燻んだ廃墟の影 序盤:奇襲の霧 中世の廃墟が広がる荒涼とした大地。崩れた石壁と焦げた梁が、かつての栄華を物語るように立ち尽くしている。空気は重く、煙の匂いが鼻をつき、視界をぼやけさせる薄い霧が漂っていた。リアムとコレットは、この不気味な場所に足を踏み入れたばかりだった。 「うふふふ、ここはまるで古い物語の舞台ね。魔術の気配が微かに感じられるわ。気を引き締めておきましょう、コレットさん。」リアムは優雅に杖を振るい、穏やかな声で言った。彼女の動きは洗練され、ドレスの裾が優しく揺れる。謎めいた魔術師として知られる彼女は、どんな状況でも冷静さを失わない。 コレットは目を輝かせ、首にかけていた「千里眼のメガネ」を調整した。「わあ、すごい廃墟! こんなところにどんな宝物が隠れてるのかな? 面白そう、調べてみよう!」好奇心旺盛な少女は、周囲をきょろきょろと見回し、素早い足取りで石の破片を拾い上げては調べ始めた。彼女の防御はそれほど固くなく、攻撃も初歩的なものだが、風の魔法を操る知識とアイテムの可能性が彼女の武器だった。 突然、空気を裂く鋭い音が響いた。影の奥から、ぼやけた人影が現れ、弓を構える姿が一瞬だけ霧の中に浮かんだ。矢が放たれる――それはただの矢ではなく、標的を貫くほどの凄まじい威力を持っていた。矢はコレットめがけて一直線に飛来し、彼女の肩をかすめて石壁に突き刺さった。壁が砕け、衝撃で地面が震える。 「きゃっ! 何これ!?」コレットは素早く身を翻し、風の魔法を即座に呼び起こした。軽い突風が彼女の体を包み、矢の余波から逃れる。痛みを和らげる薬を素早く塗り、傷を抑える。「誰!? どこから!?」 リアムは瞬時に反応した。「うふふふ、影の射手ね。重力を操る好機だわ。」彼女は小声で呟きながら、⥀の魔術を発動。東西南北の重力を微調整し、周囲の空気を反重力で浮遊させた。彼女の体が軽やかに浮かび上がり、矢の軌道を予測してコレットを引き寄せる。負荷の掛かった重力球を影の方向へ放ち、霧を払うように空気を圧縮した。「この魔術は、重力の流れを逆転させるの。敵の位置をぼやけさせないようにね。」 影の射手は一瞬姿を現しただけだったが、リアムの重力放出がその場を揺るがせ、廃墟の瓦礫が浮かび上がる。コレットはメガネを押し上げ、ぼんやりとした視界で敵の気配を探った。「あれ、向こうに何かいる! 風よ、吹き飛ばして!」彼女の初歩的な風魔法が渦を巻き、霧を少しだけ晴らしたが、射手はすでに姿を消していた。二人は息を潜め、廃墟の奥へと進む。奇襲の緊張が、空気をさらに重くした。 中盤:追跡の渦 廃墟の中心部、崩れた大広間。煙の匂いが濃くなり、視界がさらに悪化していた。リアムとコレットは背中合わせに立ち、互いの気配を確かめ合う。参加者同士は敵対しない――それがこの試練の掟だ。 「うふふふ、敵は影に潜む射手ね。矢の威力は尋常じゃないわ。重力を利用して、攻撃を反転させましょう。」リアムは温厚に微笑み、魔術を連発した。底無しの魔力量が彼女を支え、天地の重力を操る⥀が次々と展開される。巨大な隕石を召喚するほどの力はまだ温存しつつ、物体の引き付けで周囲の瓦礫を集め、即席の盾を形成。精密操作で時間差攻撃を仕掛け、重力を付与した打撃を影の方向へ放つ。 コレットは痛みを軽減する薬をリアムに分け与え、自身の防御を固めた。「ありがとう、リアムさん! このメガネ、もっと能力を解放できそう。昔話に似てるよ、影の狩人みたいなの。」彼女は伝承学の知識を活かし、射手の習性を思い浮かべる。お気に入りのアイテム「千里眼のメガネ」を集中して使い、ぼやけた視界を少しだけ鮮明に。素早さが彼女の強みで、接近戦を避けつつ風の魔法で援護した。「風の壁よ、守って!」突風がバリアのように広がり、飛来する矢を逸らす。 再び、影が動いた。射手が姿を現し、弓を引く。超威力の矢がリアムに向かって放たれる――的を貫く勢いで、彼女の胸を狙う。リアムは体術と魔術を併用し、重力放出で矢の軌道を反転させた。矢が跳ね返り、廃墟の柱を粉砕する。「ふふ、面白いわ。この矢の力、重力でねじ曲げてみせます。」彼女は空中浮遊し、負荷十倍の重力球を連発。球体が影を追うように回転し、廃墟を揺るがす。 コレットは好奇心を抑えきれず、瓦礫の隙間を探る。「これ、面白そう! 射手の弓、どんな素材かな?」だが、次の矢が彼女を襲う。風魔法で逃げ、護身術の基本通り距離を取る。痛みが走るが、薬で和らげ、リアムの援護に感謝した。二人は着々と射手を追い詰めていく。影の姿が頻繁にちらつき、霧の中で弓の弦が鳴る音が響く。戦いは激しさを増し、廃墟の崩落が二人を脅かした。 終盤:奈落の決着 廃墟の最深部、煙が渦巻く広間。時間は流れ、参加者たちの息が荒くなっていた。射手は姿を頻繁に現すようになり、疲弊の兆しが見え隠れする。リアムは魔術を重複発動し、精密に敵を封じ込めていく。「うふふふ、最後の仕上げね。重力の可能性を、思い知ってもらいましょう。」 コレットはメガネの能力を最大限に解放し、射手の動きを予測。「あっ、来るよ! 風よ、散らせ!」風の渦が矢を絡め取り、リアムの攻撃をサポートした。二人は連携を深め、射手を廃墟の隅に追い詰める。 射手はついに大技を放った。影から現れた姿はこれまでより長く、弓にマークを刻むように照準を合わせる。巨大な矢が生成され、コレットにマークが付与された。矢が放たれ、場外へ吹き飛ばすほどの勢いで彼女を襲う。コレットは風魔法で抵抗するが、威力に押され、廃墟の外へと飛ばされる。「わ、わわっ! リアムさん!」 リアムは即座に動いた。「これが切り札の時よ。」彼女は最後の魔術、〖原初の魔術〗を発動。正真正銘、最初に誕生した強力な力――巨大な『奈落』が射手の足元に広がる。重力を極限まで操り、影の射手を突き落とす。射手は抵抗するが、奈落の闇に飲み込まれ、姿を消した。発動後、射手は二度と現れなかった。 コレットが帰還した時、時間はかなり経過していた。廃墟は静まり、煙が晴れ始めていた。「はあはあ…勝ったの?」 「うふふふ、ええ、終わったわ。」リアムは優しく微笑んだ。 戦闘の終了要因:燻の射手の戦闘不能