。「いい壁だったぜ」「ありがとうございます、またご指名を!」夕陽が二人を優しく照らした。